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指輪と手紙
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ソフィアの結婚式から六日後の朝。
ディーバン男爵家の主寝室に叫び声が響いていた。
「ない! ないわっ!」
その声の主は、装飾品の入った引き出しを開けたディーバン男爵夫人だった。
「どうした? 朝からそんなに煩い声を上げて、何がないと言うんだ」
どこに行く訳でもないが、キチンとした格好をして壁に掛かる楕円形の鏡に向かい、薄くなってきた髪を櫛で整えながら、ディーバン男爵がつまらなそうに聞く。
「私の指輪よ! あなたが昔くれたでしょう、婚約する時に一生お前を愛するって言って!」
「ああ! あの古代文字を入れてもらった、高いヤツか!」
「そうよ、今日のお茶会に着けていこうと思っていたのに何処にも無いのよ。まさか……あなた売ったりしていないでしょうね⁈ 」
「うっ売るわけないだろう、アレだけは売らん……たぶん」
「じゃあ……どこよ⁈ 」
騒いでいる両親の声を、廊下でカルロが聞いていた。
先日、ソフィアの結婚式でカルロがシャーロットに渡した小さな袋、アレは母親の引き出しから偶然、自分の髪色と瞳の色の石が付いた指輪を見つけ、それを渡したのだ。
まさか両親の婚約指輪だとは思わなかった。
しかも、自分も彼女に『婚約指輪』のつもりで渡したのだから。
*
シャーロットが五歳の頃、ディーバン男爵家に家族で訪問した当時八歳のカルロは、彼女に一目惚れをした。
( 妹と同じ歳だというのに、なぜ可愛く見えるのだろう )
だが、シャーロットの父親とその弟である自分の父はなぜか仲が悪く、彼女とは一度会っただけで疎遠になってしまった。
ところが彼女の両親が不慮の事故で亡くなった。
一人になったシャーロットを両親が引き取ると言い出し、長年想い続けてきた彼女と家族として、一緒に暮らせる様になったのだ。
しかし両親の計らいで、メイドとして扱うことになってしまった。
カルロは、もともと人付き合いが苦手な事もあり、シャーロットに対しどういう態度をとれば良いか分からなくなった。結果として、声もかけず無視をするという冷たい態度をとってしまった。
けれど、カルロはいつも陰ながら彼女を見ていた。
気づかれない様に……見守っていたのだ。
彼なりに……
子供の頃から内気で思い込みの強いところがあるカルロは、月日が過ぎていくほどにシャーロットへの想いを拗らせていった。
いつの日か僕がロッティ(シャーロット)と結婚する。
いとこ同士は結婚できる。
……何をするでもなく、ただ遠くから見守るだけの日々は続いていた。
そんなある日、両親が彼女を城へと働きに出してしまった。けれど半年経てばまた此処へ帰ってくるのだ。
その時には自分の、この気持ちを伝えよう。
ずっと見守って来たんだ、彼女も気が付いている。
僕からの告白を、待っている。
だが、両親が知らぬ間にドルモア伯爵と婚約させていた。半年振りに帰って来たシャーロットは、城で背中に大きな傷まで負ってきていた。
でも、大丈夫だ。
きっと僕が何とかしてあげるから……
ーーそう思っていたら、この国で最も強い種族と云われる竜獣人の若僧が、シャーロットの事を『花』だと言って連れて行ってしまったーー
『花』って何だ⁈ 勝手なヤツらめ。
印とか訳がわからない。どうせ獣人にしか分からない事なんだ、婚約しようが僕には関係ない。
ロッティと結婚するのはこの僕だ。
そうして、ソフィアの結婚式にシャーロットが必ず来ると見込んで、あの指輪を持っていたのだ。
やはり彼女は来ていた、それも一人で……婚約者の男は出席すらしていない。
それに彼女は婚約して随分経つのに、婚約指輪も着けていない。
ああ、彼女はきっと公爵家で辛い思いをしているんだ……。
可哀想なロッティ、いつでも僕のもとに帰っておいで……
*
両親は部屋中を探しているようだ。
ガタガタと彼方此方の引き出しを開けている。
「まぁいいさ、その内ロッティと一緒に指輪も帰って来るから」
廊下で一人ほくそ笑むカルロ。
昼が過ぎた頃、ディーバン男爵家にレイナルド公爵家から箱が届けられた。
「何だ?」
「早く開けてみましょうよ」
ディーバン男爵夫妻は、きっと良いものに違いないと嬉しそうに箱を開けた。
箱の中には一通のカードと小さな袋、小さな箱が入っていた。
カードには【壊してしまいました。これは代わりの品です】とだけ書いてある。
「壊した? 何の事だ?」
開けてみた小さな袋には、先程探していた指輪が形を変えて入っていた。
「これは……私の指輪……こんなに割れて……でも、なぜレイナルド公爵から送ってくるの?」
「いやっ、そんなものどうだっていい、見てみろコレを!」
ディーバン男爵は小さな箱を開けて飛び上がらんばかりだ。
箱には金塊が入っていた。それは小さな物だったが
「コレはその指輪の数十倍の価値があるぞ!」
「ええっ!」
男爵夫妻は割れた指輪の事などすっかり忘れて金塊を掲げて喜んだ。
そんな両親の姿を見て、カルロはため息を吐く。
「ロッティは一緒じゃないのか……」
婚約指輪だけ送ってくるなんて……
サイズが合わなかったのかな?
まあ、そのうちロッティも帰ってくるだろう。
彼は今だにディーバン男爵家で、二度と戻る事はないシャーロットを、何をするでもなく待ち続けているのだった。
ーーーーーー*
エスターが帰って来てから五日後、オスカー様がレイナルド邸に帰って来られた。
私は城で助けて貰って以来、オスカー様に会うのは二度目だ。
( とは言っても助けてもらった時の事は、殆ど憶えていないのだけれど )
「初めまして、シャーロットです」
オスカー様はキョトンとした顔をしている。
一度会っているとはいえ、私達が言葉を交わすのは初めてになるのだから。
「あ……ああ……そうか、俺あの日以来君に会っていなかったね」
「はい、お城では助けていただきありがとうございました」
やっとお礼を言う事が出来た。
あの日、必死な顔をして私に手を伸ばしてくれた美少年はオスカー様だったのだ。
( マリアナ王女様付きの侍女さん達が馬車の中で教えてくれた)
オスカー様はエスターと、とてもよく似ている。
エスターよりも長い銀の髪を後ろで一つに結び、長めの前髪は左に流している。スッと通った鼻筋と吸い込まれてしまいそうな真っ青の瞳。容姿端麗、まばゆいほどの美男だ。
「あの時は、まさか君がエスターの『花』だとは思わなかったからね、本当に助けられて良かった。あの背中の傷も、すっかり綺麗になったんだってね」
「背中の傷……」
最初に見たのだろうか? そう思っていると、私のその表情に気が付いたオスカー様が「サラの所で見たんだ」と言われた。
「治療室で見られたのですか?」
「そう、あの傷は凄く痛そうだったね、こう君の白い肌に斜めに紫色の……あ……」
私の横でエスターが、オスカー様を睨んでいた。
( 見られていたのね、私の背中……うっ、恥ずかしい……でも傷を見たんだし…… )
「背中しか見てないから、そもそも俺は遠くから見ただけだから。意外に胸あるなぁとか、思ってもいないから」
「オスカー……どこ見てたんだよ」
「……竜獣人は目がいいですからね……胸、見えたんですか……」
( ううっ、婚約者のお兄さんに見られるなんて)
「いやっ!うつ伏せだったからっ、横しか見えてない‼︎ 」
( 横……横しかって……)
「もう話すな、オスカー」
エスターが冷ややかな声で言うとオスカー様は「はい、すみません……」と呟いた。
オスカー様が私にひとしきり謝った後、エスターと話があるからと二人は執務室へ向かった。
ーーーーーー*
執務室に移動したオスカーは、先程までとは違う真剣な顔をして、エスターに話をした。
「キャロン達女性騎士五人は第四部隊に移動になった」
「そうか……」
「俺とお前がいる間は、第三部隊には女性騎士は入れないことになったよ」
「そう……」
「それから、これ……」
オスカーはエスターがシャーロットへ宛てて送っていた手紙の束を渡した。
キャロンに預けていた手紙は、全て封が開けてあった。
「……これ」
「俺じゃないぞ、キャロンが読んだらしい。それで余計にお前と関係を持ちたくなったと言っていたぞ、エスター……お前何書いたんだよ」
「……シャーロットにしたいこと」
キャロンには入隊した頃いろいろ教えて貰った、恋愛感情なんて持った事すら無かった。
姉の様に思っていた、これからも一緒に仕事が出来ると思っていたのに……
……何故だか凄く残念だ……
ディーバン男爵家の主寝室に叫び声が響いていた。
「ない! ないわっ!」
その声の主は、装飾品の入った引き出しを開けたディーバン男爵夫人だった。
「どうした? 朝からそんなに煩い声を上げて、何がないと言うんだ」
どこに行く訳でもないが、キチンとした格好をして壁に掛かる楕円形の鏡に向かい、薄くなってきた髪を櫛で整えながら、ディーバン男爵がつまらなそうに聞く。
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「ああ! あの古代文字を入れてもらった、高いヤツか!」
「そうよ、今日のお茶会に着けていこうと思っていたのに何処にも無いのよ。まさか……あなた売ったりしていないでしょうね⁈ 」
「うっ売るわけないだろう、アレだけは売らん……たぶん」
「じゃあ……どこよ⁈ 」
騒いでいる両親の声を、廊下でカルロが聞いていた。
先日、ソフィアの結婚式でカルロがシャーロットに渡した小さな袋、アレは母親の引き出しから偶然、自分の髪色と瞳の色の石が付いた指輪を見つけ、それを渡したのだ。
まさか両親の婚約指輪だとは思わなかった。
しかも、自分も彼女に『婚約指輪』のつもりで渡したのだから。
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シャーロットが五歳の頃、ディーバン男爵家に家族で訪問した当時八歳のカルロは、彼女に一目惚れをした。
( 妹と同じ歳だというのに、なぜ可愛く見えるのだろう )
だが、シャーロットの父親とその弟である自分の父はなぜか仲が悪く、彼女とは一度会っただけで疎遠になってしまった。
ところが彼女の両親が不慮の事故で亡くなった。
一人になったシャーロットを両親が引き取ると言い出し、長年想い続けてきた彼女と家族として、一緒に暮らせる様になったのだ。
しかし両親の計らいで、メイドとして扱うことになってしまった。
カルロは、もともと人付き合いが苦手な事もあり、シャーロットに対しどういう態度をとれば良いか分からなくなった。結果として、声もかけず無視をするという冷たい態度をとってしまった。
けれど、カルロはいつも陰ながら彼女を見ていた。
気づかれない様に……見守っていたのだ。
彼なりに……
子供の頃から内気で思い込みの強いところがあるカルロは、月日が過ぎていくほどにシャーロットへの想いを拗らせていった。
いつの日か僕がロッティ(シャーロット)と結婚する。
いとこ同士は結婚できる。
……何をするでもなく、ただ遠くから見守るだけの日々は続いていた。
そんなある日、両親が彼女を城へと働きに出してしまった。けれど半年経てばまた此処へ帰ってくるのだ。
その時には自分の、この気持ちを伝えよう。
ずっと見守って来たんだ、彼女も気が付いている。
僕からの告白を、待っている。
だが、両親が知らぬ間にドルモア伯爵と婚約させていた。半年振りに帰って来たシャーロットは、城で背中に大きな傷まで負ってきていた。
でも、大丈夫だ。
きっと僕が何とかしてあげるから……
ーーそう思っていたら、この国で最も強い種族と云われる竜獣人の若僧が、シャーロットの事を『花』だと言って連れて行ってしまったーー
『花』って何だ⁈ 勝手なヤツらめ。
印とか訳がわからない。どうせ獣人にしか分からない事なんだ、婚約しようが僕には関係ない。
ロッティと結婚するのはこの僕だ。
そうして、ソフィアの結婚式にシャーロットが必ず来ると見込んで、あの指輪を持っていたのだ。
やはり彼女は来ていた、それも一人で……婚約者の男は出席すらしていない。
それに彼女は婚約して随分経つのに、婚約指輪も着けていない。
ああ、彼女はきっと公爵家で辛い思いをしているんだ……。
可哀想なロッティ、いつでも僕のもとに帰っておいで……
*
両親は部屋中を探しているようだ。
ガタガタと彼方此方の引き出しを開けている。
「まぁいいさ、その内ロッティと一緒に指輪も帰って来るから」
廊下で一人ほくそ笑むカルロ。
昼が過ぎた頃、ディーバン男爵家にレイナルド公爵家から箱が届けられた。
「何だ?」
「早く開けてみましょうよ」
ディーバン男爵夫妻は、きっと良いものに違いないと嬉しそうに箱を開けた。
箱の中には一通のカードと小さな袋、小さな箱が入っていた。
カードには【壊してしまいました。これは代わりの品です】とだけ書いてある。
「壊した? 何の事だ?」
開けてみた小さな袋には、先程探していた指輪が形を変えて入っていた。
「これは……私の指輪……こんなに割れて……でも、なぜレイナルド公爵から送ってくるの?」
「いやっ、そんなものどうだっていい、見てみろコレを!」
ディーバン男爵は小さな箱を開けて飛び上がらんばかりだ。
箱には金塊が入っていた。それは小さな物だったが
「コレはその指輪の数十倍の価値があるぞ!」
「ええっ!」
男爵夫妻は割れた指輪の事などすっかり忘れて金塊を掲げて喜んだ。
そんな両親の姿を見て、カルロはため息を吐く。
「ロッティは一緒じゃないのか……」
婚約指輪だけ送ってくるなんて……
サイズが合わなかったのかな?
まあ、そのうちロッティも帰ってくるだろう。
彼は今だにディーバン男爵家で、二度と戻る事はないシャーロットを、何をするでもなく待ち続けているのだった。
ーーーーーー*
エスターが帰って来てから五日後、オスカー様がレイナルド邸に帰って来られた。
私は城で助けて貰って以来、オスカー様に会うのは二度目だ。
( とは言っても助けてもらった時の事は、殆ど憶えていないのだけれど )
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一度会っているとはいえ、私達が言葉を交わすのは初めてになるのだから。
「あ……ああ……そうか、俺あの日以来君に会っていなかったね」
「はい、お城では助けていただきありがとうございました」
やっとお礼を言う事が出来た。
あの日、必死な顔をして私に手を伸ばしてくれた美少年はオスカー様だったのだ。
( マリアナ王女様付きの侍女さん達が馬車の中で教えてくれた)
オスカー様はエスターと、とてもよく似ている。
エスターよりも長い銀の髪を後ろで一つに結び、長めの前髪は左に流している。スッと通った鼻筋と吸い込まれてしまいそうな真っ青の瞳。容姿端麗、まばゆいほどの美男だ。
「あの時は、まさか君がエスターの『花』だとは思わなかったからね、本当に助けられて良かった。あの背中の傷も、すっかり綺麗になったんだってね」
「背中の傷……」
最初に見たのだろうか? そう思っていると、私のその表情に気が付いたオスカー様が「サラの所で見たんだ」と言われた。
「治療室で見られたのですか?」
「そう、あの傷は凄く痛そうだったね、こう君の白い肌に斜めに紫色の……あ……」
私の横でエスターが、オスカー様を睨んでいた。
( 見られていたのね、私の背中……うっ、恥ずかしい……でも傷を見たんだし…… )
「背中しか見てないから、そもそも俺は遠くから見ただけだから。意外に胸あるなぁとか、思ってもいないから」
「オスカー……どこ見てたんだよ」
「……竜獣人は目がいいですからね……胸、見えたんですか……」
( ううっ、婚約者のお兄さんに見られるなんて)
「いやっ!うつ伏せだったからっ、横しか見えてない‼︎ 」
( 横……横しかって……)
「もう話すな、オスカー」
エスターが冷ややかな声で言うとオスカー様は「はい、すみません……」と呟いた。
オスカー様が私にひとしきり謝った後、エスターと話があるからと二人は執務室へ向かった。
ーーーーーー*
執務室に移動したオスカーは、先程までとは違う真剣な顔をして、エスターに話をした。
「キャロン達女性騎士五人は第四部隊に移動になった」
「そうか……」
「俺とお前がいる間は、第三部隊には女性騎士は入れないことになったよ」
「そう……」
「それから、これ……」
オスカーはエスターがシャーロットへ宛てて送っていた手紙の束を渡した。
キャロンに預けていた手紙は、全て封が開けてあった。
「……これ」
「俺じゃないぞ、キャロンが読んだらしい。それで余計にお前と関係を持ちたくなったと言っていたぞ、エスター……お前何書いたんだよ」
「……シャーロットにしたいこと」
キャロンには入隊した頃いろいろ教えて貰った、恋愛感情なんて持った事すら無かった。
姉の様に思っていた、これからも一緒に仕事が出来ると思っていたのに……
……何故だか凄く残念だ……
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