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3.逃走防止の鎖なの!?

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「だし、たぁ…い、やぁぁ、おねっ…がい、も、う…、だしたぁ…いぃ…」

「何を出したいんだ?」

何も出てこない俺の茎の先端を師匠の指が意地悪く引っ掻いた。

「ひぃぃぃぃ、っあぁっ、あああ!!」

出したくて出したくてたまらない俺の尿道口は、酸素を取り込む魚みたいに、小さく口を一生懸命開け閉めしている。
そんな場所を刺激されたら、何かが弾けて一瞬俺の視界が真っ白くなった。

「あれ?お前いまイったんじゃねぇ?」

もしかしたら、そうなのかもしれない。
でも分からない。

分からないけど、俺は必死に首を振った。

だっていつもと全然違っていて、イッた後の開放感も感じ続けてる時のような熱い余韻も感じてない。
それに身体はずっと痛くて、泣きたいぐらいに苦しいままだ。
そんな中にぐるぐるとぐろを巻いたような快感も、気持ち良いって言ってしまうには、あまりに強くて怖かった。

いま俺が何を感じているのか、もう俺にも分からない。

全部がグチャグチャで、ドロドロで。
もうこれ以上は本当にダメで、限界で。

だから、だから、勝手にイッたか?なんて、そんな質問に頷けるはずがなかった。

もしも認めてしまったら、俺はきっと師匠に壊される。

「…いっ、て…ない、で、す……」

怖い。

俺は身体が震えるのが止められなかった。

「ふーん」

俺の言葉を信じているのか、いないのか。
背後から聞こえてくる師匠の声からは感情が読めない。

「そうだな。お前は勝手にイッたりしないもんな」

身体を離した師匠が向かい合わせるように、突然俺の身体を膝立ちさせた。

こっちを見ている師匠の顔は、当たり前のように何かを企んでいるような顔だった。

頷いたらいったい何が起こるんだろう?

「違うのか?なに、お前さっき本当はイッテんのか?」

頷けば師匠の企みにはまってしまうと分かっているから頷けなくて、何も反応を返せないまま黙っていた。

でも、頷かなくてもダメってことだよな。

結局は師匠の思惑通りに応える以外、道は残っていなかった。

「…ちが、っ…イッ、て、ない…」

俺は身体の横でギュッと両手を握りしめる。
縋り付けるものは何もない。
力を込めるわけにもいかない不安定な身体は、シーツの上でぐらぐらと揺れていた。

「じゃあ、これも堪えきれるよな?」

突然張り詰めていた膀胱の痛みが和いで、開放感が押し寄せる。
そのあまりの開放感が、今まで経験したことがないぐらいの快感だった。

「あぁ!!あぁ…っあぁっ、あああーーーッ!!」

ほら、やっぱり。
俺が堪えきれないと分かっていて、わざとこの人はさせるんだ。
そして出来なかった俺を楽しそうに、さらに甚振る悪魔なんだ。

あぁ、だから。
あの時に弟子を辞めますって言っておけば良かったんだ。

粗相をした時みたいにシーツを濡らしてしまうと思ったゲルが、滴り落ちる前に再びリングへと戻っていく。

いや、今からでも。
そうだこの後、もう辞めますってーー?

ゲルが全部吐き出されてリングが最初の形に戻った頃には、ようやく解放された精液が白く飛び散って俺の思考を奪っていった。

そして俺の身体が崩れ落ちた。
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