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二部 番外編:怖がりな蓑虫
怖がりな蓑虫 6 ※
しおりを挟む「あぁ、そうだな。だからそんなことは気にしないで良い」
そう言った瞬間。外から聞こえた風の音に、レフラの肩がビクッと震える。日中から少しずつ、天候が荒れてきている様子だった。宮の周りの草木が風に煽られているのだろう。
「……いま、何か人の声が聞こえませんでしたか?」
「いや、風の音だけだ」
「……そうですよね……」
不安のせいで風に揺れる木々の音が、そんな風に聞こえたのだと、レフラも分かってはいるようだ。それでも今のレフラにはどうしても不安感がかき立てられるのか、囲われた腕の中でギガイにしがみついたまま、意識は外の音へ向いていた。
そんなレフラの後ろから、不意にギガイがレフラの耳殻を銜え込む。甘噛みよりも力を込めて、そのまま歯を立てていく。突然走った刺激に驚いたのか、レフラは身体を大きく跳ね上げた。
「ギ、ギガイ様?」
慌ててレフラが耳を押さえて身体を離して、ギガイの方を振り返る。突然どうしたのかと、向けられた顔が驚いていた。
「お前が怖がりなことは気にならないが、ただ私の腕の中で他に気を取られている状況は、面白くないな」
そう言ってレフラの身体をもう一度引き寄せれば、本気で拘束から逃れるつもりはなかったのか。すんなりとギガイの腕に収まった。
「私がこんな物音は気にならないようにしてやろう」
「えっ……どうやって、ですか……?」
興味と期待を抱きながらも、レフラの顔には何をされるのか分からない不安が浮かんでいた。
「お前はただ音を意識していろ」
レフラにキスをして、ギガイはレフラの視線を前に向かせた。そのまま手元にあった香油の瓶から、オイルを手に纏わせて、ギガイがレフラの茎を軽く握る。
「ギガイ様!?」
「こら静かにしてろ。そのまま音や物陰に意識を向けていろ」
オイルで滑る指で上下にゆっくりと擦りながら、捕らえた茎を刺激する。もどかしいぐらいの緩い刺激だけでも、レフラの茎は急速に固さを増していく。
手の中でピクッ、ピクッと小さく茎が跳ねていた。その様はどことなく愛らしくて、ギガイの口角がわずかに上がった。
「待って、ギガイ様、 意識できなく、なります……」
「ダメだ、ちゃんと意識していろ。風の中に声が混じっているかもしれないな、それともあの影に何かが潜んでいるかもしれないぞ」
ゆるゆるとした刺激を受けながらも、ギガイの言葉にその光景を想像したのだろう。ビクッとまた肩を振るわせたレフラが、再び浴室の柱の陰へ目を向けた。
「そうやって、ちゃんと見ていろ」
「あっ、あぁ……っ、あぁっ……!!」
褒めるようにそのままレフラの茎の先端を、指の腹でクルクル撫で始める。だけど弱い先端を嬲られる快感はツライのだろう。レフラはじっとしていることさえできずに、腰を捻って逃れようとした。
そんなレフラを、ギガイは茎に手を添えるために太股へ置いていた腕で、下半身を抑え付けて固定する。たったそれだけで、ろくに身動ぎさえできなくなったレフラの先端を、指で引き下げるように割り開いた。
「あっ!あーーッ!…やっ、そこ、だめっ、だめです、あぁぁ!」
わずかに覗く粘膜を、ギガイがオイルを纏った指の腹で嬲っていく。日頃は慎ましやかに閉じている場所を、ムリに開かれてむき出しにされた状態だった。
刺激に慣れていない粘膜への刺激は今までの比でないのだろう。大きな嬌声がレフラから上がって、強ばった身体がギガイの腕の中でビクビクッと何度も揺れる。
「こら、目を逸らさずに見ていろ」
強すぎる快感に目を閉じて、仰け反るようにレフラがギガイの身体へ身を預けていた。そんな身悶える姿に口角を上げながら、ギガイがもう1度指示をした。
「む、むりぃ、あぁ……ムリですっ、やめっ……これ、よわい……よわいのぉっ! だめぇ……!」
「なら、ほらいったん弱めてやる。だからちゃんと見ていろ。風の音も聞いておけ」
レフラ自身も言っていたように、敏感な粘膜から得る強すぎる快感はまだまだ苦手なのだろう。1度意識をハッキリとさせるために、ギガイは嬲る手を止めてやる。
その後も細かく痙攣していたレフラの身体が、ゆっくりと落ち着きを取り戻していく。張り上げていた嬌声がなくなった後、レフラが鼻をグスッと鳴らした。
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