転移したら獣人たちに溺愛されました。

なの

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第2章

101回

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「失礼いたします」

「ノアはどうだ?」
執務室に入るなりノアのことを心配する父上は昔から変わっていない。

「いつも通りにまだごねています。本当に結婚式当日でいいんですか?もう言ってあげたほうが……」

「ダメだ」
強い口調で言われ背筋が伸びた。やっぱりダメなのか……俺が落ち込んでいるように見えたのだろう父上はホルト先生の弟ナイル先生の話をし始めた。

「彼らも色々ありながらも今は3人の子ども達と幸せにしてるだろう?だからノアもきっと大丈夫だ」
そう言われても俺は今のノアがナイル先生のように受け入れてくれるか不安で仕方がない。

そうこの獣人の世界に来た人間は妊娠できるように体が作り替えられてしまう。なぜそうなるのかいまだにわからないが…ただ運命の伴侶に出会えた者だけがここにいる獣人と子孫を残すことができる。まだ俺とノアはキスしかしたことがない。いずれは子作りをしたいが……ノアが受け入れてくれるのか、また俺に子どもを産んでくれる人と結婚した方がいいと言ってるノアに実はノア自身が俺の子どもを産めるんだと伝えて怖がりはしないか不安でしかない。

ナイル先生の子どもにも何度か会ったことがある。3人のうち1人は人間だが2人は獣人だ。ノアにとても懐いていてノアは自分の弟のように可愛がってはいるが……果たして……そんなに上手くいくのだろうか……


式の前日まで駄々をこねてみんなを困らせていたノアだったが、とうとう諦めてくれた。そして式の当日、父上から話があった。

「ノア、いよいよカイルと結婚だな。おめでとう。ただ1つだけノアに内緒にしていたことがある」
そう父上が硬い口調で言い始めるとノアは俯き体が震えていた。
「ノア、大丈夫だ」
俺はそっとノアの肩を抱いた。

「ノアの体はカイルの子どもが産めるように、作り替えられているんだ。なぜそうなるのかはパパにもわからないが、ノアはナイル先生のように子どもが産めるようになるんだ。カイルと仲良くしていればな」
そう言って穏やかに笑う父上にノアが抱きついた。

「パパ本当?僕、カイルの赤ちゃん産めるようになるの?」
目をキラキラさせてノアは嬉しそうに言ってくれた。
ノアが悩むかも……と考えていたのが嘘のようだ。すると今度は俺の方を振り向き

「カイルは僕がカイルの子どもを産んだら喜んでくれる?誰かと結婚しない?」
不安そうな顔で言うノアの手を引いて思いっきり抱きしめた。

「だから前から言ってる。ノアが……ノアだけが俺の伴侶だから」
ノアはきっと不安だったのだろう。そういえばナイル先生にもどうして子どもがいるのか聞いていたけど、先生も本当のことは言わなかったんだろう。ノアは自分が産めるなんて想像もしていなかったと思うが……俺たちにも、いつか子どもができたらきっとノアは子どもにたくさんの愛情を注いでくれるだろう。自分が受けれなかった親からの愛情を……俺もノアに惜しみない愛を送り続けよう。


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感想 8

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みんなの感想(8件)

みみみみみ
2024.09.14 みみみみみ

許せませんな!
意地悪したら更に嫌われるだけってなぜ理解しないんだ!
ノアは無事でしょうか?
しんぱいです( ノД`)…

2024.09.16 なの

みみみみみさん。コメントありがとうございます。

普通は嫌われるって理解するんですけどね。

ノアの心配してくださり、ありがとうございます。運命の相手が側にいてくれてるので大丈夫です。

解除
みみみみみ
2024.09.13 みみみみみ

この国の王たちってどの程度敬われてるの?っていつも思ってます。
当たり前のようにみんなカイルに話しかけて家にまで会いに行ってるけど…
そんな簡単に会えるようなお城なの?
警備上大丈夫なの?そしてそんな簡単に会えるような存在なの?

2024.09.14 なの

みみみみみさんコメントありがとうございます。

ノアが人間から来たこともあり、普通の子として育って欲しかったという願いから、ノアの知り合いには距離をとらずに接している設定です。わかりづらい表現で申し訳ありません。

今後もおかしいと思うことがあるかもしれませんが広い心で応援していただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。

解除
みかん
2024.09.05 みかん
ネタバレ含む
2024.09.05 なの

みかんさんコメントありがとうございます。
多分こんな状況になるとは思ってなかったんでしょうね。運命の伴侶だから絶対というのがあったと思いますが…この状況になったので色々変わってくると思います。

お読みくださりありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

解除

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