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あたしは、何?
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クラウディアが退出してから、ビクトールは庭に出た。彼が思っていたとおり、そこには先客がいた。
「ビク……」
「エリーサ様、こんなところに長居をしてると、お風邪を召しますよ。昼間はともかく、夜は冷えます」
ビクトールはそう言って背後からエリーサの華奢な肩を抱く。エリーサがぴくんとふ震えてそこから逃れようとするが、ぴったりと彼女に寄り添うビクトールの腕はぴくりともしない。
「口先だけで優しいこと言ったり、こんなことしないで。誤解するから」
「何を誤解すると言うんですか」
ビクトールはふっと笑いながらエリーサの頭を撫でる。しかしエリーサが、
「あたし、ビクのお嫁さんになるの止めるわ」
と言うのを聞いて、その手の動きが止まる。
「界渡りしてヨシャッシャのところに行くの」
「無茶な」
「ビクができるんだもん、その気になればあたしにだって」
驚いて一瞬腕力を緩めたビクトールからエリーサはするりと抜け出すと、そう言いながら胸をはるが、
「ダメです、界渡りは一つ間違えば世界の狭間に落ちてしまって二度と戻ってこれないかもしれない危険な術なんです。此度は命を覚悟しなければならない状況だったので病むを得ず使いましたが、普段からおいそれと使ってはいけない禁忌なんですよ。それに、ここに私がいるというのに、何故美久の許に行かねばならないのですか」
それを聞いたビクトールは唇を歪めながらあっと言う間に今度は正面からエリーサを抱きしめる。
「ヨシャッシャはあたしだけを見てくれたもん!!」
エリーサはそれを引き剥がそうと抗うが、
「私だって、あなたしか見ていません」
ビクトールはそれをさせまいとなおさらその手に力を込める。
「うそつきっ!! ビクはお母様が好きなんでしょう。だから、娘のあたしにいきなり結婚を申し込んだ。違う? でもそれだったら、あたしはビクにとって何?」
「待ってください!」
「待たないわ、あたしは身代わりなんてまっぴらごめんよ」
「聞いてください!」
「イヤよ! 最初に界渡りをしたんだって、お母様がお嫁に行くからじゃなかったの? だって、12年前でしょ、ビクが最初に界渡りしたのって。きっちり計算が合うわ」
「それは ……違うんです、エリーサ、ちょっと、聞きなさいっ!!」
昔話を引き合いに出されて頭に血がのぼったビクトールは、思わずそう叫んでエリーサの頬を打ってしまった。
「ビクなんて大嫌い!!」
彼女の目から大粒の真珠がこぼれる。ビクトールはそれを見ると一気に青ざめて、
「あ、すいません。つ、ついカッとしてしまいました。私としたことがあなたに手を出すなんて」
とおろおろと土下座せんばかりに謝った。
「もう……イヤ……」
「確かに、私は王妃殿下に心を寄せていたことがあったことは認めます。ですがそれは私がまだ少年の頃のこと。そして、私が最初に界渡りを経験したのも、あなたの言う通りです。
ですが、私はあの方がこちらに嫁がれたことはもちろん知っていましたが、私はあなたがあの方のお嬢様だとは知らずに恋をしたんです。王女様は王女様でも、エミーナ様かミシェル様のお子様だと思ってました」
「ウソっ!」
「ウソじゃないです、信じてください。私はミシェル様がその……ああいったお方だとは存じませんでしたし」
二人の間に居心地の悪い沈黙の時間が流れる。そして、ビクトールはふっと自嘲気味に笑うと、
「そうですね、私は美久じゃない。エリーサ様のお好きなのは美久ですもんね。よろしいです、私はもうあなたを乞うのを止めます。明日、トレントの森に戻ったらもう二度とあなたの前に現れることはないでしょう」
「それで、ビクはどうするの」
「どうもしないですよ。今まで通りあの森で一人魔道書の研究を続けるだけです。
此度は本当に良い夢を見させていただきました。美久を通しての夢でしたけど、一緒に旅をさせていただいて本当に幸せでした。これ以上望むのは、私にとって過ぎたことなのでしょう。
明日は、明け方早々に城を出立しますので、ここで暇乞いをさせていただきますね。
では、おやすみなさい」
そう言ってゲストルームに向かって歩き出す。エリーサはその後ろ姿に飛びつくと、
「ビクのバカ! バカ、バカ、バカ、バカ、バカ!! ビクは何にも解ってないじゃない。 あたしはビクにヤキモチを焼いてるのよ。ヨシャッシャにじゃないわ」
「エリーサ様……」
「だから、もう来ないなんて言わないで」
エリーサはそう言って、ビクトールに背伸びして口づけた。ビクトールは信じられないという表情で固まってしまった。
「『様』はNGなんでしょ、だからペナルティーよ。おやすみなさい」
エリーサは、真っ赤な顔でそう言って走り去った。
「は、はい、おやすみなさい。では、また明日!」
ビクトールは、悪い魔法から解けたかのように、2~3度首を振って、慌てて愛しい人にそう返した。
「ビク……」
「エリーサ様、こんなところに長居をしてると、お風邪を召しますよ。昼間はともかく、夜は冷えます」
ビクトールはそう言って背後からエリーサの華奢な肩を抱く。エリーサがぴくんとふ震えてそこから逃れようとするが、ぴったりと彼女に寄り添うビクトールの腕はぴくりともしない。
「口先だけで優しいこと言ったり、こんなことしないで。誤解するから」
「何を誤解すると言うんですか」
ビクトールはふっと笑いながらエリーサの頭を撫でる。しかしエリーサが、
「あたし、ビクのお嫁さんになるの止めるわ」
と言うのを聞いて、その手の動きが止まる。
「界渡りしてヨシャッシャのところに行くの」
「無茶な」
「ビクができるんだもん、その気になればあたしにだって」
驚いて一瞬腕力を緩めたビクトールからエリーサはするりと抜け出すと、そう言いながら胸をはるが、
「ダメです、界渡りは一つ間違えば世界の狭間に落ちてしまって二度と戻ってこれないかもしれない危険な術なんです。此度は命を覚悟しなければならない状況だったので病むを得ず使いましたが、普段からおいそれと使ってはいけない禁忌なんですよ。それに、ここに私がいるというのに、何故美久の許に行かねばならないのですか」
それを聞いたビクトールは唇を歪めながらあっと言う間に今度は正面からエリーサを抱きしめる。
「ヨシャッシャはあたしだけを見てくれたもん!!」
エリーサはそれを引き剥がそうと抗うが、
「私だって、あなたしか見ていません」
ビクトールはそれをさせまいとなおさらその手に力を込める。
「うそつきっ!! ビクはお母様が好きなんでしょう。だから、娘のあたしにいきなり結婚を申し込んだ。違う? でもそれだったら、あたしはビクにとって何?」
「待ってください!」
「待たないわ、あたしは身代わりなんてまっぴらごめんよ」
「聞いてください!」
「イヤよ! 最初に界渡りをしたんだって、お母様がお嫁に行くからじゃなかったの? だって、12年前でしょ、ビクが最初に界渡りしたのって。きっちり計算が合うわ」
「それは ……違うんです、エリーサ、ちょっと、聞きなさいっ!!」
昔話を引き合いに出されて頭に血がのぼったビクトールは、思わずそう叫んでエリーサの頬を打ってしまった。
「ビクなんて大嫌い!!」
彼女の目から大粒の真珠がこぼれる。ビクトールはそれを見ると一気に青ざめて、
「あ、すいません。つ、ついカッとしてしまいました。私としたことがあなたに手を出すなんて」
とおろおろと土下座せんばかりに謝った。
「もう……イヤ……」
「確かに、私は王妃殿下に心を寄せていたことがあったことは認めます。ですがそれは私がまだ少年の頃のこと。そして、私が最初に界渡りを経験したのも、あなたの言う通りです。
ですが、私はあの方がこちらに嫁がれたことはもちろん知っていましたが、私はあなたがあの方のお嬢様だとは知らずに恋をしたんです。王女様は王女様でも、エミーナ様かミシェル様のお子様だと思ってました」
「ウソっ!」
「ウソじゃないです、信じてください。私はミシェル様がその……ああいったお方だとは存じませんでしたし」
二人の間に居心地の悪い沈黙の時間が流れる。そして、ビクトールはふっと自嘲気味に笑うと、
「そうですね、私は美久じゃない。エリーサ様のお好きなのは美久ですもんね。よろしいです、私はもうあなたを乞うのを止めます。明日、トレントの森に戻ったらもう二度とあなたの前に現れることはないでしょう」
「それで、ビクはどうするの」
「どうもしないですよ。今まで通りあの森で一人魔道書の研究を続けるだけです。
此度は本当に良い夢を見させていただきました。美久を通しての夢でしたけど、一緒に旅をさせていただいて本当に幸せでした。これ以上望むのは、私にとって過ぎたことなのでしょう。
明日は、明け方早々に城を出立しますので、ここで暇乞いをさせていただきますね。
では、おやすみなさい」
そう言ってゲストルームに向かって歩き出す。エリーサはその後ろ姿に飛びつくと、
「ビクのバカ! バカ、バカ、バカ、バカ、バカ!! ビクは何にも解ってないじゃない。 あたしはビクにヤキモチを焼いてるのよ。ヨシャッシャにじゃないわ」
「エリーサ様……」
「だから、もう来ないなんて言わないで」
エリーサはそう言って、ビクトールに背伸びして口づけた。ビクトールは信じられないという表情で固まってしまった。
「『様』はNGなんでしょ、だからペナルティーよ。おやすみなさい」
エリーサは、真っ赤な顔でそう言って走り去った。
「は、はい、おやすみなさい。では、また明日!」
ビクトールは、悪い魔法から解けたかのように、2~3度首を振って、慌てて愛しい人にそう返した。
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