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気持ちの変化
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みんなからお説教をされた日から1週間になろうとしている。あれから僕はやっぱり透さんへの怒りや嫉妬が収まらず、心の中で何かが燻っている感じだ。
透さんは、僕の顔をじーっと見てくるときがある。なに?って聞いても、海斗が可愛いなって思って…と本音をはぐらかされている。
まぁ…何が言いたいかはわかってる。僕はあれから一緒にお風呂に入らなくなった。スキンシップも最小限、別に嫌いになったわけじゃない。でも、なんとなく気持ちが乗らないのだ。自分の気持ちが…透さんにも言えない本音が…
あんな楽しそうな写真…しかもあんなにモテてたんだと思うと、やっぱり嫉妬や、やきもちを妬いてしまう自分がいる。本当は少し強引にでもいいから思いっきり抱きしめてほしいのに…でも透さんはそんなことしない。
そんな時、お義母さんから電話がかかってきた。
ー海斗くんどう?元気?
ーお義母さん。はい変わらず元気です。
ーあのね、この前のことがあって海斗くんがまだ怒ってるんじゃないかって…どうしたらいいかわからないって透から相談されたの。全くバカな息子よね?
ー透さんが…
ー海斗くんは…まだ許せない?そりゃ許せないわよね?私もそのことを知ったときはそうだったもの。でもね…許さなくていいから透のことが嫌いになったわけじゃないなら、まだ側にいてくれない?私も海斗くんがいなくなるのは…嫌だから…どうかしら?
ーお義母さん、僕、過去のことは気にしないようにしないと…と思ってますが、まだ気持ちの整理ができてなくて…すみません。
ーいいのよ。それが正直な気持ちじゃない。当たり前よ。1発ぐらい殴ってもいいんだからね。でも…海斗くんの本音、透に言ってもいいのよ。遠慮なんてしなくて、これから夫夫になるんだから。じゃあまたご飯でも行こうね。
やっぱりお義母さんは優しい。いつも僕を気にかけてくれて電話をくれたりメッセージをくれたりする。夫夫か…本音を言ってもいいのだろうか?
あれから僕は秘書検定準1級を取ろうと、またスクールに通うことに決めた。角谷さんは別にいいのに無理しなくても…と言ってくれたけど、僕が挑戦したくなったのだ。準1級は試験内容も2級とは比べものにならないくらい大変だ。スクールは来月からだけど、仕事の合間を縫って勉強しているが難しい…頭に全然入らない。
「海斗、どこか行きたい所ないか?」
「なんですか?いきなり」
「いや…うん…」
「どうしたんですか?」
「あぁ…この前のことがあって、めちゃくちゃ反省したんだけど、海斗が無理してわかってくれたのかな?とか…本当は凄い嫌われたんじゃないかな?って…正直、今さら海斗から嫌いだって言われたら凹むだろうし、でも、どうしていいかわかんないけど…」
「透さん、何が言いたいのか、さっぱりわかりません。はっきり言ってください」
「そうだよな…ごめん。海斗、お願いだから嫌いにならないで」
「何言ってんですか?どうしてそんなこと…」
「いやだって…あれからお風呂は一緒に入ってくれないし、夜も遅くまで勉強して気づいたらソファーで寝てることも多いし…スキンシップも…してないだろ?嫌われても仕方ないと思うけど…やっぱり」
「僕もどうしていいのかわからないんです。透さんのことは嫌いじゃない。でも…過去を気にしないように考えないようと思えば思うほど、なんだか気持ちの整理がつかなくて…すみません」
「いや…悪かった。また思い出すようなこと言って、海斗が一緒に寝るのが嫌ならさ実家にでも俺は泊まるから。言ってくれ…な?」
「別に…透さんが嫌いって言ってないのに、どうして…どうしてそんなこと言うんですか?透さんこそ僕のことなんて…面倒だって思ってますよね。もういいです。僕が透さんの実家に行きます」
「いやいや海斗?なんで?」
「だって…」
「海斗、言いたいことあるなら全部、話しよう?なんでも言ってもいい。だから全部教えてよ…ね?本音を言わないといつまでたってもこのままだぞ。いいのか?」
「僕…いつまでも過去のこと気にして、やきもち妬いて…でも本当は無理矢理でも思いっきり抱きしめて欲しくて…本当に今は何もないって言って欲しくて…」
そう言うと思いっきり抱きしめられた。久しぶりに抱きしめられて胸が歓喜で震えた。
「海斗、俺はめちゃくちゃ海斗に惚れてる。どうしようもないくらい。本当に海斗だけなんだよ。俺には、海斗しか大事にしたくないんだ。だからこれからもお互い本音で言い合おう?言わなくても分かり合えるなんて嘘ではないけど、でも、言わなきゃ分かり合えないこともある。だから心の中、全部言って空っぽにしよう。俺はどんな海斗でも、海斗の本音の言葉なら受け止めるから」
合わせるだけの口づけはなんだか物足りなくて、もっと…と強請ってしまった。
結局は透さんのことが大好きなんだ。好きだから、嫉妬もするし、やきもちも妬く。きっとこれからも嫉妬や、やきもちを妬く気持ちが出てくると思う。でもそれは、僕の弱い部分だと向き合って、透さんに全て伝えよう。これからは、きっと透さんは、僕の気持ちを受け止めてくれると思うから。
透さんの腕の中で久しぶりに眠った。
透さんは、僕の顔をじーっと見てくるときがある。なに?って聞いても、海斗が可愛いなって思って…と本音をはぐらかされている。
まぁ…何が言いたいかはわかってる。僕はあれから一緒にお風呂に入らなくなった。スキンシップも最小限、別に嫌いになったわけじゃない。でも、なんとなく気持ちが乗らないのだ。自分の気持ちが…透さんにも言えない本音が…
あんな楽しそうな写真…しかもあんなにモテてたんだと思うと、やっぱり嫉妬や、やきもちを妬いてしまう自分がいる。本当は少し強引にでもいいから思いっきり抱きしめてほしいのに…でも透さんはそんなことしない。
そんな時、お義母さんから電話がかかってきた。
ー海斗くんどう?元気?
