40 / 250
変わる?変わらない?
しおりを挟む
「これは何の嫌がらせですかっ!」
ドアバァンッと食堂に突入してくるマイア第一夫人と第二夫人。
突入してくるなり俺にギロリと視線を向け、そう怒鳴りつける。………まあ、その距離は遠いのだが…。
怒鳴り込んできた理由だが、食事を凄く質素な物に変えたからだ。当然そうすることに理由があったからなのだけど…。
「マイア、ライラ…ソレは僕がそうしてくれと頼んだんだ」
「あなたっ!?何故そんな…」
「どうしてこんなことを…」
第二夫人はライラっていうのか、初めて知ったわ…。じゃなくて…父さんが二人に言う。続けて…
「お前たちがいつまでも引き籠っているからじゃ…」
「「お父様(お義父様)…」」
「僕たちはね…今までの関係を改善したいと思っているんだ。時間はかかるかもしれない…でも少しでも前に進まないと…ね」
「その一歩目として家族全員での食事、というワケじゃ…なのにお前たちが出てこんから…」
「「それは…ユーリウスがっ」」
俺のせいにするの止めてくれないっ!?………いや、俺のせいだけれども…。
「ユーリウスのせいにするでない!元はと言えば儂のせいなのだから」
義祖父さん…本当に変わったな。それはそれとして暇さえあれば俺に勝負を挑んでくるのを止めて欲しいんですけどっ!?
「同じ家族なのだ。家族内で貴族だ平民だ…などと、どうかしている。いや、そもそも貴族だ人族だという至上主義がおかしいのじゃ」
「お義父さん…」
父さんは義祖父さんの言葉にちょっと感動しているような感じだな。あっ、セイ兄も…。
義兄義姉は「今さらかぁ…でも気付いてくれたなら良っか!」みたいな感じ。
「し、しかしお父様…」
「今さら変えろ、と言われれば戸惑うのも分かる。だが変わってはくれんか?………家族なのだから」
「「………………」」
義祖父さんの言葉は優しく、だが力強く、ソレを言いきった。その言葉が二人の夫人に響いたのかは分からないが。
食堂内に少し沈黙の時間が流れ、その静寂を破ったのは第一夫人のマイア。
「………部屋に戻ります」
「あ…マイア」
顔を俯かせながら少し重そうな足取りで食堂を出て行く。心配そうにライラ第二夫人が後を追った。
食堂内にいた全員がそんな二人を見送った。
「分かってはいたが、まだまだ時間が掛かりそうじゃな…」
「そうですね…」
二人に顔を出させることには成功したものの、作戦としては失敗だった。でも義祖父さんも父さんも、そして誰も諦めていない。二人は変われる、と信じている。
まあ、何より義祖父さん自身が変わったからな。前例が目の前にいるのだから。
というか義祖父さんは一晩で変わり過ぎなのよ?
ドアバァンッと食堂に突入してくるマイア第一夫人と第二夫人。
突入してくるなり俺にギロリと視線を向け、そう怒鳴りつける。………まあ、その距離は遠いのだが…。
怒鳴り込んできた理由だが、食事を凄く質素な物に変えたからだ。当然そうすることに理由があったからなのだけど…。
「マイア、ライラ…ソレは僕がそうしてくれと頼んだんだ」
「あなたっ!?何故そんな…」
「どうしてこんなことを…」
第二夫人はライラっていうのか、初めて知ったわ…。じゃなくて…父さんが二人に言う。続けて…
「お前たちがいつまでも引き籠っているからじゃ…」
「「お父様(お義父様)…」」
「僕たちはね…今までの関係を改善したいと思っているんだ。時間はかかるかもしれない…でも少しでも前に進まないと…ね」
「その一歩目として家族全員での食事、というワケじゃ…なのにお前たちが出てこんから…」
「「それは…ユーリウスがっ」」
俺のせいにするの止めてくれないっ!?………いや、俺のせいだけれども…。
「ユーリウスのせいにするでない!元はと言えば儂のせいなのだから」
義祖父さん…本当に変わったな。それはそれとして暇さえあれば俺に勝負を挑んでくるのを止めて欲しいんですけどっ!?
「同じ家族なのだ。家族内で貴族だ平民だ…などと、どうかしている。いや、そもそも貴族だ人族だという至上主義がおかしいのじゃ」
「お義父さん…」
父さんは義祖父さんの言葉にちょっと感動しているような感じだな。あっ、セイ兄も…。
義兄義姉は「今さらかぁ…でも気付いてくれたなら良っか!」みたいな感じ。
「し、しかしお父様…」
「今さら変えろ、と言われれば戸惑うのも分かる。だが変わってはくれんか?………家族なのだから」
「「………………」」
義祖父さんの言葉は優しく、だが力強く、ソレを言いきった。その言葉が二人の夫人に響いたのかは分からないが。
食堂内に少し沈黙の時間が流れ、その静寂を破ったのは第一夫人のマイア。
「………部屋に戻ります」
「あ…マイア」
顔を俯かせながら少し重そうな足取りで食堂を出て行く。心配そうにライラ第二夫人が後を追った。
食堂内にいた全員がそんな二人を見送った。
「分かってはいたが、まだまだ時間が掛かりそうじゃな…」
「そうですね…」
二人に顔を出させることには成功したものの、作戦としては失敗だった。でも義祖父さんも父さんも、そして誰も諦めていない。二人は変われる、と信じている。
まあ、何より義祖父さん自身が変わったからな。前例が目の前にいるのだから。
というか義祖父さんは一晩で変わり過ぎなのよ?
0
お気に入りに追加
1,699
あなたにおすすめの小説
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ぽっちゃり無双 ~まんまる女子、『暴食』のチートスキルで最強&飯テロ異世界生活を満喫しちゃう!~
空戯K
ファンタジー
ごく普通のぽっちゃり女子高生、牧 心寧(まきころね)はチートスキルを与えられ、異世界で目を覚ました。
有するスキルは、『暴食の魔王』。
その能力は、“食べたカロリーを魔力に変換できる”というものだった。
強大なチートスキルだが、コロネはある裏技に気づいてしまう。
「これってつまり、適当に大魔法を撃つだけでカロリー帳消しで好きなもの食べ放題ってこと!?」
そう。
このチートスキルの真価は新たな『ゼロカロリー理論』であること!
毎日がチートデーと化したコロネは、気ままに無双しつつ各地の異世界グルメを堪能しまくる!
さらに、食に溺れる生活を楽しんでいたコロネは、次第に自らの料理を提供したい思いが膨らんできて――
「日本の激ウマ料理も、異世界のド級ファンタジー飯も両方食べまくってやるぞぉおおおおおおおお!!」
コロネを中心に異世界がグルメに染め上げられていく!
ぽっちゃり×無双×グルメの異世界ファンタジー開幕!
※基本的に主人公は少しずつ太っていきます。
※45話からもふもふ登場!!
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
転生したら死にそうな孤児だった
佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。
保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。
やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。
悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。
世界は、意外と優しいのです。
金貨三枚で買った性奴隷が俺を溺愛している ~平凡冒険者の迷宮スローライフ~
結城絡繰
ファンタジー
平凡な冒険者である俺は、手頃に抱きたい女が欲しいので獣人奴隷を買った。
ただ性欲が解消できればよかったのに、俺はその奴隷に溺愛されてしまう。
爛れた日々を送りながら俺達は迷宮に潜る。
二人で協力できるようになったことで、冒険者としての稼ぎは抜群に良くなった。
その金で贅沢をしつつ、やはり俺達は愛し合う。
大きな冒険はせず、楽な仕事と美味い酒と食事を満喫する。
主従ではなく恋人関係に近い俺達は毎日を楽しむ。
これは何の取り柄もない俺が、奴隷との出会いをきっかけに幸せを掴み取る物語である。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。
前世ポイントッ! ~転生して楽しく異世界生活~
霜月雹花
ファンタジー
17歳の夏、俺は強盗を捕まえようとして死んだ――そして、俺は神様と名乗った爺さんと話をしていた。話を聞けばどうやら強盗を捕まえた事で未来を改変し、転生に必要な【善行ポイント】と言う物が人より多く貰えて異世界に転生出来るらしい。多く貰った【善行ポイント】で転生時の能力も選び放題、莫大なポイントを使いチート化した俺は異世界で生きていく。
なろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる