鬼上司と秘密の同居

なの

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「あ゛ーごえ゛がぁー」
「悪かったな。水飲むか」

声が出にくくて、首を縦に振ると口移しで水が流れてくる。

「ゔっ…」

「海斗は可愛いな。喘がせすぎたか?」なんて会社じゃ見たこともない笑顔で言われた…

「朝っぱらから襲って悪かったな。身体痛くないか?身体は綺麗にしたけどサッパリしたいならシャワー浴びるか?まぁ…一緒に浴びたら2ラウンド目が始まりそうだけどな…はっはっはっ…まぁーその前に腹ごしらえしよ。腹減っただろ。食べられそうか?ちょっと待ってろ」と部屋を出てってしまった…

え?そういえば俺…好きだと言われて上司とエッチしちゃったんだよな…これからどうする?どうなっちゃう?仕事やりづらくなるよな?なんて頭を抱えていたら…

「カチャ」とドアを開けて部長が戻ってきた「飯食いに行くぞ。よいしょっと…」
「うわぁー」

軽々と抱き上げられて大きなリビングが見渡せるソファーの上に降ろされた。
目の前のテーブルの上には湯気が立った美味しそうなうどんが乗っていた。
「食べられそうか?」

「美味しそう」
出汁の香りがしてきた。卵とネギが入ったシンプルだけど、美味しそうなうどんだった。
「いただきますっ……あっつ…でも美味しいです」

「ゆっくり食べろよ」

暖かいうどんは心に沁みてきて気づいたら涙が溢れてきた。

「…ずみ…ま…ぜ…ん」

「気にするな。食べたらまた横になろ」そう言ってティッシュを渡してくれた。

そういえば誰かにご飯を作ってもらうなんていつぶりだろう?アイツは家事が全くできなかった。俺が風邪ひいて熱で寝込んでる時も、コンビニで唐揚げ弁当を買ってくるくせに、自分が具合悪い時はめちゃくちゃ甘えてくる奴だった。付き合って3年、同棲して3年…6年もの長い月日を一緒に過ごしてきた情や思い出がいっぱいで…気づいたら箸が止まってしまった。

「海斗…どうした?何が辛い」
大きな手のひらで頭を撫でてくれる。その温もりに安心してつい言葉が溢れた。

「俺…なんで浮気されたんでしょう。仕事しながらだったけど掃除や洗濯、料理も作ってたし…その辺の女よりできてると思ってた。最近はご無沙汰だったけど…フェラ…も上手うまいって褒めてもらえてたのに…やっぱり、男の身体より女の方が魅力的なんですかね?男は濡れないし…生でやったら腹壊すし…妊娠しないだけで…」

「海斗…俺はお前が好きだよ。仕事に一生懸命取り組んで、真面目で…でもたまに抜けてて…目が離せない時があってさぁー俺は気づいた時から男が好きで、女にはまるっきり興味がない。過去に男と付き合った経験もあるけど、浮気も1回もした事がないぞ、信じられないかもしれないけど、俺のお前に対する気持ちは嘘じゃない。流れでセックスしてしまったけど…俺に愛されてみないか?お試しでもいいから…」

「………」

「まあー今はゆっくりな。これから本気で落とすから覚悟しろよ」

「………」

「とりあえず飯食っちゃえ今は何も考えなくていいから…そういえばこれ…」

「あ!俺のスマホ、ここにあったんだーよかったぁー」

「スーツケースも持ってきた。中身は出しといたぞ。大した服入ってなかったなぁー」

「はい…テキトーに目についたものしか入れてなかったから…」

スマホを見るとアイツからたくさん連絡が入ってた。

「海斗どこだ?」 
「いつ帰ってくる?」
「いく所ないよな?」
「早く帰ってこい」
「オレが悪かった」
「あの女はいないから」
「オレ、海斗がいないと生きていけないよー」

俺はスマホの電源を消した。なに言い訳してるの?女としてたのは事実だろ。俺、見たんだぞ……
目の前にあの時のことが浮かんできて涙がポロポロ溢れてきた。

「俺が海斗を幸せにするから、酷いことされた奴の事で泣くな」

そう言って強く抱きしめてくれた。
部長の…透さんのムスクの香りが鼻を抜けた…落ち着くなあーそう思いながら、透さんの胸に身体を預けた。恋愛なんてもうこりごりだと思ったのに…俺は…このままでいいんだろうか?本当にぶ…透さんに甘えていいんだろうか?お試しで透さんと付き合っていいの?色んな事を考えてるうちに俺は寝てしまった。

    



《side 透》



「海斗…海斗…って寝ちまったか…泣き疲れたか?子供みたいだなぁ可愛いけど…」

まさか修羅場見たなんてなぁー最悪だよな。友達の所で飲んだくれて、気づいたら俺ん家って…挙げ句の果てに抱かれちまうなんてな…学が知ったら怒られるんだろうなぁー、まぁー捕まえたものは、もう離す気なんてないから…

そういえば…元カレはどうやって落とし前つけさそうかな?やっぱアイツに頼む方がいいか?親父だと色々と面倒だよなーまぁ後々、海斗の様子見ながら考えるか…

そろそろベッドに寝かすか…やっと海斗を腕に抱ける日が来るなんてな。でも…もう少し俺が早くに動いてたら…こんな辛い目に遭わずに済んだのにな。本当ごめんな。今日は辛いこと思い出さずに、いい夢みろよ。ゆっくりおやすみ。

海斗の柔らかくて少し厚みのある唇にキスをして海斗を抱きしめてベッドに横になった。これからずっとお前の側にいるのは俺だからな。お前は俺に愛されて甘えていればいい。

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