似ている

神山 備

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攻防の末に……

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「や、止めて下さい」
小平に押し倒された美奈子はそう言って身を捩り抵抗したが、大きな躰はビクともしない。
「へへへっ、ご無沙汰だったんだろうがな、大丈夫すぐに思い出させてやるさ。あんなオタク野郎なんかよりずっと善がらせてやるぜ。
それにしても、色気のねぇ格好だな。まぁ、ひん剥いちまえば同じだけどよ」
と言いながら美奈子のスウェットを一気に剥ぎ取る。下着姿にされてしまった美奈子は胸元を隠して、狭い部屋の隅へとにじり寄り、小平を睨む。
「そうだ、その顔。たまんねぇな。けど、いつまでそんな顔をしてられっかな」
小平は笑いながらそう言うと、美奈子のブラのストラップを引きちぎり、こぼれた胸の頂を噛む。 
「い、イヤ!」
「イヤじゃねぇだろ? 解してやってんだ、ありがたく思えよ。
こっちはいきなりぶっ込んでも良いんだぜ。ガキ産んで緩んだてめぇの穴なんか、それぐらいで丁度だってんだ」
そう言って、小平の舌が美奈子の身体を這い回る。
「や、止めて……お願いですから止めて下さい」
震えながらそう懇願する美奈子に、
「止めろだ? あん、どの口がそんなこと吐きやがるんだ」
と言って美奈子の下着まで取り去った小平は、
「お前のここはそうは言ってねぇぜ。すぐにでも俺のモノをくわえさせろってヒクヒクしてやがる」
と言いながら、美奈子のあふれ始めている蜜をすくい取る。その指に美奈子の身体が跳ねた。
「ダメ、ああっ……」
中西に快楽をイヤと言うほど教えられた身体は、心をまるで無視して快楽だけを受け取れるようになってしまっているようだ。
「身体のほうがよっぽど正直じゃねぇか。安心しろ、もうイイって言うぐらい逝かせてやる」
それを見た小平は徐にスーツのジャケットを脱いで放り投げると、自身のベルトに手をかけた。何とかしなければ……このままでは小平の思うがままだ。そう思った美奈子は小平が自分から手を離したその一瞬の隙に立ち上がり、箪笥の小引き出しから取り出した裁ちバサミを両手で持って防戦する。
「ふん、中西はおっ死(ち)んだことぐらい、てめぇも知ってんだろうが。まさか、あのオタク野郎に操立ててカビでも生やすつもりじゃねぇだろうな」
バカかと鼻で笑う小平に、
「あなたに抱かれるくらいなら死んだ方がマシです」
美奈子は震えながらもそう返した。
「いい娘だから貸しなって。今ならまだそれで許してやるよ」
小平はそれに対してしょうがないなと言う様子でそう言って美奈子の手に持つ物をとろうとしたが、
「イヤです」
と言った美奈子はそれを寸で躱し、まっすぐに小平目指して攻撃を繰り出す。だがそれは、慌てて身を引いた小平のそそり立った己自身を掠めて小さな傷を作っただけだった。
「つぅ! このアマ何しやがんだ!!」
それでもその行為は小平という男を逆上させるのに充分で、小平は、
「人がせっかくお下がりで我慢してやろうってのに、下手に出りゃつけ上がりやがって。
分かったよ。望み通りあのオタク野郎のとこに送ってやるぜ。
あの世で好きなだけ乳繰りあってな!」
美奈子の首をその強い力で、思い切り締め上げた。美奈子は尚も防戦しようとするが叶わず、ぱくぱくと口を開け閉めして、その命の灯を消したのだった。

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