上 下
28 / 32

ポリネシアンセックス 1日目

しおりを挟む
「ねえ、レイ。これしない?」
「んっ、?ぽり、ね?なにこれ」

降り注ぐキスが止み目を開けると端末が目の前に差し出されていた。突然の事に映し出されている文章を理解することが出来ず首を傾げる。

「ポリネシアンセックスって言って精神の繋がりを意識するものなんだって」
「へー、普通にスるのと何が違うの?」
「挿れないで愛撫だけを四日続けるの」

「こうやって」と首筋を滑る指先に身体が跳ねる。ぞくぞくと背筋を走る痺れに首をくすめた。静まってた熱が再度身体の中で昂り、ぞわぞわと肌が粟立つ。

「ね、楽しそうでしょ?五日目はすっごい気持ちいいらしいよ?」

囁くロウにぐらぐらと理性が揺れてくる。
そんなに気持ちいいんだったら試してみてもいいかも。
いつもは強引な癖に悪戯に目を細めて待ってるロウにおずおずと頷く。服ははだけて身体は冷えていくのに茹だったような頭と心拍数が興奮を伝えた。

---------------

「ぁ……は、んん……は、ぁ……」
「ん、ん……ふふ、あったかい」

何も纏わない皮膚を擦り合わせて温もりを取り交わす。静かな部屋にちゅ、ちゅと舌を絡める音と蕩けた吐息が響く。
ロウの舌と舌をべろりとくっつけてスリスリすれば、甘い痺れが身体に走る。口の端から皮膚に伝う唾液を舐めてはとろとろの唾液を交換しあう。激しいキスに慣れた所為か、ロウの舌にゆっくりと合わせるキスがどうしようもなく恥ずかしく感じて目を瞑る。

「レイ……め、あけて」
「んぅっ、!、ッ……あ、んぅ……ん、ひぁ」

ロウの指先が頬を撫でて耳朶を柔く擽る。ぞわぞわした快感が身体の奥に染み込んで肌が粟立つ。耳元のむず痒さから逃げるようにゆっくりと目を開けば、どろりとした熱を放つロウの瞳に心臓が跳ねた。

「~、ん、ッ……ろぅ、ぁ、ん、んぅ……」
「……れい、れぃ……かわいい、」

獰猛で暴力的なまでに色香を纏ったロウにあてられて、どうしようもなく後ろが疼きだす。
でも、挿れることも触ることも出来ない。快楽の代償に抱き合ってキスしかしちゃいけないなんて。
焚きつけられた身体が激しい快楽を求めて、腰が揺れる。指の一本も触れてないのに硬く勃った陰茎が先走りを零す。

「んんっ、あ……は、んっ……んあ、」
「、こら、れいだめ……がまんして、?」

堪えがきかなくてロウの腿を先走りで汚せば、掠れた咎めの言葉と同時にぎゅと抱きしめたロウにひくん、と背中が浮く。弛緩した身体はロウに閉じ込められて身動きがくれなくなってしまった。
より、密着した身体に挟まれた陰茎がロウの陰茎と触れて熱を伝え合う。ローションを垂らしたように、下腹部が先走りに濡れていく。

「っ、ん……あ、はっ、ろぅ……ろぅ、すき……ん、んぅ」
「ん、……れい、れい……ん、んぅ、んっすきっ」

腰を動かせば快楽を得られるのに。
砕けそうになる理性を保って、欲求をぶつけるようにキスを繰り返す。舌同士が擦るだけでびりびりとした快楽が身体中に回る。

最初でこれなんてあと四日も耐えられるのか、なんて快楽に染まる頭で思案するがうまくまとまらない。
どろどろに蕩けた脳内は目の前のロウとキスすることしか考えられなくて、唾液に溢れた舌が絡む婬猥な音で掻き消された。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄して欲しいとか言ってません!

愛早さくら
恋愛
元平民で母親の再婚によって貴族の養女になったアリアは全く気が進まないまま、貴族学校に入れられる。 そこでうっかり知らずに王子様と接触。相手が王子だと気付いたあとやっちまったー!と平謝りで出来るだけ関わらずにいようと避けていたのに追いかけまくられて、しまいには王子は婚約者に婚約破棄を突きつけ、アリアに求婚してきた! え、待ってそんなん頼んでないしむしろ要らない! そもそも私の好きな人は貴方じゃありません! よくある乙女ゲー系の主人公的立場のアリアがすたこらさっさと王子から逃げる話。 ・キャプションとタイトルに反して、なんかめっちゃ暗い話になりましたおかしい。 ・地味に他の異世界話と同じ世界観。 ・魔法とかある異世界が舞台。 ・CPは固定です。他のキャラ(王子とか。)とくっつくことはありません。 ・主人公はいうほどひどい目になどあいませんが、周りの人は場合によってはひどい目にあいます(というか、あっています) ・具体的に言うと、主人公以外(男の子)が幼少期より(実父によって)性的虐待にあっていることを示唆する程度の描写が出てくる予定です ・ダイジェストっぽい短編です

小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる

海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

魔がさした? 私も魔をさしますのでよろしく。

ユユ
恋愛
幼い頃から築いてきた彼との関係は 愛だと思っていた。 何度も“好き”と言われ 次第に心を寄せるようになった。 だけど 彼の浮気を知ってしまった。 私の頭の中にあった愛の城は 完全に崩壊した。 彼の口にする“愛”は偽物だった。 * 作り話です * 短編で終わらせたいです * 暇つぶしにどうぞ

異世界で婚活を ~頑張った結果、狼獣人の旦那様を手に入れたけど、なかなか安寧には程遠い~

リコピン
恋愛
前世、会社勤務のかたわら婚活に情熱を燃やしていたクロエ。生まれ変わった異世界では幼馴染の婚約者がいたものの、婚約を破棄されてしまい、またもや婚活をすることに。一風変わった集団お見合いで出会ったのは、その場に似合わぬ一匹狼風の男性。(…って本当に狼獣人!?)うっかり惚れた相手が生きる世界の違う男性だったため、番(つがい)やら発情期やらに怯え、翻弄されながらも、クロエは幸せな結婚生活を目指す。 シリアス―★☆☆☆☆ コメディ―★★★★☆ ラブ♡♡―★★★★☆ ざまぁ∀―★★☆☆☆ ※匂わす程度ですが、性的表現があるのでR15にしています。TLやラブエッチ的な表現はありません。 ※このお話に出てくる集団お見合いの風習はフィクションです。 ※四章+後日談+番外編になります。

ぽっちゃりおっさん異世界ひとり旅〜目指せSランク冒険者〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
酒好きなぽっちゃりおっさん。 魔物が跋扈する異世界で転生する。 頭で思い浮かべた事を具現化する魔法《創造魔法》の加護を貰う。 《創造魔法》を駆使して異世界でSランク冒険者を目指す物語。 ※以前完結した作品を修正、加筆しております。 完結した内容を変更して、続編を連載する予定です。

天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん
BL
享年59歳、ハッピーエンドで人生の幕を閉じた大樹は、生前の善行から神様の幹部候補に選ばれたがそれを断りあの世に行く事を望んだ。 しかし自分の人生を変えてくれた「アルバード英雄記」がこれから起こる未来を綴った予言書であった事を知り、その本の主人公である呪われた英雄<レオンハルト>を助けたいと望むも、運命を変えることはできないときっぱり告げられてしまう。 しかしそれでも自分なりのハッピーエンドを目指すと誓い転生ーーーしかし平凡の代名詞である大樹が転生したのは平凡な平民ではなく・・? 少年マンガとBLの半々の作品が読みたくてコツコツ書いていたら物凄い量になってしまったため投稿してみることにしました。 (後に)美形の英雄 ✕ (中身おじいちゃん)平凡、攻ヤンデレ注意です。 文章を書くことに関して素人ですので、変な言い回しや文章はソッと目を滑らして頂けると幸いです。 また歴史的な知識や出てくる施設などの設定も作者の無知ゆえの全てファンタジーのものだと思って下さい。

俺が聖女⁈いや、ねえわ!全力回避!(ゲイルの話)

をち。
BL
ある日突然俺の前に聖獣が現れた。 「ゲイルは聖女なの。魔王を救って!」 「いや、俺男だし!聖女は無理!」 すると聖獣はとんでもないことを言い出す。 魔王は元人間だという。 人間の中で負の魔力を集めやすい体質の奴が魔王になるのだそう。 そしてそのほとんどが男なんだそうな。 んでもって、そいつは聖女の家系の者に惹かれる傾向にあるらしい。 聖女の方も同様。 「お互いに無意識に惹かれ合う運命」なんだと! そしてその二人が交わることで魔王の負の魔力は浄化されるのだという。 「交わる?」 「えっとお。人間では使わないのかな? 交尾?番う?」 「もういい!ヤメロ!!」 とにかく、それは聖女の家系の方が男だろうと女だろうと関係ないらしい。 お構いなしに惹かれ合っちまう。 だから聖女の血を絶やさぬよう、神の力だか何だか知らんが、聖女の家系の魔力の強い男、つまり聖女になりうる男は|胎《はら》めるようになった。 「その聖女の家系がゲイルのところ。 だからゲイルは聖女なんだよ!」 ここまで聞いて俺は思わず叫んだ。 「クソが!!男だとか女だとかを気にしろよ!! 構えよ!そこは構いまくれよ!! こっちを孕ませたらおけ、みたいなのヤメロ!! サフィール家だけがワリ食ってんじゃねえか!」 男なのに聖女だといわれたゲイル。 ゲイルははたして運命とやらを無事回避できるのか?! ※※※※※※※※ こちらは「もう我慢なんてしません!家族にうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」に登場するゲイルが主役のスピンオフ作品となります。 本編とリンクしつつ微妙に違う世界線のifストーリーです。 単品でもお読み頂けますが、よろしければぜひ本編も♡ スンバラシイお父様ゲイルが可愛い息子タンを溺愛しておりますw

処理中です...