23 / 24
旅立ち-2
しおりを挟む
農の今後の役割については、『詳しくは明日話すよ』と洞爺に言われるに留まった。周囲の人々の変化を少し把握できたところで、農も厨房に入った。
源助の妹である伊吹が接客を務めて、ひかりが厨房と接客を兼務するという体制となりその日の営業は無事に終了した。
農は久しぶりの元の環境での労働に疲労感を感じながらシェアハウスの自分の部屋に戻った。
ベッドに入ろうとしたが、尿意を催したためトイレに行った。部屋に戻る途中にものすごい睡魔に襲われてきた。久しぶりの自分の部屋のベッドで眠れるという安心感からだろうか。
部屋の扉の前に到着して、眠気の我慢も限界にきた。その部屋の扉を開けた瞬間、農の眠気はどこかへ消えてしまった。
「ここは、私の部屋だ!!!」
部屋に明かりが灯り、怒号と共にすごい早さで農の顔面に何かが飛んできた。その刹那、農の脳裏に悪夢がよみがえった。同時に心拍数と体温が急上昇した。決して繰り返してはいけない過ちをまたやってしまった。
ただし、前回の過ちと比較すると異なる点がいくつかあった。
まずは、『床に落下した何か』は枕だった。目覚まし時計より遙かにダメージが小さい。
そして、今回の怒号の主はひかりだった。
さらに、ひかりの隣でニヤニヤしている早生の存在があった。
「あんたは、節目になにかやらかさないと気が済まないの?」
さらに農にとっての災難が続いた。
「やぎくん、現行犯だね」
ニヤニヤしながら動画撮影をしている山東菜々の存在があった。
「早生さんの予想通りでしたね」
「やぎは単純だから。わかりやすいから。また同じことをやらかすと思ったのよ。今回はひかりちゃんの部屋ってところが変更点だね」
「単純は理由になってない気がしますよ。変更点も含めて予想通りですね」
女性三人が盛り上がっている中、顔面蒼白で口を半開きして微動だにしない農の存在があった。
「やぎ、おかえり」
「やぎくん、おかえりさない」
久しぶりの懐かしい顔ぶれとの再会はとても苦い思い出となった。早生と菜々からの『おかえり』及びこの数分間の記憶は農の脳から削除されることになる。
今回は、着替え中の女性の部屋に入るという状態ではなかったことが、農にとって不幸中の幸いといえるだろう。
「ごめんなさい。部屋の鍵をかけてください。お願いします」
少し冷静になった農は、恥ずかしい思いと申し訳ない思いの中、前回の失態の時には言えなかった要望を伝えた。
心拍数と体温が平常値に戻らないまま慌てて自分の部屋に戻った。部屋に戻ってからしばらくの間、後悔の念に駆られながらも無事に眠りにつくことが出来た。その後、ひかりの部屋は女性三人の笑い声に溢れた。
翌朝の農にとっては久しぶりとなる日常の朝食の準備は、ひかりの担当になっていた。
「やぎさん、おはようございます。私もここに住んでいるので、これからよろしくお願いします」
この報告をするタイミングは昨日、何度もあったであろうと農は思わずにはいられなかった。もちろん、この事実を知っていたら昨日の事件は起こらなかった、とは言いにくいが。
「おはよう。あの、昨日はごめんなさい」
「本当ですよー。気をつけてくださいね」
前回の早生の部屋の事件の時と比較すると、被害は最小限に留められた。
「おはよう。やぎ、ひかりちゃんの裸が見れずに残念だったね」
「あら?そんな期待をしていたの?まさか、わざと?」
「早生さん、菜々さん、おはようございます」
鎮火し掛けていた火に再び燃料と酸素が供給された。
「残念とかないし、わざとなわけがないでしょ」
女性三人の笑い声が溢れた後、後ろから笑い声が追加された。
「ははは。やぎくん、またやったの?問題にならない程度にしておいてね」
「洞爺さん、勘弁してください。粛清はすでに受けています」
「しばらく、このメンバーで朝食を食べることがなくなると思うと少し寂しいね」
早生の発言に農は質問せずにはいられなかった。
「なんのこと?」
「はあ?あんた、まさか何も知らないの?」
知るわけがない。聞いていないのだから。
味来、菜々、洞爺、陸奥つまり未来からタイムスリップしてきた四人は翌日から無期限の長期旅行に行くことになっていた。理由は『バカンスを楽しみたいから』以外詳しく語られることはこの時点ではなかった。
イベントの発表は突然である。
「お店と会社はどうするんですか?」
「お店はやぎくんに任せたいと思っているんだけど、どう?お願いできるかな?」
「わかりました。洞爺さんが帰ってくるまでの間、代わりを務められるように努力します」
「いや、代わりではなく、シェハウス含めてお店の権利をやぎくんに譲渡したいということ。もっとわかりやすく言うと僕は引退するから経営をお願いしたいということ」
「えっ?急にそんなことを言われても・・・・・・」
「経営を辞めるも続けるもやぎくん次第」
「やぎさん、お店辞めちゃんですか?」
「いやいや、辞めないから。わかりました、引き受けます。ひかりちゃん、一緒にお店を盛り上げていこう」
現時点で災難が起こる未来が変更されているかはわからない。できることを精一杯すると決めたからには、ここで投げ出すわけにはいかなかった。
「『ひかりちゃんと一緒に』という言い方がいやらしい。やぎに変なことされたらすぐに報告してね。すぐにぶっ飛ばしに来るから」
「はい、よろしくお願いします」
「しないし、言い方が物騒だ」
環境が変化しても良い雰囲気でやっていけそうだと農は感じた。もちろん、今ここにはいないが伊吹も一緒に。源助の妹の。
「ということで、今日の夜の営業はお休みにして味来さんたちとここで食事会をするから。みんな、準備の手伝いよろしくね」
洞爺の一言で皆それぞれの仕事へ向かった。
「洞爺さん、一つお願いがあるんですけど」
「なんだい?」
「オムライスのレシピ教えてもらえませんか?自分でも何度か試したんですけど、どうしても洞爺さんと同じ味にならなくて」
「いいけど、お店のメニューにするのかい?」
洞爺はオムライスをお店のメニューにすることを快く思っていないように感じられた。農や味来に好評だったオムライスをメニューにしていなかったのは不思議だった。オムライスは早生にも好評だったため、味の問題ではなかったようだ。何か理由があるとしか思えなかった。
「いえ、せっかく俺の師匠と同じ味のオムライスが食べられたのに、またしばらく食べられなくなるのは寂しいので」
「そうか、いいよ」
洞爺は少し考えてから返事をした。なぜ今まで洞爺にオムライスのレシピを訊かなかったのかは農自身にも明確な理由はわからなかった。この時、農と師匠と『同じ味のオムライス』と言ったことに対して、否定しなかった洞爺に疑問を持つこともなかった。
夜になり味来たちが『Sugar』へと集まってきた。
味来 惠味、山東 菜々、陸奥 陽光や綾目 雪、伊豆 次郎など一堂に集うのは珍しいと思える面々だった。
特に挨拶もなく来た人から食事会が開始されていた。
各々が食事と談笑を楽しんでいる中、農は気になっていた質問を味来にした。
「味来さんがいない間、会社の責任者はどうするんですか?」
「いない間というか、僕は引退するから。後継者は源助に任せてある」
「コウケイシャ?」
「後継者だ」
隣で聞いていた源助が突っ込んできた。
「やぎくんも、この店を任されたんだろうから。これからは源助たちと協力しあって君たちが盛り上げていってね」
味来たちがこの時代ですべきと考えていたことはすべて遂行されたと本人たちも思っていた。未来で起こった悲惨な出来事を回避する手段と考えていた農場工場を始めとする農業の発展とそれに伴う必要な技術の伝達。
味来の後継者は守口 源助。
陸奥の後継者は伊豆 次郎。
菜々の後継者は綾目 雪。
洞爺の後継者は保料 農。
四人はそれぞれの役目を果たしていた。
今日、この食事会に参加した人たちの中で真実を知っている人はどれほどいたのだろうか。四人は早すぎる引退をしてバカンスを楽しむ。これ以上のことが本人たちから語られることはなかった。
味来たちが見た未来の悲惨な出来事が回避できた確証はない。なによりも、その日時が味来たちから語られることがなかったからだ。
日時が変更されただけかもしれない。
発生場所や規模が変更されただけかもしれない。
様々な不安要素が残るが、この結果は誰にもわからない。わからない状況にいることが成果なのかもしれない。
賑やかな時間も終わりを迎え、四人とのしばらくの別れを惜しみながらシェアハウスを住居としている者以外、それぞれが店を去って行った。
源助の妹である伊吹が接客を務めて、ひかりが厨房と接客を兼務するという体制となりその日の営業は無事に終了した。
農は久しぶりの元の環境での労働に疲労感を感じながらシェアハウスの自分の部屋に戻った。
ベッドに入ろうとしたが、尿意を催したためトイレに行った。部屋に戻る途中にものすごい睡魔に襲われてきた。久しぶりの自分の部屋のベッドで眠れるという安心感からだろうか。
部屋の扉の前に到着して、眠気の我慢も限界にきた。その部屋の扉を開けた瞬間、農の眠気はどこかへ消えてしまった。
「ここは、私の部屋だ!!!」
部屋に明かりが灯り、怒号と共にすごい早さで農の顔面に何かが飛んできた。その刹那、農の脳裏に悪夢がよみがえった。同時に心拍数と体温が急上昇した。決して繰り返してはいけない過ちをまたやってしまった。
ただし、前回の過ちと比較すると異なる点がいくつかあった。
まずは、『床に落下した何か』は枕だった。目覚まし時計より遙かにダメージが小さい。
そして、今回の怒号の主はひかりだった。
さらに、ひかりの隣でニヤニヤしている早生の存在があった。
「あんたは、節目になにかやらかさないと気が済まないの?」
さらに農にとっての災難が続いた。
「やぎくん、現行犯だね」
ニヤニヤしながら動画撮影をしている山東菜々の存在があった。
「早生さんの予想通りでしたね」
「やぎは単純だから。わかりやすいから。また同じことをやらかすと思ったのよ。今回はひかりちゃんの部屋ってところが変更点だね」
「単純は理由になってない気がしますよ。変更点も含めて予想通りですね」
女性三人が盛り上がっている中、顔面蒼白で口を半開きして微動だにしない農の存在があった。
「やぎ、おかえり」
「やぎくん、おかえりさない」
久しぶりの懐かしい顔ぶれとの再会はとても苦い思い出となった。早生と菜々からの『おかえり』及びこの数分間の記憶は農の脳から削除されることになる。
今回は、着替え中の女性の部屋に入るという状態ではなかったことが、農にとって不幸中の幸いといえるだろう。
「ごめんなさい。部屋の鍵をかけてください。お願いします」
少し冷静になった農は、恥ずかしい思いと申し訳ない思いの中、前回の失態の時には言えなかった要望を伝えた。
心拍数と体温が平常値に戻らないまま慌てて自分の部屋に戻った。部屋に戻ってからしばらくの間、後悔の念に駆られながらも無事に眠りにつくことが出来た。その後、ひかりの部屋は女性三人の笑い声に溢れた。
翌朝の農にとっては久しぶりとなる日常の朝食の準備は、ひかりの担当になっていた。
「やぎさん、おはようございます。私もここに住んでいるので、これからよろしくお願いします」
この報告をするタイミングは昨日、何度もあったであろうと農は思わずにはいられなかった。もちろん、この事実を知っていたら昨日の事件は起こらなかった、とは言いにくいが。
「おはよう。あの、昨日はごめんなさい」
「本当ですよー。気をつけてくださいね」
前回の早生の部屋の事件の時と比較すると、被害は最小限に留められた。
「おはよう。やぎ、ひかりちゃんの裸が見れずに残念だったね」
「あら?そんな期待をしていたの?まさか、わざと?」
「早生さん、菜々さん、おはようございます」
鎮火し掛けていた火に再び燃料と酸素が供給された。
「残念とかないし、わざとなわけがないでしょ」
女性三人の笑い声が溢れた後、後ろから笑い声が追加された。
「ははは。やぎくん、またやったの?問題にならない程度にしておいてね」
「洞爺さん、勘弁してください。粛清はすでに受けています」
「しばらく、このメンバーで朝食を食べることがなくなると思うと少し寂しいね」
早生の発言に農は質問せずにはいられなかった。
「なんのこと?」
「はあ?あんた、まさか何も知らないの?」
知るわけがない。聞いていないのだから。
味来、菜々、洞爺、陸奥つまり未来からタイムスリップしてきた四人は翌日から無期限の長期旅行に行くことになっていた。理由は『バカンスを楽しみたいから』以外詳しく語られることはこの時点ではなかった。
イベントの発表は突然である。
「お店と会社はどうするんですか?」
「お店はやぎくんに任せたいと思っているんだけど、どう?お願いできるかな?」
「わかりました。洞爺さんが帰ってくるまでの間、代わりを務められるように努力します」
「いや、代わりではなく、シェハウス含めてお店の権利をやぎくんに譲渡したいということ。もっとわかりやすく言うと僕は引退するから経営をお願いしたいということ」
「えっ?急にそんなことを言われても・・・・・・」
「経営を辞めるも続けるもやぎくん次第」
「やぎさん、お店辞めちゃんですか?」
「いやいや、辞めないから。わかりました、引き受けます。ひかりちゃん、一緒にお店を盛り上げていこう」
現時点で災難が起こる未来が変更されているかはわからない。できることを精一杯すると決めたからには、ここで投げ出すわけにはいかなかった。
「『ひかりちゃんと一緒に』という言い方がいやらしい。やぎに変なことされたらすぐに報告してね。すぐにぶっ飛ばしに来るから」
「はい、よろしくお願いします」
「しないし、言い方が物騒だ」
環境が変化しても良い雰囲気でやっていけそうだと農は感じた。もちろん、今ここにはいないが伊吹も一緒に。源助の妹の。
「ということで、今日の夜の営業はお休みにして味来さんたちとここで食事会をするから。みんな、準備の手伝いよろしくね」
洞爺の一言で皆それぞれの仕事へ向かった。
「洞爺さん、一つお願いがあるんですけど」
「なんだい?」
「オムライスのレシピ教えてもらえませんか?自分でも何度か試したんですけど、どうしても洞爺さんと同じ味にならなくて」
「いいけど、お店のメニューにするのかい?」
洞爺はオムライスをお店のメニューにすることを快く思っていないように感じられた。農や味来に好評だったオムライスをメニューにしていなかったのは不思議だった。オムライスは早生にも好評だったため、味の問題ではなかったようだ。何か理由があるとしか思えなかった。
「いえ、せっかく俺の師匠と同じ味のオムライスが食べられたのに、またしばらく食べられなくなるのは寂しいので」
「そうか、いいよ」
洞爺は少し考えてから返事をした。なぜ今まで洞爺にオムライスのレシピを訊かなかったのかは農自身にも明確な理由はわからなかった。この時、農と師匠と『同じ味のオムライス』と言ったことに対して、否定しなかった洞爺に疑問を持つこともなかった。
夜になり味来たちが『Sugar』へと集まってきた。
味来 惠味、山東 菜々、陸奥 陽光や綾目 雪、伊豆 次郎など一堂に集うのは珍しいと思える面々だった。
特に挨拶もなく来た人から食事会が開始されていた。
各々が食事と談笑を楽しんでいる中、農は気になっていた質問を味来にした。
「味来さんがいない間、会社の責任者はどうするんですか?」
「いない間というか、僕は引退するから。後継者は源助に任せてある」
「コウケイシャ?」
「後継者だ」
隣で聞いていた源助が突っ込んできた。
「やぎくんも、この店を任されたんだろうから。これからは源助たちと協力しあって君たちが盛り上げていってね」
味来たちがこの時代ですべきと考えていたことはすべて遂行されたと本人たちも思っていた。未来で起こった悲惨な出来事を回避する手段と考えていた農場工場を始めとする農業の発展とそれに伴う必要な技術の伝達。
味来の後継者は守口 源助。
陸奥の後継者は伊豆 次郎。
菜々の後継者は綾目 雪。
洞爺の後継者は保料 農。
四人はそれぞれの役目を果たしていた。
今日、この食事会に参加した人たちの中で真実を知っている人はどれほどいたのだろうか。四人は早すぎる引退をしてバカンスを楽しむ。これ以上のことが本人たちから語られることはなかった。
味来たちが見た未来の悲惨な出来事が回避できた確証はない。なによりも、その日時が味来たちから語られることがなかったからだ。
日時が変更されただけかもしれない。
発生場所や規模が変更されただけかもしれない。
様々な不安要素が残るが、この結果は誰にもわからない。わからない状況にいることが成果なのかもしれない。
賑やかな時間も終わりを迎え、四人とのしばらくの別れを惜しみながらシェアハウスを住居としている者以外、それぞれが店を去って行った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
宇宙を渡る声 大地に満ちる歌
広海智
SF
九年前にUPOと呼ばれる病原体が発生し、一年間封鎖されて多くの死者を出した惑星サン・マルティン。その地表を移動する基地に勤務する二十一歳の石一信(ソク・イルシン)は、親友で同じ部隊のヴァシリとともに、精神感応科兵が赴任してくることを噂で聞く。精神感応科兵を嫌うイルシンがぼやいているところへ現れた十五歳の葛木夕(カヅラキ・ユウ)は、その精神感応科兵で、しかもサン・マルティン封鎖を生き延びた過去を持っていた。ユウが赴任してきたのは、基地に出る「幽霊」対策であった。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
コラテラルダメージ~楽園11~
志賀雅基
SF
◆感情付加/不可/負荷/犠牲無き最適解が欲しいか/我は鏡ぞ/貴様が作った◆
惑星警察刑事×テラ連邦軍別室員シリーズPart10[全36話]
双子惑星の片方に小惑星が衝突し死の星になった。だが本当はもうひとつの惑星にその災厄は訪れる筈だった。命運を分けたのは『巨大テラ連邦の利』を追求した特殊戦略コンピュータ・SSCⅡテンダネスの最適解。家族をコンピュータの言いなりに殺されたと知った男は復讐心を抱き、テラに挑む。――途方もない数の犠牲者が出ると知りながら。
▼▼▼
【シリーズ中、何処からでもどうぞ】
【全性別対応/BL特有シーンはストーリーに支障なく回避可能です】
【Nolaノベル・小説家になろう・ノベルアップ+・ステキブンゲイにR無指定版/エブリスタにR15版を掲載】
ちょいダン? ~仕事帰り、ちょいとダンジョンに寄っていかない?~
テツみン
SF
東京、大手町の地下に突如現れたダンジョン。通称、『ちょいダン』。そこは、仕事帰りに『ちょい』と冒険を楽しむ場所。
大手町周辺の企業で働く若手サラリーマンたちが『ダンジョン』という娯楽を手に入れ、新たなライフスタイルを生み出していく――
これは、そんな日々を綴った物語。
宿命の御手
日向 白猫
SF
カフェ&バー「Fingers」で働くアーヌラーリウスはある日、不思議な夢を見る。セピア色の海を漂い、そしてそのまま浮き上がる、という妙な夢――。しかし、目覚めるといつも通りの彼の日常が待っていて、漫然とそれに埋もれていく。夢の意味も分からぬまま。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる