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幕間
直後の2人 8
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どうやって求めて良いのか。
そもそもこのまま求めて良いのか、日を改めるべきなのか。
悩んでいたレフラの身体がトサッとシーツの上に倒される。何が起きたのか分からないレフラを真上からギガイの目が見下ろしていた。
「このまま抱きたいが、正直ガマンできそうにない。無理をさせたら嫌いになるか?」
向けられた目の中に飢えた獣のような光を見て、レフラの身体がフルッと震えた。怯えよりも期待が隠ったその震えと共に、身体の奥が甘い疼きを訴える。その欲に満ちた瞳と同じぐらい強い気持ちで求めるように、レフラもギガイの方へと手を伸ばした。
「なりません…私も抱いて欲しいです……」
なれない言葉に頬が熱をもっていた。一瞬大きく開かれたギガイの目が、満足そうにスッと細められていく。狩った獲物を前にした、喜悦を含んだような笑みが浮かぶ。そんなギガイの舌先がまるで味見でもするように、頬に触れたレフラの指を舐り出した。
もどかしいような刺激の中、ぞわぞわとした感覚にレフラが思わず身じろぎをする。そんなレフラの反応をクツクツと笑いながら、空いた手がレフラの耳殻をなぞって弄っていった。
欲しいと身体が疼いていて、ギガイだってそう言っていたはずだった。それなのに焦らされるような愛撫では足りなくて、レフラはフルフルと首を振った。
「それではこれまでのように、最中に意地悪くしたらどうだ?」
「えっ…い、いじわるをするんですか?」
脳裏を過ったのはこれまでの、さんざん泣かされてきた行為の記憶達だった。レフラが不安な気持ちのまま、すがるようにギガイを見つめる。
「どうしてですか? だって泣かれるのはイヤだって……」
「あぁ、そうだな。だけど腕の中で泣かれるのは堪えるが、こうやって泣かせるのはまた別だな。たえているお前は愛らしいぞ。まぁ、性癖というやつか?」
サラッととんでもないことを吐き出したギガイに思わず絶句してしまう。
「あ、悪趣味です!」
わずかな間の後に我に返ったレフラの顔は、いまにも火が出そうなくらい熱かった。
「否定はせん。だが好きな相手ほどいじめたくなるものなのだろう?」
どこまで本気で言っているのかは分からない。でも飄々とそんなことを言ったギガイは少しも悪びれる様子も恥じる様子も見られなかった。
「どこのお子様ですか!? そんなのは普通、小さい子どものすることですよ!」
「そうなのか? まぁ、お前以外には、ろくに感情を抱いたことはないからな」
これも作戦の1つなのかもしれない。でもこれまで唯一だ、と言われた言葉がようやく心に染み込み始めた日々なのだ。
「……私だけなんですか?」
「あぁ。こうやって腕の中で泣かせたいのも、守りたいのも。全てお前だけだ。お前だけが私の感情をかき乱す。お前にはいつでも振り回されっぱなしだな」
ギガイがそう言って苦笑した。その顔が、本当なのだと伝わるようで、甘い疼きが心を占めた。
そもそもこのまま求めて良いのか、日を改めるべきなのか。
悩んでいたレフラの身体がトサッとシーツの上に倒される。何が起きたのか分からないレフラを真上からギガイの目が見下ろしていた。
「このまま抱きたいが、正直ガマンできそうにない。無理をさせたら嫌いになるか?」
向けられた目の中に飢えた獣のような光を見て、レフラの身体がフルッと震えた。怯えよりも期待が隠ったその震えと共に、身体の奥が甘い疼きを訴える。その欲に満ちた瞳と同じぐらい強い気持ちで求めるように、レフラもギガイの方へと手を伸ばした。
「なりません…私も抱いて欲しいです……」
なれない言葉に頬が熱をもっていた。一瞬大きく開かれたギガイの目が、満足そうにスッと細められていく。狩った獲物を前にした、喜悦を含んだような笑みが浮かぶ。そんなギガイの舌先がまるで味見でもするように、頬に触れたレフラの指を舐り出した。
もどかしいような刺激の中、ぞわぞわとした感覚にレフラが思わず身じろぎをする。そんなレフラの反応をクツクツと笑いながら、空いた手がレフラの耳殻をなぞって弄っていった。
欲しいと身体が疼いていて、ギガイだってそう言っていたはずだった。それなのに焦らされるような愛撫では足りなくて、レフラはフルフルと首を振った。
「それではこれまでのように、最中に意地悪くしたらどうだ?」
「えっ…い、いじわるをするんですか?」
脳裏を過ったのはこれまでの、さんざん泣かされてきた行為の記憶達だった。レフラが不安な気持ちのまま、すがるようにギガイを見つめる。
「どうしてですか? だって泣かれるのはイヤだって……」
「あぁ、そうだな。だけど腕の中で泣かれるのは堪えるが、こうやって泣かせるのはまた別だな。たえているお前は愛らしいぞ。まぁ、性癖というやつか?」
サラッととんでもないことを吐き出したギガイに思わず絶句してしまう。
「あ、悪趣味です!」
わずかな間の後に我に返ったレフラの顔は、いまにも火が出そうなくらい熱かった。
「否定はせん。だが好きな相手ほどいじめたくなるものなのだろう?」
どこまで本気で言っているのかは分からない。でも飄々とそんなことを言ったギガイは少しも悪びれる様子も恥じる様子も見られなかった。
「どこのお子様ですか!? そんなのは普通、小さい子どものすることですよ!」
「そうなのか? まぁ、お前以外には、ろくに感情を抱いたことはないからな」
これも作戦の1つなのかもしれない。でもこれまで唯一だ、と言われた言葉がようやく心に染み込み始めた日々なのだ。
「……私だけなんですか?」
「あぁ。こうやって腕の中で泣かせたいのも、守りたいのも。全てお前だけだ。お前だけが私の感情をかき乱す。お前にはいつでも振り回されっぱなしだな」
ギガイがそう言って苦笑した。その顔が、本当なのだと伝わるようで、甘い疼きが心を占めた。
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