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反省会? 勉強会?
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先生たちはならず者を持参したロープで縛って肩に担ぎ上げた。おっさんたち、結構ゴツいのに軽々と担ぐなんて現役冒険者と騎士(アル従兄様、本業は騎士なの)はすごいわね~。あ、ガウリーさん荷物運び要員ね!
ザシャル先生が意外だったけど。
因みにザシャル先生、担ごうとして手を伸ばしかけてためらった後、背負っていた荷物から毛布を出してならず者を簀巻きにしてた。⋯⋯直接、触りたくなかったらしい。
安全地帯に戻ると、とても都合よく警邏隊が到着していた。違うか、先生たちが呼んだのね。
「安全地帯には、一般人には知らされていない、秘密の通信手段が隠されているんだよ」
アリアンさんがウィンクした。王宮の魔術師クラスの人が設置した、秘密のなにかね⋯⋯。有事の際、なによりも大切なのは情報の速さだもの。訓練された伝令兵や魔術師がいなくても使えるなにかが、隠してあっても不思議じゃない。まして、白鷹騎士団のふたり目の副団長なら知っていて当然かも。
ならず者たちはあっさり捕縛され、これから取り調べをして被害者の捜索をするそうだ。
警邏隊の人たちが、パーティーの大人組にやたらとペコペコ頭を下げるので、チチェーノさんと合流したガウリーさんがコソッとこっちに寄って来た。
「あの無駄に顔のいいお兄さんたち、何者だ? 警邏隊の連中、冒険者はあのならず者と大差ないと思ってる奴らなんだけどな」
「じゃあ、私たちもあの人たちと十把一絡げにされちゃうの?」
垢じみたおっさんと同列に扱われるのは願い下げだわ。顔とか、年齢じゃないわよ。清潔感よ、清潔感!
「さすがにそれはないでしょ。こんなに可愛いお嬢さんたちなのに」
チチェーノさん、あなたも可愛いから。
「あ、そっか。あんたが副団長の妹なら、従兄の兄ちゃんも副団長の身内なのか。なら、あの態度もわかんらんでもない」
ガウリーさんはひとりで納得してくれた。アリアンさんがもうひとりの副団長で、ザシャル先生が帝都の黄金の三枚羽だってことは、いちいち言わなくてもいいもの。
こうしてならず者は警邏隊に引き渡されて、私たちはひとまずはじめての冒険を終えた。
普通の子どもなら、ならず者に追い回されて誘拐されるのを回避しつつ反撃するなんて、大冒険のはずよね。⋯⋯やり切った感はまるでないけど。
警邏隊を見送って、チチェーノさんたちにも挨拶をして分かれた。ふたりは帝都を目指していたので、シーリアがダビ商会を紹介していた。チチェーノさんがめちゃくちゃ驚いてシーリアとタタンを交互に見て、やがて納得したようにうなずいた。
アリアンさんとミシェイル様が用意してくれていた昼食をいただいたあと、ザシャル先生の青空教室が始まった。
「パニックにもならず、落ち着いて対処できたと思いますよ。⋯⋯いささか落ち着きすぎですが」
うん、新人の初々しさはない。我ながら笑っちゃうくらいに。
中身がアラサーOLの私、商会の仕事ですでに社会を知っているシーリアとタタン、さすが巫女姫の貫禄っていうユン。
私と同じことを思ったのか、シーリアたちも苦笑している。
「調査が必要でない場合、例えば、不意に魔獣に襲われたり⋯⋯ですね、そういう時は今日のような制約がありません。引き際の見極めができれば、命を落とすことはないでしょう」
それって、私たちがけっこうイケてるってこと?
