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番外編:君だけが理解者[???視点]
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そいつらは昔から一緒だった。
俺が中学の時から高校、大学と変わらずに一緒にいる。
1人はみんなが憧れる王子様みたいな奴。イケメンで何でも出来る完璧な人間。
もう1人は少年漫画の主人公みたいな奴。明るくて元気で、優しい人間。
———でもきっとそれは表の顔。
俺はずっと見てきたから分かる。普通の奴は気付かないだろうが俺は分かってしまった。
王子は少年に恐ろしいほどの執着を 、そして少年はいつだって憧れの視線を少しの嫉妬と罪悪感と共に向けていた。
でも二人はそれを隠すように振舞っていた。みんなの理想通りの無口な王子様と明るく元気な少年。ここが現実でなければどちらも主人公だろう。
だがヒロインにも、お姫様に惚れるわけでもなく二人は互いがいつだって1番だ。その他のモブには取り付く隙なんて無かった。ないはずだったのだ。
***********
少年はいつだって優しかった。みんなの中心人物で誰にだって公平に優しい。だからこそだろう。共感が欲しかったわけじゃないし、ましてや同情なんてされたらきっと俺は少年に冷たい目を向けていた。そういうのはもう散々だった。「可哀想だね」「大変だね」「わかるよ」なんて思ってもいない言葉をかけてくる。
あの時偶然少年に見られていなかったら俺はどうなっていただろう。異常と呼べる光景を目にした後、少年がくれたのは共感でも同情でもない、逃げだった。
少年にとってはなんてことない日常の一コマだったかもしれないが俺にとっては世界が変わる出来事だった。
ずっと逃げたかった。だかそうさせなかったのは幼い頃から逃げという選択肢を潰され、意識の外にあったから。少年の言葉に、笑顔に、考えに、存在に救われた。
だから欲しい。
隙がないなら作ればいい、モブから登場人物に成り上がればいい。その為に種を撒いたのだ。
発芽するのはもう近い。王子に対しての嫉妬と憧れをそして罪悪感を少年はどうするだろうか。少年は何も分かっていない、分からないだろう。
少年は衝動的過ぎた。今までギリギリで保ってきたバランスを何も知らないまま、いきなり崩れさせようとするから、
王子は焦り過ぎた。バランスを立て直すことをせずに壊して、自分のものにしようとした。お陰で少年は自分の矛盾した気持ちに気付くだろう。
大切に育ててきた芽を最後に摘み取るのは俺だ。
待っていて。もう偽るだなんてさせないから。君の浅ましい姿を見せて、そしてそのまま俺の所まで堕ちてきて———
***********
お気に入り登録者300人突破ありがとうございますm(*_ _)m
小説を書いたことや物語を作ったこと自体初めてだったのでここまで行くとは思わなかったです。
これからもマイペースに投稿していくのでよろしくお願いします。
俺が中学の時から高校、大学と変わらずに一緒にいる。
1人はみんなが憧れる王子様みたいな奴。イケメンで何でも出来る完璧な人間。
もう1人は少年漫画の主人公みたいな奴。明るくて元気で、優しい人間。
———でもきっとそれは表の顔。
俺はずっと見てきたから分かる。普通の奴は気付かないだろうが俺は分かってしまった。
王子は少年に恐ろしいほどの執着を 、そして少年はいつだって憧れの視線を少しの嫉妬と罪悪感と共に向けていた。
でも二人はそれを隠すように振舞っていた。みんなの理想通りの無口な王子様と明るく元気な少年。ここが現実でなければどちらも主人公だろう。
だがヒロインにも、お姫様に惚れるわけでもなく二人は互いがいつだって1番だ。その他のモブには取り付く隙なんて無かった。ないはずだったのだ。
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少年はいつだって優しかった。みんなの中心人物で誰にだって公平に優しい。だからこそだろう。共感が欲しかったわけじゃないし、ましてや同情なんてされたらきっと俺は少年に冷たい目を向けていた。そういうのはもう散々だった。「可哀想だね」「大変だね」「わかるよ」なんて思ってもいない言葉をかけてくる。
あの時偶然少年に見られていなかったら俺はどうなっていただろう。異常と呼べる光景を目にした後、少年がくれたのは共感でも同情でもない、逃げだった。
少年にとってはなんてことない日常の一コマだったかもしれないが俺にとっては世界が変わる出来事だった。
ずっと逃げたかった。だかそうさせなかったのは幼い頃から逃げという選択肢を潰され、意識の外にあったから。少年の言葉に、笑顔に、考えに、存在に救われた。
だから欲しい。
隙がないなら作ればいい、モブから登場人物に成り上がればいい。その為に種を撒いたのだ。
発芽するのはもう近い。王子に対しての嫉妬と憧れをそして罪悪感を少年はどうするだろうか。少年は何も分かっていない、分からないだろう。
少年は衝動的過ぎた。今までギリギリで保ってきたバランスを何も知らないまま、いきなり崩れさせようとするから、
王子は焦り過ぎた。バランスを立て直すことをせずに壊して、自分のものにしようとした。お陰で少年は自分の矛盾した気持ちに気付くだろう。
大切に育ててきた芽を最後に摘み取るのは俺だ。
待っていて。もう偽るだなんてさせないから。君の浅ましい姿を見せて、そしてそのまま俺の所まで堕ちてきて———
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お気に入り登録者300人突破ありがとうございますm(*_ _)m
小説を書いたことや物語を作ったこと自体初めてだったのでここまで行くとは思わなかったです。
これからもマイペースに投稿していくのでよろしくお願いします。
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