ーお義母さん。はい変わらず元気です。
ーあのね、この前のことがあって海斗くんがまだ怒ってるんじゃないかって…どうしたらいいかわからないって透から相談されたの。全くバカな息子よね?
ー透さんが…
ー海斗くんは…まだ許せない?そりゃ許せないわよね?私もそのことを知ったときはそうだったもの。でもね…許さなくていいから透のことが嫌いになったわけじゃないなら、まだ側にいてくれない?私も海斗くんがいなくなるのは…嫌だから…どうかしら?
ーお義母さん、僕、過去のことは気にしないようにしないと…と思ってますが、まだ気持ちの整理ができてなくて…すみません。
ーいいのよ。それが正直な気持ちじゃない。当たり前よ。1発ぐらい殴ってもいいんだからね。でも…海斗くんの本音、透に言ってもいいのよ。遠慮なんてしなくて、これから夫夫になるんだから。じゃあまたご飯でも行こうね。
やっぱりお義母さんは優しい。いつも僕を気にかけてくれて電話をくれたりメッセージをくれたりする。夫夫か…本音を言ってもいいのだろうか?
あれから僕は秘書検定準1級を取ろうと、またスクールに通うことに決めた。角谷さんは別にいいのに無理しなくても…と言ってくれたけど、僕が挑戦したくなったのだ。準1級は試験内容も2級とは比べものにならないくらい大変だ。スクールは来月からだけど、仕事の合間を縫って勉強しているが難しい…頭に全然入らない。
「海斗、どこか行きたい所ないか?」
「なんですか?いきなり」
「いや…うん…」
「どうしたんですか?」
「あぁ…この前のことがあって、めちゃくちゃ反省したんだけど、海斗が無理してわかってくれたのかな?とか…本当は凄い嫌われたんじゃないかな?って…正直、今さら海斗から嫌いだって言われたら凹むだろうし、でも、どうしていいかわかんないけど…」
「透さん、何が言いたいのか、さっぱりわかりません。はっきり言ってください」
「そうだよな…ごめん。海斗、お願いだから嫌いにならないで」
「何言ってんですか?どうしてそんなこと…」
「いやだって…あれからお風呂は一緒に入ってくれないし、夜も遅くまで勉強して気づいたらソファーで寝てることも多いし…スキンシップも…してないだろ?嫌われても仕方ないと思うけど…やっぱり」
「僕もどうしていいのかわからないんです。透さんのことは嫌いじゃない。でも…過去を気にしないように考えないようと思えば思うほど、なんだか気持ちの整理がつかなくて…すみません」
「いや…悪かった。また思い出すようなこと言って、海斗が一緒に寝るのが嫌ならさ実家にでも俺は泊まるから。言ってくれ…な?」
「別に…透さんが嫌いって言ってないのに、どうして…どうしてそんなこと言うんですか?透さんこそ僕のことなんて…面倒だって思ってますよね。もういいです。僕が透さんの実家に行きます」
「いやいや海斗?なんで?」
「だって…」
「海斗、言いたいことあるなら全部、話しよう?なんでも言ってもいい。だから全部教えてよ…ね?本音を言わないといつまでたってもこのままだぞ。いいのか?」
「僕…いつまでも過去のこと気にして、やきもち妬いて…でも本当は無理矢理でも思いっきり抱きしめて欲しくて…本当に今は何もないって言って欲しくて…」
そう言うと思いっきり抱きしめられた。久しぶりに抱きしめられて胸が歓喜で震えた。
「海斗、俺はめちゃくちゃ海斗に惚れてる。どうしようもないくらい。本当に海斗だけなんだよ。俺には、海斗しか大事にしたくないんだ。だからこれからもお互い本音で言い合おう?言わなくても分かり合えるなんて嘘ではないけど、でも、言わなきゃ分かり合えないこともある。だから心の中、全部言って空っぽにしよう。俺はどんな海斗でも、海斗の本音の言葉なら受け止めるから」
合わせるだけの口づけはなんだか物足りなくて、もっと…と強請ってしまった。
結局は透さんのことが大好きなんだ。好きだから、嫉妬もするし、やきもちも妬く。きっとこれからも嫉妬や、やきもちを妬く気持ちが出てくると思う。でもそれは、僕の弱い部分だと向き合って、透さんに全て伝えよう。これからは、きっと透さんは、僕の気持ちを受け止めてくれると思うから。
透さんの腕の中で久しぶりに眠った。
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