「シーリア・ダフ。重ねて言います。あの檻は素晴らしかった。聖句を唱える時間が確保できるなら、もっと丁寧に出来るはずです。コントロールが抜群に上手い。そして風と火はとても相性が良い」
「ありがとうございます。精進いたします」
「タタン・アプフェル。足を狙ったのは上出来です。絶妙な切り口だったとアルフレッド殿が褒めていましたよ。魔法剣の使い方は、追々です」
「はい」
「ハ・ユン。途中の罠を見ました。矢でロープを射りましたか?」
「あい」
「素晴らしいです。鍛錬の場所が作れなくて申し訳ありません」
ユンはぽやんと笑ってる首を横になって振った。
「ロージー・ローズ。聖句を唱えるのをサボりましたね?」
「はい⋯⋯」
なんでバレるのかしら? 《遮音》ぽい聖句がないから? 音は空気の振動だから、精霊が喜ぶ言葉を並べれば、シーリアなら出来るようになると思うんだけど⋯⋯。
なんてことを、あうあうと言い訳していたら、ザシャル先生がキランと眠そうな瞳を光らせた。
「それは知識の宝珠の記憶ですか?」
「⋯⋯音の概念なら、そうです」
「そうですか」
ニヤリって、こんな表情なんだろぅなぁ。って言う表情だった。
ザシャル先生が意外だったけど。
因みにザシャル先生、担ごうとして手を伸ばしかけてためらった後、背負っていた荷物から毛布を出してならず者を簀巻きにしてた。⋯⋯直接、触りたくなかったらしい。
安全地帯に戻ると、とても都合よく警邏隊が到着していた。違うか、先生たちが呼んだのね。
「安全地帯には、一般人には知らされていない、秘密の通信手段が隠されているんだよ」
アリアンさんがウィンクした。王宮の魔術師クラスの人が設置した、秘密のなにかね⋯⋯。有事の際、なによりも大切なのは情報の速さだもの。訓練された伝令兵や魔術師がいなくても使えるなにかが、隠してあっても不思議じゃない。まして、白鷹騎士団のふたり目の副団長なら知っていて当然かも。
ならず者たちはあっさり捕縛され、これから取り調べをして被害者の捜索をするそうだ。
警邏隊の人たちが、パーティーの大人組にやたらとペコペコ頭を下げるので、チチェーノさんと合流したガウリーさんがコソッとこっちに寄って来た。
「あの無駄に顔のいいお兄さんたち、何者だ? 警邏隊の連中、冒険者はあのならず者と大差ないと思ってる奴らなんだけどな」
「じゃあ、私たちもあの人たちと十把一絡げにされちゃうの?」
垢じみたおっさんと同列に扱われるのは願い下げだわ。顔とか、年齢じゃないわよ。清潔感よ、清潔感!
「さすがにそれはないでしょ。こんなに可愛いお嬢さんたちなのに」
チチェーノさん、あなたも可愛いから。
「あ、そっか。あんたが副団長の妹なら、従兄の兄ちゃんも副団長の身内なのか。なら、あの態度もわかんらんでもない」
ガウリーさんはひとりで納得してくれた。アリアンさんがもうひとりの副団長で、ザシャル先生が帝都の黄金の三枚羽だってことは、いちいち言わなくてもいいもの。
こうしてならず者は警邏隊に引き渡されて、私たちはひとまずはじめての冒険を終えた。
普通の子どもなら、ならず者に追い回されて誘拐されるのを回避しつつ反撃するなんて、大冒険のはずよね。⋯⋯やり切った感はまるでないけど。
警邏隊を見送って、チチェーノさんたちにも挨拶をして分かれた。ふたりは帝都を目指していたので、シーリアがダビ商会を紹介していた。チチェーノさんがめちゃくちゃ驚いてシーリアとタタンを交互に見て、やがて納得したようにうなずいた。
アリアンさんとミシェイル様が用意してくれていた昼食をいただいたあと、ザシャル先生の青空教室が始まった。
「パニックにもならず、落ち着いて対処できたと思いますよ。⋯⋯いささか落ち着きすぎですが」
うん、新人の初々しさはない。我ながら笑っちゃうくらいに。
中身がアラサーOLの私、商会の仕事ですでに社会を知っているシーリアとタタン、さすが巫女姫の貫禄っていうユン。
私と同じことを思ったのか、シーリアたちも苦笑している。
「調査が必要でない場合、例えば、不意に魔獣に襲われたり⋯⋯ですね、そういう時は今日のような制約がありません。引き際の見極めができれば、命を落とすことはないでしょう」
それって、私たちがけっこうイケてるってこと?
「シーリア・ダフ。重ねて言います。あの檻は素晴らしかった。聖句を唱える時間が確保できるなら、もっと丁寧に出来るはずです。コントロールが抜群に上手い。そして風と火はとても相性が良い」
「ありがとうございます。精進いたします」
「タタン・アプフェル。足を狙ったのは上出来です。絶妙な切り口だったとアルフレッド殿が褒めていましたよ。魔法剣の使い方は、追々です」
「はい」
「ハ・ユン。途中の罠を見ました。矢でロープを射りましたか?」
「あい」
「素晴らしいです。鍛錬の場所が作れなくて申し訳ありません」
ユンはぽやんと笑ってる首を横になって振った。
「ロージー・ローズ。聖句を唱えるのをサボりましたね?」
「はい⋯⋯」
なんでバレるのかしら? 《遮音》ぽい聖句がないから? 音は空気の振動だから、精霊が喜ぶ言葉を並べれば、シーリアなら出来るようになると思うんだけど⋯⋯。
なんてことを、あうあうと言い訳していたら、ザシャル先生がキランと眠そうな瞳を光らせた。
「それは知識の宝珠の記憶ですか?」
「⋯⋯音の概念なら、そうです」
「そうですか」
ニヤリって、こんな表情なんだろぅなぁ。って言う表情だった。
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