15 / 101
病み上がりは危険です
しおりを挟む
3人で話をしていると
「楽しそうだな」
「透さん。早いですね。まだ8時過ぎですよ。もう終わったんですか?」
「あぁ…ほぼ話終わったから残りは任せてきた。ポトフか…うまそうだな」
「はいとっても」
「俺にも少し」
「はいよ。待ってろ」
「ワインまで飲んで平気か?」
「大丈夫です。学さんの料理、美味しくて…軽めのワインなんで」
「学の料理は確かにうまいな」
「透さんの料理も俺好きです。味付けも優しくて…」
「好きなのは料理だけ?」
「っえ?」
「まぁ今はまだいい…な。所で何を盛り上がってたんだ?」
「学さんってお医者さんになりたかったんだけど、血が苦手で諦めたって。でも今は…悠人とお店持って幸せだって。いいよね~たとえ夢が叶わなくても今が幸せなら…」
「海斗だって…」
「俺、少し飲みすぎたかな?酔い冷ましてきます」
そう言って席を立ちトイレの個室に入った。お酒を飲んだせいかフラフラするなーそう思いながら便座に座りこんでしまった。
幸せ…俺は今幸せと言えるのだろうか…同棲してたアイツに裏切られ、透さんに拾われて…でも迷惑しかかけてない。会社では自己管理がなってないと…本当のことだから仕方ないけど…嫌われてるな。上田さんに…しかもアイツに待ち伏せされて…透さんに両親のこと知られちゃった…それでも家無しの俺には帰る家があるだけでも幸せなのかもしれない…でも俺は…幸せになっちゃいけないんだ。父さんや母さんを不幸にした俺なんか…
「あれ?海斗は?」
「あぁ…ちょっと酔い冷ますって…」
「昨日、大丈夫だったか?熱だしたんだって?」
「悠人くんに聞いておいてよかったよ。かなり高かったから。両親のことは聞いてない。言いたくないだろうし…それにしても海斗遅いな」
「倒れてないといいけど…病み上がりだし」
「ちょっと見てくる」
ドンドンドン
「っ海斗…海斗、大丈夫か?」
「あ…透さん、すみません」
鍵を開けて外に出た。
「海斗、大丈夫か?」
透さんに抱きしめられた。
温かい…ふと目に熱いものがこみ上げてきた。
「ぐっすっ」
「海斗どうした?」
「いえっ…すみません。酔いが回ったみたいで…」
「浅井、これポトフ詰めといたから、あとタクシー呼んどいた」
「悪いな。また来るよ。近々また集まろうぜ」
「了解。連絡待ってるから。気をつけろよ」
「海斗、帰るぞ」
「透さん、もう大丈夫です」
そう言う俺を信用してないのか抱えながら家に帰った。
「もう少し酔い冷ますか?」
「はい」
ソファーに座り透さんにもたれかかりながら学さんと悠人の仲良さそうな姿を思い出していた。
お互いを信頼してて、わかりあってて…透さんは俺の過去を知っても嫌いにならないだろうか?嫌いって言われたらどうしよう…
嫌われたくない…
「なに難しそうな顔して何考えてる?」
「いえ…別に」
「話したら楽になるかもしれないぞ。まぁ…言いたくないことも」
「透さんは俺を嫌いになりますか?」
「はぁ?いきなりどうした?」
「すみません…」
俺を抱きしめながら
「俺は小沢海斗が好きなんだ。こんなに好きなのに嫌いになるわけないだろ?地位も名誉も全て捨てられるくらい、海斗だけが好きだよ海斗…キスしていい?今すぐキスしたい」
俺の答えを聞くことなく顎に手をかけて唇を合わせた。透さんの唇は温かくて、でも少し震えていた。すぐに離れてしまった唇が淋しくて、透さんの唇を見ていたら
「もっと気持ちいいキスしようか?何も考えられないくらいに…」
そんな甘い言葉とは裏腹に、さっきとは違く少し荒々しく唇を合わせてきた。薄く唇を開くと待ってましたとばかりに舌が差し込まれ歯列にそって上顎を撫でられた。
「んっ…」
「海斗好きだよ。どんな海斗でも好きだ」
「俺…透さんに嫌われたくない」
「あぁ…絶対に嫌いになんかならない。俺に海斗の事、愛させて」
こめかみに瞼に頬に首筋に唇が落ちてきた。透さんを好きになってもいいの?裏切られない?という不安、キスだけじゃ物足りなさを感じた。俺はただ単に人肌が恋しいだけじゃないのか?透さんが好きだから?そう思いながらも深くて熱いキスに俺は透さんの首に腕を回した。それが合図になったのかソファーの上に仰向けに転がされた。
「…透さん?」
「海斗?…余計な事は考えないで今は愛し合わないか?」
「でもシャワー」
「もう待てない。海斗不足で会社で襲いそうになる…」
「会社って…」
「海斗、愛してるよ」
頬に手を当てキスを落してくる。
その甘い言葉で透さんに身を任せた。
「楽しそうだな」
「透さん。早いですね。まだ8時過ぎですよ。もう終わったんですか?」
「あぁ…ほぼ話終わったから残りは任せてきた。ポトフか…うまそうだな」
「はいとっても」
「俺にも少し」
「はいよ。待ってろ」
「ワインまで飲んで平気か?」
「大丈夫です。学さんの料理、美味しくて…軽めのワインなんで」
「学の料理は確かにうまいな」
「透さんの料理も俺好きです。味付けも優しくて…」
「好きなのは料理だけ?」
「っえ?」
「まぁ今はまだいい…な。所で何を盛り上がってたんだ?」
「学さんってお医者さんになりたかったんだけど、血が苦手で諦めたって。でも今は…悠人とお店持って幸せだって。いいよね~たとえ夢が叶わなくても今が幸せなら…」
「海斗だって…」
「俺、少し飲みすぎたかな?酔い冷ましてきます」
そう言って席を立ちトイレの個室に入った。お酒を飲んだせいかフラフラするなーそう思いながら便座に座りこんでしまった。
幸せ…俺は今幸せと言えるのだろうか…同棲してたアイツに裏切られ、透さんに拾われて…でも迷惑しかかけてない。会社では自己管理がなってないと…本当のことだから仕方ないけど…嫌われてるな。上田さんに…しかもアイツに待ち伏せされて…透さんに両親のこと知られちゃった…それでも家無しの俺には帰る家があるだけでも幸せなのかもしれない…でも俺は…幸せになっちゃいけないんだ。父さんや母さんを不幸にした俺なんか…
「あれ?海斗は?」
「あぁ…ちょっと酔い冷ますって…」
「昨日、大丈夫だったか?熱だしたんだって?」
「悠人くんに聞いておいてよかったよ。かなり高かったから。両親のことは聞いてない。言いたくないだろうし…それにしても海斗遅いな」
「倒れてないといいけど…病み上がりだし」
「ちょっと見てくる」
ドンドンドン
「っ海斗…海斗、大丈夫か?」
「あ…透さん、すみません」
鍵を開けて外に出た。
「海斗、大丈夫か?」
透さんに抱きしめられた。
温かい…ふと目に熱いものがこみ上げてきた。
「ぐっすっ」
「海斗どうした?」
「いえっ…すみません。酔いが回ったみたいで…」
「浅井、これポトフ詰めといたから、あとタクシー呼んどいた」
「悪いな。また来るよ。近々また集まろうぜ」
「了解。連絡待ってるから。気をつけろよ」
「海斗、帰るぞ」
「透さん、もう大丈夫です」
そう言う俺を信用してないのか抱えながら家に帰った。
「もう少し酔い冷ますか?」
「はい」
ソファーに座り透さんにもたれかかりながら学さんと悠人の仲良さそうな姿を思い出していた。
お互いを信頼してて、わかりあってて…透さんは俺の過去を知っても嫌いにならないだろうか?嫌いって言われたらどうしよう…
嫌われたくない…
「なに難しそうな顔して何考えてる?」
「いえ…別に」
「話したら楽になるかもしれないぞ。まぁ…言いたくないことも」
「透さんは俺を嫌いになりますか?」
「はぁ?いきなりどうした?」
「すみません…」
俺を抱きしめながら
「俺は小沢海斗が好きなんだ。こんなに好きなのに嫌いになるわけないだろ?地位も名誉も全て捨てられるくらい、海斗だけが好きだよ海斗…キスしていい?今すぐキスしたい」
俺の答えを聞くことなく顎に手をかけて唇を合わせた。透さんの唇は温かくて、でも少し震えていた。すぐに離れてしまった唇が淋しくて、透さんの唇を見ていたら
「もっと気持ちいいキスしようか?何も考えられないくらいに…」
そんな甘い言葉とは裏腹に、さっきとは違く少し荒々しく唇を合わせてきた。薄く唇を開くと待ってましたとばかりに舌が差し込まれ歯列にそって上顎を撫でられた。
「んっ…」
「海斗好きだよ。どんな海斗でも好きだ」
「俺…透さんに嫌われたくない」
「あぁ…絶対に嫌いになんかならない。俺に海斗の事、愛させて」
こめかみに瞼に頬に首筋に唇が落ちてきた。透さんを好きになってもいいの?裏切られない?という不安、キスだけじゃ物足りなさを感じた。俺はただ単に人肌が恋しいだけじゃないのか?透さんが好きだから?そう思いながらも深くて熱いキスに俺は透さんの首に腕を回した。それが合図になったのかソファーの上に仰向けに転がされた。
「…透さん?」
「海斗?…余計な事は考えないで今は愛し合わないか?」
「でもシャワー」
「もう待てない。海斗不足で会社で襲いそうになる…」
「会社って…」
「海斗、愛してるよ」
頬に手を当てキスを落してくる。
その甘い言葉で透さんに身を任せた。
186
お気に入りに追加
826
あなたにおすすめの小説
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
楽な片恋
藍川 東
BL
蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。
ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。
それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……
早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。
ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。
平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。
高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。
優一朗のひとことさえなければ…………
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる