36 / 58
36 真実は
しおりを挟む
リフテス王国へ来てすぐに、メリーナはリラの母親、マーガレットと出会った。
メリーナとマーガレットもまた、出会うべき運命だったのだろう。
二人はまるで、姉妹のように仲良くなった。
そして、マーガレットの子供こそがシリルとの宿命を持って生まれてくるのだと感じた。
彼女がリフテス王に見初められ、あの屋敷へと向かう事になった時、メリーナもメイドとして付いて行き暮らしたのだ。
程なくして、マーガレットはリラを身籠った。
その頃からだ。
マーガレットとお腹にいるリラは、何度も命を狙われるようになる。
これが、幼いシリルが懸念していた事だった。
シリルからメリーナに託された願い。
宿命の人を、僕の代わりに守って欲しい。
その言葉通りにメリーナは二人を何度も危機から救った。
それまで何度となく、マーガレットの下を訪れていた、リラの父親であるリフテス王は、その頃から屋敷を訪れる事を控えるようになった。
それは何故か?
リフテス王は、二人の命を脅かしている者から目を逸らそうとしたのだ。
彼は、それが誰であるかを知っていた。
マーガレットとリラの命を狙う人物。
それは、リフテス王国の王妃。
王妃は、心の底からマーガレットを憎んでいた。
たくさんいる側室の中でも一番身分が低く、城に住まわせることもなかった側室を、なぜそんなにも憎んだのか、憎んでいるのか……。
◇
「ここからは私が知る、リフテス王の話をします」
メリーナは、カップに残るお茶を飲むと、一つため息を吐いた。
私はメリーナの話す事を、ただ聞くことしか出来ず、気持ちが全然追いつかない。
メリーナは、マフガルド王国から来た獣人で、今の姿は仮の姿⁈ すごい魔力を持っていて、シリル様の事を知っていて……。
シリル様は、私の宿命の相手で、彼は私を生まれる前から知っていた……
横に座っているシリル様もまた、呆然と話を聞いていた。
それはそうだろう。
メリーナの話では、今の彼にその記憶はないのだ。
膝に乗せた手を見つめている私に向けて、メリーナはゆっくりと話を始めた。
「リラ、あなたは人から聞き、屋敷に現れたリフテス王しか知らないわ」
「はい」
だってあの時しか会った事ないもの……。
「昔から、リフテス王は魔力を欲しがっていたわね」
「……だから私をマフガルド王国へ、シリル様の下へ向かわせたんでしょう?」
メリーナは少しだけ寂しそうな顔をした。
「……そうね、では何故私を人質にとり、あなたに帰って来いと言ったかは分かる?」
「確実に子供を連れ帰る為でしょう?」
そう言うと、メリーナは首を横に振る。
「あの人は、あなたに帰って来て欲しかったのよ。子供の事は関係ないわ」
「帰って来て欲しかったから? じゃあなんで私をマフガルド王国に行かせたの? 子供を成せと、役に立つ事を有り難く思えと言われて送られたのよ? 剣まで突きつけて、メリーナだってあんな暗い地下牢に閉じ込めて」
「はっ? 剣⁈ 」
シリル様が驚き、声を上げた。
「シリル、今はそれはいいわ。あなたは黙って聞いていなさい」
「……はい」
「あなたをマフガルド王国へ送るように決めたのは、王の意思ではありません。彼は今、操られています。彼が屋敷を訪れた時すぐに気がついたけれど、あの時点ではなす術がなかった。だから素直に捕まったのよ。あなたの行き先もマフガルドだと分かったし、悪い様にはされないと思ったの」
「そんなの……違う……」
私は首を横に振った、メリーナから話を聞いても、どうしても認められなかった。
あんな酷い言葉を言われて、それは操られていたからだなんて……。
膝の上で強く握りしめていた私の手に、シリル様がそっと手を重ねた。
「リラ、そんなに強く握りしめてはいけない」
「シリル様……」
メリーナは私とシリル様を見て目を細めていた。
「あの時のリフテス王の言葉は、操る者の言葉と彼の奥底にある気持ちが混ざり合ったものだった。彼の瞳には輝きがなく……あれは私が知る彼ではないわ」
「だって、母さんも酷い王様だって言っていたじゃない……」
あの時、母さんはすごく悲しそうだった。
「そうね、でもあれも本心じゃない。本当のことを言えなかったの。あの頃も……ずっと、マーガレットの近くには監視の目があったから……」
「監視……?」
メリーナは頷き、悲しげな笑みを浮かべた。
「私が大っぴらに魔法を使えたらよかったのだけれど、マーガレットの側にいる為には、そう言う訳にはいかなかったの」
クルリと指を振り、メリーナはカップにお茶を注いだ。
ふわりと紅茶の香りが漂い、少しだけ私の気持ちを落ち着かせた。
「これから話す事は私がこの国に来て、実際見て聞いて知った事、それからリフテス王とマーガレットから聞いた事よ」
メリーナは真剣な顔をして私達に告げた。
メリーナとマーガレットもまた、出会うべき運命だったのだろう。
二人はまるで、姉妹のように仲良くなった。
そして、マーガレットの子供こそがシリルとの宿命を持って生まれてくるのだと感じた。
彼女がリフテス王に見初められ、あの屋敷へと向かう事になった時、メリーナもメイドとして付いて行き暮らしたのだ。
程なくして、マーガレットはリラを身籠った。
その頃からだ。
マーガレットとお腹にいるリラは、何度も命を狙われるようになる。
これが、幼いシリルが懸念していた事だった。
シリルからメリーナに託された願い。
宿命の人を、僕の代わりに守って欲しい。
その言葉通りにメリーナは二人を何度も危機から救った。
それまで何度となく、マーガレットの下を訪れていた、リラの父親であるリフテス王は、その頃から屋敷を訪れる事を控えるようになった。
それは何故か?
リフテス王は、二人の命を脅かしている者から目を逸らそうとしたのだ。
彼は、それが誰であるかを知っていた。
マーガレットとリラの命を狙う人物。
それは、リフテス王国の王妃。
王妃は、心の底からマーガレットを憎んでいた。
たくさんいる側室の中でも一番身分が低く、城に住まわせることもなかった側室を、なぜそんなにも憎んだのか、憎んでいるのか……。
◇
「ここからは私が知る、リフテス王の話をします」
メリーナは、カップに残るお茶を飲むと、一つため息を吐いた。
私はメリーナの話す事を、ただ聞くことしか出来ず、気持ちが全然追いつかない。
メリーナは、マフガルド王国から来た獣人で、今の姿は仮の姿⁈ すごい魔力を持っていて、シリル様の事を知っていて……。
シリル様は、私の宿命の相手で、彼は私を生まれる前から知っていた……
横に座っているシリル様もまた、呆然と話を聞いていた。
それはそうだろう。
メリーナの話では、今の彼にその記憶はないのだ。
膝に乗せた手を見つめている私に向けて、メリーナはゆっくりと話を始めた。
「リラ、あなたは人から聞き、屋敷に現れたリフテス王しか知らないわ」
「はい」
だってあの時しか会った事ないもの……。
「昔から、リフテス王は魔力を欲しがっていたわね」
「……だから私をマフガルド王国へ、シリル様の下へ向かわせたんでしょう?」
メリーナは少しだけ寂しそうな顔をした。
「……そうね、では何故私を人質にとり、あなたに帰って来いと言ったかは分かる?」
「確実に子供を連れ帰る為でしょう?」
そう言うと、メリーナは首を横に振る。
「あの人は、あなたに帰って来て欲しかったのよ。子供の事は関係ないわ」
「帰って来て欲しかったから? じゃあなんで私をマフガルド王国に行かせたの? 子供を成せと、役に立つ事を有り難く思えと言われて送られたのよ? 剣まで突きつけて、メリーナだってあんな暗い地下牢に閉じ込めて」
「はっ? 剣⁈ 」
シリル様が驚き、声を上げた。
「シリル、今はそれはいいわ。あなたは黙って聞いていなさい」
「……はい」
「あなたをマフガルド王国へ送るように決めたのは、王の意思ではありません。彼は今、操られています。彼が屋敷を訪れた時すぐに気がついたけれど、あの時点ではなす術がなかった。だから素直に捕まったのよ。あなたの行き先もマフガルドだと分かったし、悪い様にはされないと思ったの」
「そんなの……違う……」
私は首を横に振った、メリーナから話を聞いても、どうしても認められなかった。
あんな酷い言葉を言われて、それは操られていたからだなんて……。
膝の上で強く握りしめていた私の手に、シリル様がそっと手を重ねた。
「リラ、そんなに強く握りしめてはいけない」
「シリル様……」
メリーナは私とシリル様を見て目を細めていた。
「あの時のリフテス王の言葉は、操る者の言葉と彼の奥底にある気持ちが混ざり合ったものだった。彼の瞳には輝きがなく……あれは私が知る彼ではないわ」
「だって、母さんも酷い王様だって言っていたじゃない……」
あの時、母さんはすごく悲しそうだった。
「そうね、でもあれも本心じゃない。本当のことを言えなかったの。あの頃も……ずっと、マーガレットの近くには監視の目があったから……」
「監視……?」
メリーナは頷き、悲しげな笑みを浮かべた。
「私が大っぴらに魔法を使えたらよかったのだけれど、マーガレットの側にいる為には、そう言う訳にはいかなかったの」
クルリと指を振り、メリーナはカップにお茶を注いだ。
ふわりと紅茶の香りが漂い、少しだけ私の気持ちを落ち着かせた。
「これから話す事は私がこの国に来て、実際見て聞いて知った事、それからリフテス王とマーガレットから聞いた事よ」
メリーナは真剣な顔をして私達に告げた。
10
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説
ぼくは悪役令嬢の弟〜大好きな姉の為に、姉を虐める令嬢に片っ端から復讐するつもりが、いつの間にか姉のファンクラブができてるんだけど何で?〜
水都 ミナト
恋愛
「ルイーゼ・ヴァンブルク!!今この時をもって、俺はお前との婚約を破棄する!!」
ヒューリヒ王立学園の進級パーティで第二王子に婚約破棄を突きつけられたルイーゼ。
彼女は周囲の好奇の目に晒されながらも毅然とした態度でその場を後にする。
人前で笑顔を見せないルイーゼは、氷のようだ、周囲を馬鹿にしているのだ、傲慢だと他の令嬢令息から蔑まれる存在であった。
そのため、婚約破棄されて当然だと、ルイーゼに同情する者は誰一人といなかった。
いや、唯一彼女を心配する者がいた。
それは彼女の弟であるアレン・ヴァンブルクである。
「ーーー姉さんを悲しませる奴は、僕が許さない」
本当は優しくて慈愛に満ちたルイーゼ。
そんなルイーゼが大好きなアレンは、彼女を傷つけた第二王子や取り巻き令嬢への報復を誓うのだが……
「〜〜〜〜っハァァ尊いっ!!!」
シスコンを拗らせているアレンが色々暗躍し、ルイーゼの身の回りの環境が変化していくお話。
★全14話★
※なろう様、カクヨム様でも投稿しています。
※正式名称:『ぼくは悪役令嬢の弟 〜大好きな姉さんのために、姉さんをいじめる令嬢を片っ端から落として復讐するつもりが、いつの間にか姉さんのファンクラブができてるんだけどどういうこと?〜』
中将閣下は御下賜品となった令嬢を溺愛する
cyaru
恋愛
幼い頃から仲睦まじいと言われてきた侯爵令息クラウドと侯爵令嬢のセレティア。
18歳となりそろそろ婚約かと思われていたが、長引く隣国との戦争に少年兵士としてクラウドが徴兵されてしまった。
帰りを待ち続けるが、22歳になったある日クラウドの戦死が告げられた。
泣き崩れるセレティアだったが、ほどなくして戦争が終わる。敗戦したのである。
戦勝国の国王は好色王としても有名で王女を差し出せと通達があったが王女は逃げた所を衛兵に斬り殺されてしまう。仕方なく高位貴族の令嬢があてがわれる事になったが次々に純潔を婚約者や、急遽婚約者を立ててしまう他の貴族たち。選ばれてしまったセレティアは貢物として隣国へ送られた。
奴隷のような扱いを受けるのだろうと思っていたが、豪華な部屋に通され、好色王と言われた王には一途に愛する王妃がいた。
セレティアは武功を挙げた将兵に下賜されるために呼ばれたのだった。
そしてその将兵は‥‥。
※作品の都合上、うわぁと思うような残酷なシーンがございます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※頑張って更新します。
【完結】バッドエンドの落ちこぼれ令嬢、巻き戻りの人生は好きにさせて貰います!
白雨 音
恋愛
伯爵令嬢エレノアは、容姿端麗で優秀な兄姉とは違い、容姿は平凡、
ピアノや刺繍も苦手で、得意な事といえば庭仕事だけ。
家族や周囲からは「出来損ない」と言われてきた。
十九歳を迎えたエレノアは、侯爵家の跡取り子息ネイサンと婚約した。
次期侯爵夫人という事で、厳しい教育を受ける事になったが、
両親の為、ネイサンの為にと、エレノアは自分を殺し耐えてきた。
だが、結婚式の日、ネイサンの浮気を目撃してしまう。
愚行を侯爵に知られたくないネイサンにより、エレノアは階段から突き落とされた___
『死んだ』と思ったエレノアだったが、目を覚ますと、十九歳の誕生日に戻っていた。
与えられたチャンス、次こそは自分らしく生きる!と誓うエレノアに、曾祖母の遺言が届く。
遺言に従い、オースグリーン館を相続したエレノアを、隣人は神・精霊と思っているらしく…??
異世界恋愛☆ ※元さやではありません。《完結しました》
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
【完結】余命三年ですが、怖いと評判の宰相様と契約結婚します
佐倉えび
恋愛
断罪→偽装結婚(離婚)→契約結婚
不遇の人生を繰り返してきた令嬢の物語。
私はきっとまた、二十歳を越えられないーー
一周目、王立学園にて、第二王子ヴィヴィアン殿下の婚約者である公爵令嬢マイナに罪を被せたという、身に覚えのない罪で断罪され、修道院へ。
二周目、学園卒業後、夜会で助けてくれた公爵令息レイと結婚するも「あなたを愛することはない」と初夜を拒否された偽装結婚だった。後に離婚。
三周目、学園への入学は回避。しかし評判の悪い王太子の妾にされる。その後、下賜されることになったが、手渡された契約書を見て、契約結婚だと理解する。そうして、怖いと評判の宰相との結婚生活が始まったのだが――?
*ムーンライトノベルズにも掲載
二度目の結婚は異世界で。~誰とも出会わずひっそり一人で生きたかったのに!!~
すずなり。
恋愛
夫から暴力を振るわれていた『小坂井 紗菜』は、ある日、夫の怒りを買って殺されてしまう。
そして目を開けた時、そこには知らない世界が広がっていて赤ちゃんの姿に・・・!
赤ちゃんの紗菜を拾ってくれた老婆に聞いたこの世界は『魔法』が存在する世界だった。
「お前の瞳は金色だろ?それはとても珍しいものなんだ。誰かに会うときはその色を変えるように。」
そう言われていたのに森でばったり人に出会ってしまってーーーー!?
「一生大事にする。だから俺と・・・・」
※お話は全て想像の世界です。現実世界と何の関係もございません。
※小説大賞に出すために書き始めた作品になります。貯文字は全くありませんので気長に更新を待っていただけたら幸いです。(完結までの道筋はできてるので完結はすると思います。)
※メンタルが薄氷の為、コメントを受け付けることができません。ご了承くださいませ。
ただただすずなり。の世界を楽しんでいただけたら幸いです。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。
そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。
そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。
「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」
そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。
かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが…
※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。
ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる