32 / 47
32 ゲームと現実の違い(フレア)
しおりを挟む
「クソッ!」
学園から帰宅した私は、手当たり次第に部屋の物を投げまくった。
何あれ!
何あれ!
何あれ!!!!!
積まれた本が崩れ、生けられた花がひっくり返る。
割れた花瓶のせいで、部屋が水浸しになったけど、そんな事はどうでもいい。
「クソが!何なのよアイツら!」
今日、私は「例のイベント」を実行するべくアシェリーに近づいた。
ちゃんと「笑う門には福来たる」を持って。
何故かそれを聞きつけた「彼ら」がゾロゾロと後をついてきたけど、私を守るためと言われたから、悪い気はしなかった。
アシェリーの行動は把握済み。
お昼休憩の時、彼は絶対に一人になる。だから、それを狙って呼び止めた。
ゲームの時間軸とは違うけど、この世界は「好きマジ」の世界。
今私の周りには、好きマジの血縁者ばかり。
運命の巡り合わせなのよ?墜とせないワケないのに!
だってそうでしょ?主要攻略キャラの内、三人はあっという間に私を好きになったじゃない。
いくら時間軸が違うって言ったって、ゲームの強制力がないと、普通ここまで上手くいくはずないわ。
だから、絶対おかしい!
場所だってイベント通りにしたし、問題なんてなかったはずなのに。
アシェリーの好感度がまだ低いのは分かってるけど、ゲーム内では、それでも王太子のアズラエルはプレゼントを貰ってくれた。
いつもお世話になってるからって、アレを渡したら笑顔で「ありがとう」って……。
なのに、アシェリーは、中身が分からないものは受け取らないって。
何よ!ここはゲームの世界でしょ?「現実世界」みたいな事言わないでよ!
ゲームキャラはゲームキャラらしく、プレイヤーの言う事聞きなさいよね!
「あー、クソッ」
投げる物が無くなったから、勉強机の椅子をぶん投げてやったわ。
チェストに当たって足が折れたけど、知らないわ!
そう言えば、今日初めてマーシャル子爵の息子に会ったけど、アイツも最悪だったわね。
全然笑わないし、私が自ら声を掛けてあげたのに、「名前」を呼んだ瞬間一気に不機嫌になるし。全然話聞かないし。
アイツもバグなの?
ゲームでは、マーシャル子爵の息子……ガイルは、初めての挨拶から直ぐにヒロインと意気投合したのに。
もぉ!訳わかんない!
「こんな役にたたない人形なんて、いらないわ!」
「笑う門には福来たる」を掴むと、私は窓の外に投げ捨てた。
せっかく買わせたのに、全部全部ぜんぶ無駄!
あームシャクシャする!
このゲーム、バグだらけね!
って、ん?
あれ?……バグ……だらけ?
ん?………バグ?………バグ………バグ。
………あ~、そう言う事。
「…………あの女ね」
何故気がつかなったのかしら。
あの女が全ての元凶なんじゃない?
「笑う門には福来たる」を売ってた店だって、あの女の家の物になってたし。
アシェリーといつもベタベタしてるし。
そうか、何で今まで気がつかなかったのかしら。
前世でもこの手のラノベは多かったじゃない。
今になってやっと気づくなんて、私も馬鹿だったわ。
「あの女も……私と同じ「転生者」か」
そう考えると、今までのあの女の行動も頷けるわね。
じゃあ、あの女はアシェリー狙い?
私に「ざまぁ」して、自分が王太子妃になるつもりなのかしら。
そうね、多分間違いない。
後は………そう、そうなのね。
色々点と点が線で結ばれていくわ。
王太子アズラエルの攻略に失敗した「お母さま」。
代わりに王太子妃になった「マリアナ」。
あの女…マリアナも転生者だとしたら。
「ふぅ~ん、そう言う事」
アシェリーに、クソ女かマリアナが何か伝えている可能性も考えて動かないとダメね。
と言う事は、今日私を拒絶したウルドも何かしらあるのかしら。
作戦、練り直さなきゃ。
とりあえず、クソ女が転生者か確認するのが先ね。
それから次を考えましょう。
学園から帰宅した私は、手当たり次第に部屋の物を投げまくった。
何あれ!
何あれ!
何あれ!!!!!
積まれた本が崩れ、生けられた花がひっくり返る。
割れた花瓶のせいで、部屋が水浸しになったけど、そんな事はどうでもいい。
「クソが!何なのよアイツら!」
今日、私は「例のイベント」を実行するべくアシェリーに近づいた。
ちゃんと「笑う門には福来たる」を持って。
何故かそれを聞きつけた「彼ら」がゾロゾロと後をついてきたけど、私を守るためと言われたから、悪い気はしなかった。
アシェリーの行動は把握済み。
お昼休憩の時、彼は絶対に一人になる。だから、それを狙って呼び止めた。
ゲームの時間軸とは違うけど、この世界は「好きマジ」の世界。
今私の周りには、好きマジの血縁者ばかり。
運命の巡り合わせなのよ?墜とせないワケないのに!
だってそうでしょ?主要攻略キャラの内、三人はあっという間に私を好きになったじゃない。
いくら時間軸が違うって言ったって、ゲームの強制力がないと、普通ここまで上手くいくはずないわ。
だから、絶対おかしい!
場所だってイベント通りにしたし、問題なんてなかったはずなのに。
アシェリーの好感度がまだ低いのは分かってるけど、ゲーム内では、それでも王太子のアズラエルはプレゼントを貰ってくれた。
いつもお世話になってるからって、アレを渡したら笑顔で「ありがとう」って……。
なのに、アシェリーは、中身が分からないものは受け取らないって。
何よ!ここはゲームの世界でしょ?「現実世界」みたいな事言わないでよ!
ゲームキャラはゲームキャラらしく、プレイヤーの言う事聞きなさいよね!
「あー、クソッ」
投げる物が無くなったから、勉強机の椅子をぶん投げてやったわ。
チェストに当たって足が折れたけど、知らないわ!
そう言えば、今日初めてマーシャル子爵の息子に会ったけど、アイツも最悪だったわね。
全然笑わないし、私が自ら声を掛けてあげたのに、「名前」を呼んだ瞬間一気に不機嫌になるし。全然話聞かないし。
アイツもバグなの?
ゲームでは、マーシャル子爵の息子……ガイルは、初めての挨拶から直ぐにヒロインと意気投合したのに。
もぉ!訳わかんない!
「こんな役にたたない人形なんて、いらないわ!」
「笑う門には福来たる」を掴むと、私は窓の外に投げ捨てた。
せっかく買わせたのに、全部全部ぜんぶ無駄!
あームシャクシャする!
このゲーム、バグだらけね!
って、ん?
あれ?……バグ……だらけ?
ん?………バグ?………バグ………バグ。
………あ~、そう言う事。
「…………あの女ね」
何故気がつかなったのかしら。
あの女が全ての元凶なんじゃない?
「笑う門には福来たる」を売ってた店だって、あの女の家の物になってたし。
アシェリーといつもベタベタしてるし。
そうか、何で今まで気がつかなかったのかしら。
前世でもこの手のラノベは多かったじゃない。
今になってやっと気づくなんて、私も馬鹿だったわ。
「あの女も……私と同じ「転生者」か」
そう考えると、今までのあの女の行動も頷けるわね。
じゃあ、あの女はアシェリー狙い?
私に「ざまぁ」して、自分が王太子妃になるつもりなのかしら。
そうね、多分間違いない。
後は………そう、そうなのね。
色々点と点が線で結ばれていくわ。
王太子アズラエルの攻略に失敗した「お母さま」。
代わりに王太子妃になった「マリアナ」。
あの女…マリアナも転生者だとしたら。
「ふぅ~ん、そう言う事」
アシェリーに、クソ女かマリアナが何か伝えている可能性も考えて動かないとダメね。
と言う事は、今日私を拒絶したウルドも何かしらあるのかしら。
作戦、練り直さなきゃ。
とりあえず、クソ女が転生者か確認するのが先ね。
それから次を考えましょう。
0
お気に入りに追加
145
あなたにおすすめの小説
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
わたしは不要だと、仰いましたね
ごろごろみかん。
恋愛
十七年、全てを擲って国民のため、国のために尽くしてきた。何ができるか、何が出来ないか。出来ないものを実現させるためにはどうすればいいのか。
試行錯誤しながらも政治に生きた彼女に突きつけられたのは「王太子妃に相応しくない」という婚約破棄の宣言だった。わたしに足りないものは何だったのだろう?
国のために全てを差し出した彼女に残されたものは何も無い。それなら、生きている意味も──
生きるよすがを失った彼女に声をかけたのは、悪名高い公爵子息。
「きみ、このままでいいの?このまま捨てられて終わりなんて、悔しくない?」
もちろん悔しい。
だけどそれ以上に、裏切られたショックの方が大きい。愛がなくても、信頼はあると思っていた。
「きみに足りないものを教えてあげようか」
男は笑った。
☆
国を変えたい、という気持ちは変わらない。
王太子妃の椅子が使えないのであれば、実力行使するしか──ありませんよね。
*以前掲載していたもののリメイク
【完結】護衛騎士と令嬢の恋物語は美しい・・・傍から見ている分には
月白ヤトヒコ
恋愛
没落寸前の伯爵令嬢が、成金商人に金で買われるように望まぬ婚約させられ、悲嘆に暮れていたとき、商人が雇った護衛騎士と許されない恋に落ちた。
令嬢は屋敷のみんなに応援され、ある日恋する護衛騎士がさる高位貴族の息子だと判明した。
愛で結ばれた令嬢と護衛騎士は、商人に婚約を解消してほしいと告げ――――
婚約は解消となった。
物語のような展開。されど、物語のようにめでたしめでたしとはならなかった話。
視点は、成金の商人視点。
設定はふわっと。
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
作られた悪役令嬢
白羽鳥(扇つくも)
恋愛
血塗られたエリザベス――胸に赤い薔薇の痣を持って生まれた公爵令嬢は、王太子の妃となる神託を受けた。
けれど王太子が選んだのは、同じく胸に痣のある異世界の少女。
嫉妬に狂ったエリザベスは少女を斧で襲い、王太子の怒りを買ってしまう。
罰として与えられたのは、呪いの刻印と化け物と呼ばれる伯爵との結婚。
それは世界一美しい姿をした、世界一醜い女の物語――だと思われていたが……?
※作中に登場する名前が偶然禁止ワードに引っ掛かったため、工夫を入れてます。
※第14回恋愛小説大賞応募作品です。3月からは不定期更新になります。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる