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潜入!ポークレア王国!!

ep.2 潜入side:リディア④

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 ポークレア王国
『テンダーロ』 


『大神官長サケルドース・リエリア』
 教会の中でも五本の指に入る権力者でなおかつ人族至上主義者の中でもトップⅡに数えられる重要人物。
 金と権力の亡者であり、その心根の醜さを微塵も見せない笑顔は、人族には神の笑顔、亜人族・魔族には悪魔の微笑と呼ばれている。
 
 自身の周りには常に教会トップクラスの聖騎士数人を護衛に就かせているものの、本人の実力も高く、その聖属性魔法は魔術師の中でもトップクラスである。

 ………とまあ、厄介極まりない人物なワケだけれど、女に弱いっていうお決まりの弱点も持っているのよねぇ。
 
「………というワケでリディアさん…」

「………………」

「ここは一つハニートラッ」「嫌よ」「ですよねぇ…」

 あんな黒い光を放ってそうな聖人づらしているだけの奴なんて御断りよ。

「………じゃあどうします?」

「そうね………とりあえずスマッシュしてから考え」「おいっ止めろっ」「………冗談よ」

「ホントかよ………結構、目がマジでしたけど?」

「………………冗談よ…」

「………………嘘くせぇ…」

 失礼な…。
 これだからリュウジはまったく…。

 ちょっとは思ったけれど…。

「とりあえずアイツは私が見ておくわ…。リュウジは大変かもしれないけれど、オークションが始まったら買った奴の顔を覚えておいて…」

「………いや、さすがに無理です…」

「まあ、そうよね。本命は上階への侵入と…」

「売買リストの確保…」

 ………さすがリュウジ。分かっているじゃない。

「うん、よろしくね…」

「了解…」

 再びリュウジとは別行動。
 
 しかし…

「レディ………オークションの後、食事でも?」
「素敵なドレスですね。良ければ今度一緒に王都にでもどうですか?もっと良いドレスを差し上げますよ」
「その扇子で頬を………頬を打ってください!」

 リュウジがいなくなると集まるコイツらはどうにかならないかしら?
 ………あと打たないわよ?



~~~~~~~~~~~~~~~~


「お集まりの皆様、大変お待たせ致しました。会場の準備が整いましたので、こちらの扉からゆっくりとご入場ください」

 声を大きくする魔導具を使用しているのだろう男の声がホールに響く。
 時間になり、ホール隣の会場に続く扉が開き、大勢の仮面を着けた者たちが移動する。

 私は大神官長サケルドースの視界に入らないように位置を取りながら入場した。
 一階のホールから半地下の会場に移動し、入館時に渡された木札に書かれた番号の席に座る。

「………………」

「コレはコレは………美しい女性の隣とは。私は運が良い」

 ………大神官長の隣だった…。

 どうやら私の今日の運勢はあまり良くないようだ…。

 

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


順調?なリディアside。
始まるオークション。
隣に座る大神官長。
別行動を開始したリュウジ。
次回もよろしくお願いします。
 
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