87 / 225
VS王国+勇者
ユウキアルモノタチ
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 正門前
ソウシ・ベルウッドにより、勇者シュウヤの従者は既に残り二人…『ヒイロ・ライト・グリーンリバー』と『エルム・T・ロンベ』だけとなった。
シュウヤを含めてもたったの三人…。
シュウヤはソウシの戦いぶりに面白いモノを見たと思う一方で、こんな一方的にヤられるのは面白くないな…とも思う。
そして…
「ヒイロ、エルム。アイツは多分、近接戦闘しか手段がない。後は………分かるよね」
冷たい笑みを浮かべ、そう言い放つ。
「………………任務、了解」
「了解した」
ヒイロとエルム………魔導銃を二丁持つ者が二人。
その二人がソウシを狙い、同時に動き始めた…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門前
「………………」
敵の二人が俺を中心に動き始めた。
二人ともが両手に銃を握っている。
同時に銃を撃つのではなく、微妙にタイミングをずらして撃ってくるのは厄介だな…。
避けた先に撃ち込まれ、ソレにも対処しなくてはならない。
「………………」
極大ビームを撃ってきた奴(ヒイロ)の攻撃は今は普通(とは言っても太めのビームなのだが…)の攻撃になっている。
アレは二丁合わせて撃つ事で出力を上げる事が出来るのか…。
まんまツインバスターなんちゃらだな…。
使っている奴もソレっぽいし…。
「(ナニソレ欲しい…)」
もう一人(エルム)もビームを撃ってくる。
コイツの方が嫌なタイミングで撃ってくるんだよな…。
コイツも何処かで見たことがある様な…。
そして俺を中心に動き始めてから一向に距離を詰めてこない。
徹底してアウトレンジからの攻撃に切り替えた様だ。
厄介は厄介だが避けるのに苦はないし、最悪当たっても大したダメージは受けないだろう…。
だが…。
「(このまま避け続けていると、(ビームによる)周りの被害が増える…。イコール、何故か俺がヴィーネに怒られるっ!それはあかんっ!)」
俺は戦闘後のまだ見ぬ未来に恐怖し、避けるのを中断。
拳でビームを打ち消しながら、距離を詰める戦法に切り替えた。
敵の動きはまあまあ速いが、俺からして見れば大した事はない。
ヴィーネに怒られる前にケリを着けさせてもらうっ!
先ずはグラサンの方から…ついでにその銃をいただこうかっ!
「『縮地』っ!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門前
「………で、君は攻撃しないの?」
「………何だ、気が付いていたのか…」
シュウヤはソウシとヒイロ達の戦闘を見てはいたが警戒を怠ってはいなかった。
後ろから近付く者には気が付いていたので、攻撃をしてきたらカウンターを合わせようと思っていたのだが…
「(『盾』を倒した奴………そう簡単ではないか…)」
まだ強いヤツがいるのか…面倒だなあ…。と思いつつ、シュウヤは後ろに振り返る。
「………君は?」
「初めまして、異世界の勇者くん。俺は冒険者ギルド・ギルドマスター、マサシ・コバヤシ………前にこの世界に喚ばれた『勇者』だよ…」
マサシのその言葉を聞き、シュウヤは笑みを深める。
「………へぇ。勇者………ボクはシュウヤ・アーク・ルティマ。で、ここへは何しに? 」
シュウヤもだが、マサシも『勇者』を相手にした事はない…。
お互いに警戒しつつも、口の端を上げながら目を合わせ、体内では戦闘の準備を始める…。
「魔王は俺の友人なんだ…。攻撃を止めてもらえるとありがたいんだがな…」
「勇者としてソレはどうなのかな?勇者が魔王討伐をするのは当たり前だと思うんだけど?」
「まあ魔王が人族の虐殺とか世界征服とかを考えているのなら、討伐するのが普通なんだろうけどな…。この世界の魔王は共存している………その必要はない」
お互いに魔力や気を高めながらの会話。
周囲の空気もソレに当てられ変化していく…。
「ボクが喚ばれた王国では、そうは思ってないようだけれど?」
「ソレは王国上層部や一部の者達だけだ。人族至上主義、貴族至上主義の………な」
「………まあ、そうだろうね」
空気の変化だけではなく、シュウヤとマサシの間には見えない何か…がせめぎ合っているのか、地面から砂が舞い上がり『パシッ…パシッ』と弾ける。
「………でも喚ばれたからには、討伐しないとね」
「………君は『分かって』………。ならやはり先達としては止めないとな…」
「………フフ。止めてみなよ『旧勇者』っ!!」
「………フッ。止めてやるさ『新勇者』っ!!」
お互いに魔力と気を開放する。
そして、この世界の歴史にはなかった『勇者対勇者』の戦いが幕を開けた…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ギルマス=さらっと爆弾発言
ギルマス=ミスリルソード、もう無いですよ
主人公=出番なし
何だこのシリアス展開。
どこかでネタ………ネタをっ!!
次回もよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
6,873
あなたにおすすめの小説
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。