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自分の決意
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「部長…大丈夫ですか?」平井が質問した。
「これからバレるんだ。ちゃんと断った方がいいだろ…な?不安にさせたくないんだよ」
僕の方を向いて言われて恥ずかしくなって俯いてしまった。
平井が小さい声で
「でも小沢を秘書なんて…そんなに一緒にいたいですか?部長も独占欲強いんですね」そんなことを言い出した…独占欲って…それはお互いだよなぁーなんて思ってたら。
「あのー部長」
上田さんが席にやってきた。
「どうした?何かあったか?」
「なんで小沢が秘書課なんですか?デルさんじゃダメなんですか?」
「ん?まぁ上の決定だな。デルを営業にするなら誰を移動かって…今は男性秘書も珍しくないし、それに女性だとセクハラになる案件も男性ならわかってもらえたりするからな。まぁ…デルはマーケで培った経験を生かして営業部を盛り上げてほしいからだから秘書は…な。小沢が適任じゃないかって話に上がっただけだけど…他に何かあるのか?」
「いえ…大丈夫です」
歯切れの悪い言い方だが、そ
のまま戻って行ってしまった。
やっぱり僕じゃなんで?って言われるよね?営業部でも仕事ができてる方じゃなかったし…よし!頑張って勉強しよう。膝の上で拳を強く握った。
「じゃあそろそろ戻るか…」食べ終わって片付けて歩き出したけど周りから声が聞こえてきた。
「眼福とか、目の保養」とか…
やっぱり、透さんとデルが並んで歩いてるとそう言われるよなーと2人の後ろを呑気に歩いてると
違う声も聞こえてきた。
「ほら、やっぱりあの2人」
「そうそう、わざわざ迎えに行ったんだろう?」
「海外まで?」
「そう。堂々としてるもんなぁー2人とも」
「高校の時からの付き合いみたいだぞ」
「小沢、なんか勘違いしてる人いないか?」そう言われて気がついた。やっぱり…透さんとデルさんって距離も近いんだよなぁー
「違うって言ってたけど…」
「本当?本当に大丈夫か?」
「うん。あっ僕、お手洗いに行ってから戻るから…」
トイレの個室で落ち着かせよう。と入った…のが間違いだったかもしれない…
「大崎部長、見ましたよ。見ました!デルって人、これからは営業部に来るそうですよ」
「だろ?設楽…さっきすれ違った時、会ったんだけどお似合いだろ?」
「本当ですね。美男美男って感じです」
「はっはっは…でも小沢が秘書って上層部は頭がおかしいやつが多いのか?大した仕事もできないだろ…」
「本当ですね。まぁただ単にデルが来たから小沢の居場所を移しただけかもしれませんね」
「かわいそうだな」
「浅井部長も彼氏が来てくれて俄然やる気になってるかもしれませんよ。さっきなんてデルが抱きついたら嫌がってましたけど…本当はキスでもしたいんでしょうね」
「いやーあの浅井くんが彼氏にデレデレしてる所を見てみたいよな」
はっはっは…と笑いながら出てって行った。
どうしていつも僕はタイミングが悪いんだろう…手を洗ってると透さんが入ってきた。
「海斗?どうした?遅いから迎えに来た。さっき大崎部長達が出てったけど、また何か言ってたか?まぁだいたい想像つくが…気にするなよ」
そう言って会社なのに抱きしめてくれた。
その優しさに涙が出そうになったけど、堪えて仕事に向かった。
デルはマーケでの経験から色んなことを教えてくれた。この営業部で仕事してみたかったなぁと思った。
今日はデルもいるので残業なしで帰る。帰り支度をしていたら数人から声がかかった。デルと一緒に飲みに行きたいって、僕は行く気がなかったので断った。今日は行く所があるんだ。
透さんは夕方から会議でいなかったのでメッセージだけ残した。
「先に帰ります。寄りたい所があるので、帰りは9時過ぎになります。晩ごはんどうしますか?」
するとすぐに返信が来た。
「気をつけて行っておいで。晩飯は…学の所に集合な!終わったら俺も行くから」
「わかりました」
デルと平井、他数名で、どこに飲みに行く?と話してるのを聞きながら僕は部署を出た。
地図アプリで場所を再度確認して足早に向かった。
「これからバレるんだ。ちゃんと断った方がいいだろ…な?不安にさせたくないんだよ」
僕の方を向いて言われて恥ずかしくなって俯いてしまった。
平井が小さい声で
「でも小沢を秘書なんて…そんなに一緒にいたいですか?部長も独占欲強いんですね」そんなことを言い出した…独占欲って…それはお互いだよなぁーなんて思ってたら。
「あのー部長」
上田さんが席にやってきた。
「どうした?何かあったか?」
「なんで小沢が秘書課なんですか?デルさんじゃダメなんですか?」
「ん?まぁ上の決定だな。デルを営業にするなら誰を移動かって…今は男性秘書も珍しくないし、それに女性だとセクハラになる案件も男性ならわかってもらえたりするからな。まぁ…デルはマーケで培った経験を生かして営業部を盛り上げてほしいからだから秘書は…な。小沢が適任じゃないかって話に上がっただけだけど…他に何かあるのか?」
「いえ…大丈夫です」
歯切れの悪い言い方だが、そ
のまま戻って行ってしまった。
やっぱり僕じゃなんで?って言われるよね?営業部でも仕事ができてる方じゃなかったし…よし!頑張って勉強しよう。膝の上で拳を強く握った。
「じゃあそろそろ戻るか…」食べ終わって片付けて歩き出したけど周りから声が聞こえてきた。
「眼福とか、目の保養」とか…
やっぱり、透さんとデルが並んで歩いてるとそう言われるよなーと2人の後ろを呑気に歩いてると
違う声も聞こえてきた。
「ほら、やっぱりあの2人」
「そうそう、わざわざ迎えに行ったんだろう?」
「海外まで?」
「そう。堂々としてるもんなぁー2人とも」
「高校の時からの付き合いみたいだぞ」
「小沢、なんか勘違いしてる人いないか?」そう言われて気がついた。やっぱり…透さんとデルさんって距離も近いんだよなぁー
「違うって言ってたけど…」
「本当?本当に大丈夫か?」
「うん。あっ僕、お手洗いに行ってから戻るから…」
トイレの個室で落ち着かせよう。と入った…のが間違いだったかもしれない…
「大崎部長、見ましたよ。見ました!デルって人、これからは営業部に来るそうですよ」
「だろ?設楽…さっきすれ違った時、会ったんだけどお似合いだろ?」
「本当ですね。美男美男って感じです」
「はっはっは…でも小沢が秘書って上層部は頭がおかしいやつが多いのか?大した仕事もできないだろ…」
「本当ですね。まぁただ単にデルが来たから小沢の居場所を移しただけかもしれませんね」
「かわいそうだな」
「浅井部長も彼氏が来てくれて俄然やる気になってるかもしれませんよ。さっきなんてデルが抱きついたら嫌がってましたけど…本当はキスでもしたいんでしょうね」
「いやーあの浅井くんが彼氏にデレデレしてる所を見てみたいよな」
はっはっは…と笑いながら出てって行った。
どうしていつも僕はタイミングが悪いんだろう…手を洗ってると透さんが入ってきた。
「海斗?どうした?遅いから迎えに来た。さっき大崎部長達が出てったけど、また何か言ってたか?まぁだいたい想像つくが…気にするなよ」
そう言って会社なのに抱きしめてくれた。
その優しさに涙が出そうになったけど、堪えて仕事に向かった。
デルはマーケでの経験から色んなことを教えてくれた。この営業部で仕事してみたかったなぁと思った。
今日はデルもいるので残業なしで帰る。帰り支度をしていたら数人から声がかかった。デルと一緒に飲みに行きたいって、僕は行く気がなかったので断った。今日は行く所があるんだ。
透さんは夕方から会議でいなかったのでメッセージだけ残した。
「先に帰ります。寄りたい所があるので、帰りは9時過ぎになります。晩ごはんどうしますか?」
するとすぐに返信が来た。
「気をつけて行っておいで。晩飯は…学の所に集合な!終わったら俺も行くから」
「わかりました」
デルと平井、他数名で、どこに飲みに行く?と話してるのを聞きながら僕は部署を出た。
地図アプリで場所を再度確認して足早に向かった。
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