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第六話
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「あれが王都病院です」
馬車に乗りハート王国の街並みに目を輝かせているとすぐに王都病院に着いた
馬車を降りると白衣を着た小さい男の子が出迎えてくれた
「お久しぶりです先生」
「やあ、ルド君久しぶりだね」
ルドさんは小さい男の子を先生と呼んだ
あの子は一体何者?
「マリー様紹介しますね、こちらパルマ先生です」
「初めまして聖女様、この王都病院の院長をやってますパルマと申します」
「初めましてマリーと言います。あの…」
「なんでしょう?」
「聖女様ではなく気軽にマリーと呼んでください」
「…分かりました、これからよろしくマリー」
「よろしくお願いしますパルマ先生」
「ではパルマ先生、マリー様をお願いします」
「任せてよ」
ルドさんはそのまま馬車で帰ってしまった
私とパルマ先生は王都病院の中に入ると私は先生の後ろをついて行く
「さてマリーここでの君の仕事をこの王都病院の案内をしながら説明するよ」
「はい」
「まずこの王都病院には二種類の患者さんがいる。怪我をして入院している人と病気を患っている人。マリーには病気を患っている人を治療してほしいんだ」
「怪我人は大丈夫なのですか?」
「ああ、怪我人は僕の魔法で何とかなるのだけど病人の中には僕の魔法が効かない人がいるんだよ」
「パルマ先生の魔法ってどんなものなんですか?」
「僕の魔法は水を造り出して操る魔法でね、僕が出した水には回復を促す作用があるんだよ」
先生は両の手の平を私に見せるようにすると手から水色の光が出て何もないところから水が出てくる
水は段々と形を変えてクラゲのような形になると私の周りをふわふわと浮遊している
「凄い…とても綺麗」
「ありがとう」
私はまだ一度も魔法を使ったことがない
こんなことが私にも出来るのだろうか
「先生、私まだ…」
「パルマ院長!!」
私の言葉を遮ったのはここで働いている看護師さんだった
「どうしたんだいそんなに慌てて?」
「レーネちゃんの様態が急に悪化しました!すぐに来てください!!」
「!分かったすぐ行く、マリーもついて来て」
パルマ先生と看護師さんについて行くとそこには小さな女の子が苦しそうにしながらベッドの上でもがいていた
女の子の体には紫色の大きな痣があり少しずつ広がっていく
「レーネちゃんしっかり、大丈夫先生が来たから」
看護師さんが女の子に声をかけ励ます
「まずいな、このままだとレーネちゃんが」
パルマ先生の一言で最悪の展開が頭の中をよぎる
「パルマ先生!私が何とかしてみせます!!」
「マリー、君はまだ…」
パルマ先生の言葉は耳に入らずレーネちゃんを助けることに集中する
聖女の力ならこの子を救えるはず
だが魔法を使ったことのない私が本当にこの子を救えるのだろうか
救えなければこの子は…
そう思った瞬間感じたことのない種類の恐怖が体中を駆け巡る
「何も出ない…」
何度魔法を出そうとしても何も起こらなかった
馬車に乗りハート王国の街並みに目を輝かせているとすぐに王都病院に着いた
馬車を降りると白衣を着た小さい男の子が出迎えてくれた
「お久しぶりです先生」
「やあ、ルド君久しぶりだね」
ルドさんは小さい男の子を先生と呼んだ
あの子は一体何者?
「マリー様紹介しますね、こちらパルマ先生です」
「初めまして聖女様、この王都病院の院長をやってますパルマと申します」
「初めましてマリーと言います。あの…」
「なんでしょう?」
「聖女様ではなく気軽にマリーと呼んでください」
「…分かりました、これからよろしくマリー」
「よろしくお願いしますパルマ先生」
「ではパルマ先生、マリー様をお願いします」
「任せてよ」
ルドさんはそのまま馬車で帰ってしまった
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「さてマリーここでの君の仕事をこの王都病院の案内をしながら説明するよ」
「はい」
「まずこの王都病院には二種類の患者さんがいる。怪我をして入院している人と病気を患っている人。マリーには病気を患っている人を治療してほしいんだ」
「怪我人は大丈夫なのですか?」
「ああ、怪我人は僕の魔法で何とかなるのだけど病人の中には僕の魔法が効かない人がいるんだよ」
「パルマ先生の魔法ってどんなものなんですか?」
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先生は両の手の平を私に見せるようにすると手から水色の光が出て何もないところから水が出てくる
水は段々と形を変えてクラゲのような形になると私の周りをふわふわと浮遊している
「凄い…とても綺麗」
「ありがとう」
私はまだ一度も魔法を使ったことがない
こんなことが私にも出来るのだろうか
「先生、私まだ…」
「パルマ院長!!」
私の言葉を遮ったのはここで働いている看護師さんだった
「どうしたんだいそんなに慌てて?」
「レーネちゃんの様態が急に悪化しました!すぐに来てください!!」
「!分かったすぐ行く、マリーもついて来て」
パルマ先生と看護師さんについて行くとそこには小さな女の子が苦しそうにしながらベッドの上でもがいていた
女の子の体には紫色の大きな痣があり少しずつ広がっていく
「レーネちゃんしっかり、大丈夫先生が来たから」
看護師さんが女の子に声をかけ励ます
「まずいな、このままだとレーネちゃんが」
パルマ先生の一言で最悪の展開が頭の中をよぎる
「パルマ先生!私が何とかしてみせます!!」
「マリー、君はまだ…」
パルマ先生の言葉は耳に入らずレーネちゃんを助けることに集中する
聖女の力ならこの子を救えるはず
だが魔法を使ったことのない私が本当にこの子を救えるのだろうか
救えなければこの子は…
そう思った瞬間感じたことのない種類の恐怖が体中を駆け巡る
「何も出ない…」
何度魔法を出そうとしても何も起こらなかった
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