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VS王国+勇者
ベルセ襲撃②
しおりを挟むルセリア帝国
ベルセの街 西門付近
「よぉ~し、お前らあぁっ、依頼達成後は充分な報酬とギルドの食堂で酒飲み放題だあっ!!」
「「「おおおぉっ!!!」」」
「だから………死ぬんじゃねえぞ」
「「「うおぉおおぉっ!!!」」」
『ドンッドンッドンッ!!!』
冒険者ギルドベルセ支部長の簡素な演説に、だが確かに熱い演説に、集まった冒険者達は各々の武器や足踏みで応える。
どうやら士気はそれなりに高い様だ。
「西門は大丈夫そうですね」
支部長の傍らに控えていたティリアが話しかけると…
「南はベルウッドが動いてくれたから良いとして。…で、東は本当に大丈夫なんだろうな?」
「フフ………東門の方は大丈夫ですよ。多分こっちより」
「………ホントかよ、おい」
この様な状況なのに小さく笑うティリアに毒気を抜かれる気分だが、ティリアがそう言うなら、まあ大丈夫なのだろう…と無理矢理納得する。
そして視線を近付いてくる土煙に向け、気合いを入れ直す。
「(北にはギルマスが外から向かって来ているから、何かあればかち合って対処してくれるだろう。とするとやはり問題はこの西門の方が起こりやすそうだ………やれやれ)」
ベルセの北側(皇都側)にはスタンピードの兆候は確認されていない。
その事を加味しての配置ではあるが、やはり不安はある。
不安はあるが、先ずはこちらを片付けてからだと思考を切り替える。
「支部長っ、見えたっ!ゴブリンとコボルトの群れだ。キングやロードはまだ確認出来ないっ!」
「(来たか)魔法で弾幕を張れ。抜けてきた奴を弓で、さらに抜けて来た奴をタンクで止めて各個撃破するぞっ!」
「「「おおおぉっ!!!」」」
斥候の視認の報告を受けて素早く指示を出す。
そして…
「撃てーーーっ!!!」
西門戦闘開始
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 東門付近
『ヒュー~』
「………………」
スタンピードって聞いたのに、何故俺は一人なのだろう………あれぇ?
門を閉めた後、門番さんたちもいなくなっちゃうし、冒険者も誰もいないし………あれぇ?
「………イジメ?」
まあ俺のチートスキルを知っているティリアさんがこっち(東門)は大丈夫とか言っているんだろうけれど、一人だとちょっと寂しい………と言うか、何この待ち合わせすっぽかされた感。
………まあ良いけど。
正直、誰もいない方がやりやすいしな。
で、『マップEX』を起動。
西門に冒険者達は集まっている様だ。
南門は………先輩の息子さんが一人。大丈夫なのか?
「………………」
と思ったが先輩と魔王の血縁のハーフだからな。きっと『DB』のごはんさんばりに強いのだろう、という結論に。
「………………あれ?」
………じゃあリサさんも実は強い?
まあ、ソレはいいか…。と切り替え。
北門は門番さんだけだけれど、こちら側には魔物はいない。
それにマサシが向かって来ているみたいだし、まあ大丈夫だろう。
んで俺のいる東側なんだけど…
「………他のトコより多くね?」
東門問答無用で戦闘開始
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 南門
「………………んん?」
魔物じゃない?
アレは………
「………王国兵」
俺が視認したのは魔物ではなく王国兵だった。
数はそう多くはないが…
「………一人………二人強ぇのがいるな」
そうするとあのどちらかが勇者か?
まあいい、久しぶりに本気で闘れそうな奴らが現れたんだ。
厄介なタイミングで来てくれやがって…。
少しは楽しませろよなあ…。
『ニヤリ』
俺は再び獰猛な笑みを浮かべ、体内の魔力を開放する準備を始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
魔王城客間
『ドォンッ』
「ピ……………ピッコ□…さん…」
「に………げ…ろ………ご………◯飯………」
『グラ……』
「「「ピッコ□さあぁんっ!!!」」」
「………………グス」漢泣き
「………………グス」ちょっともらい泣き
「………………グス」漢泣き+大魔王に共感
………少し進んでた。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
支部長=指揮思ったより有能
撃てー=CV鈴◯さん
トーイチ=ボッチで対スタンピード
お父さん=戦闘狂の気配
『DBZ』=名シーン
主人公がようやくお父さんが強いのでは?と気付く。
ちなみに作中の時間は夕方頃。
魔王様は遊んでいるのではなく、業務終了後です。
次回もよろしくお願いします。
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