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 ぴよぴよと鳴いて餌をねだるのは、五羽の小鳥。るぅ姉に向かって必死で口を開けている。実験と称して持ち込まれた有精卵が、るぅ姉が触れた途端、内から殻をつき壊して這い出してきた。

「ピィピィ」
「ピヨピヨ」

 微力な魔力を鳴き声に乗せて、獲物を惑わして捕食する魔鳥の一種だけど、人には害はない。鳴き声が美しいので、鳥使いに飼い慣らされて、吟遊詩人と歌くらべをすることも多いらしい。

 魔狼のユーリャが巣を見つけて、アルノルドさんが卵のうちに保護していたのを、ヴァーリ隊長が思い出した。思いついてご領主さまに進言したところ、害の無い種類の魔鳥なので、是非実験してみよとなったらしい。

 ブライトさまが立ち会いたいか聞いてくれたので、一も二もなく頷いた。

 何が起こるか分からないので騎士団の鍛錬場ですることになったけど、日除けのパラソルにテーブルセットが用意されて、なんだかガーデンパーティーの様相だった。

 ご領主さま、ブライトさま、ヴァーリ団長、アルノルドさん、あと、騎士団の人が数名と、魔法使い数名。おれは何があるか分からないので、アントニオさんが壁になった。ダメだと言おうとしたら、マーサさんが小さく首を振った。

 あぁ、おれはなんとしても、安全でいなくてはならない。

 アントニオさんの影から、るぅ姉を見つめる。白いテーブルセットに腰掛けて、掲げた手のひらに、ぽとりと卵が落とされた。この卵は、魔鳥の卵じゃない。飼育小屋から持ってきた、鶏の卵だ。

「こんにちは、卵ちゃん。元気で産まれておいでなさい」

 そっと卵にキスしたけど、何も起こらない。

 次にるぅ姉の手のひらに落とされたのは、魔鳥の卵。同じように優しく囁きかけてキスをする。

 しばらくしてコツコツと音がし始めた。柔らかな綿が敷き詰められたバスケットに卵を戻し、残りの四つも同じようにすると、直後からコツコツと音がする。

「たまたま、卵が孵る時期に来ていた⋯⋯訳ではなさそうですな」

 ヴァーリが思わずと言った風情で呟いた。

 卵はわずかに揺れながら、内側から音を響かせているが、孵るまではしばらく時間がかかりそうだと思ったのに、雛たちはあっと言う間に殻を突き破って這い出してきたのだった。

「うわぁ、可愛い」

 思わず口から漏れた。だって可愛いんだもん。まだ濡れて産毛が張り付いて、目がぎょろぎょろしてるけど、乾いたらもっと可愛くなるよね。

 アルノルドさんがすかさず、練り餌が入った小鉢と串を差し出したので、るぅ姉は雛に餌を与え始めた。

「ぴいぴい」

「ぴーッ」

 おいおい、必死だな。可愛い。

 騎士団員も魔法使いも、身を乗り出して給餌を見ている。心なし、ほっぺたがデレてる気がする。可愛いは正義だ。ごく一部、その美貌に優しい微笑みを浮かべているご領主さまに、視線を向ける騎士もいたけど。あ、あの人、火薔薇姫の下僕の人だ。

 練り餌を串につけて、喉の奥に差し入れてやると、目をキロキロさせながら飲み込んでいく。自然の中では潤沢な餌は望めないから、本能的にあればあるだけ欲しがるようだ。

 ある程度でアルノルドさんからストップが入り、それでも雛たちは必死に口を開ける。次第に濡れた体が乾いてきて、フワフワの産毛が立ち上がってきた。

「ハヤテの名付けをしたのだったな。雛にも付けてみよ」

「はい」

 ブライトさまが言った。るぅ姉、羨ましい! こんな可愛い子たちのママになるだなんて。

 るぅ姉はしばらく思案してから、バスケットごと雛たちを持ち上げた。顔を寄せて、にっこり笑う。

「コダマ、ヒカリ、ノゾミ、ツバサ、コマチ。元気に育ってね」

「ピルルーーッ」

「きゃっ」

 雛が一斉に羽をばたつかせた。るぅ姉の短い悲鳴が聞こえて、バスケットの中で光が生まれる。アントニオさんがおれを背中に隠したから、それ以上は見えなかったけど、騎士さまたちが剣に手をかける音が聞こえた。魔法使いさんのローブがはためく音もする。

「ママ、ママ。スキスキ」

「ピルピルー。ママー」

「ルリ、ルリ、ママ、ママ」

「ひゃあ、こら、頭に乗らないの!」

「ピヨ、ゴメンナサイ」

「んもう、ほらほら、いい子ちゃんたちはどこ?」

「ココ、ココ!」

「じゃあ、ママは大人の人たちと大事なお話をするから、静かにしていましょうね」

「ピヨ!」

 なんか会話してる!

 凄い、るぅ姉の言葉を理解してるんだ。ピヨ言っていた声が、ピタリと止んだ。

 光はゆっくりと収束して、おれはアントニオさんの後ろから身を乗り出した。

 るぅ姉が、腕や肩に鸚鵡のようなインコのような、色とりどりの美しい小鳥を侍らせていた。

「るぅ姉、怪我は無さそうだけど、光で目が痛いとか、体が怠いとかは無い?」

「全然平気。それよりこの子たち、育っちゃったけど?」

 動物実験⋯⋯と言ってしまうと胸がモヤモヤするけど、まぁ動物実験だ。仮説が実証されてしまったわけだ。魔鳥の卵が目の前で成鳥になったんだ。

 となると、次は人だろうか?

「魔力のない人間には何も起こらぬことは、玻璃で証明されている」

「そうですね、ハグは日常的にしてましたから」

 侍女さんトリオは髪を結ったりメイクしたりする程度だ。過度な接触ではない。魔力増幅も『気がする』程度みたいだし。

 考えてみたら、日本人の日常生活で、体が接触することってあんまりない。小さな子供の世話や介護の仕事は別として、ある程度の年齢になったら、挨拶のたびにハグなんてしないし、したとしてごく親しい相手だけだ。るぅ姉はシュザネット王国に彼氏はいないし、魔力のある人との接触って、魔女さまとエスコート役のミカエレさまくらいだ。

「ご領主様、ミカエレさまは何かおっしゃっていましたか?」

「⋯⋯あてにはならぬ。ルーリィとダンスをした後はのぼせ上がって、『今なら何でも出来る気がします』とか抜かしておったからの」

 ごめんなさい、ミカエレさま。思わぬ暴露をいただきました。るぅ姉に夢中だから、魔力の昂りと感情の昂りがいっしょくたなんだねぇ。

 魔法使いがひとり、進み出てきて恭しく頭を垂れた。階級は下の上だと言う女性で、付き添うようにとなりに立った魔法使いさんが、彼女を実験に使うよう申し出た。

 曰く、彼女は座学だけなら上の上、王城の魔術書を全て暗記していて、事務仕事を一手に引き受けている。他人の魔力暴走も媒体さえあれば落ち着いて処理できるが、本人の魔力がほとんどない、と言うことだ。

「万が一、魔力暴走しても、彼女なら抑える術を心得ております」

 魔法使いさんは頷くと、懐から大きな巾着を取り出して、中に入っていた幾つもの水晶を地面に並べ始めた。

「暴走した瞬間に作動します。ユサ暦編纂魔術書の魔導ハ・リルの章、千百八十六頁より始まる第十七章でございます」

 うん、天才馬鹿だ。他の魔法使いさんから、ヤレヤレ感がすごい。

 るぅ姉はご領主さまとブライトさまを見た。ふたりが頷いたので立ち上がり、急遽用意された植木鉢の木に、魔鳥たちを移した。

「新幹線ちゃん、ここで待っててね」

 やっぱりか! どっかで聞いたと思ったよ! シュザネットの皆さんは流しているけど、おれは流せないよ! おれの視線に気付いたるぅ姉が言った。

「つぎは特急シリーズかしらね」

 スーパービューオドリコは全力で止めるよ。

 姉弟しかわからないアホなやり取りを終わらせて、るぅ姉は魔法使いさんの前に立った。お互いにペコリとお辞儀をすると、魔法使いさんが深く被っていたフードを落とす。雀斑が散った頬に眼鏡を乗せた女の子だった。

「よろしくお願いします」

「こんな実験に付き合わせて申し訳ありません」

「とんでもない!」

 女の子は笑った。

「魔力の量も伸びしろがありそうだって言ってもらえましたし、ひとに頼むしか無かった実験も、これからは自分でできるかもしれないんですよ。魔力が増えなくても、知識は無くなりませんから、損はしません」

「⋯⋯分かりました。では失礼します」

 るぅ姉は断って女の子の後ろに回った。女の子を囲む水晶を跨ぎこして、背中からギュッとハグをする。

 魔法使いさんたちと、騎士さまのうちの数人、ヴァーリ団長、あとブライトさま。彼らが一様いちように息を飲んだ。おれには見えない変化が始まったんだろう。

「あらあらあら」

 女の子がぽやんと呟いている。

「蝶々姫、もう結構です」

 付き添い役の魔法使いに言われて、るぅ姉は女の子から離れた。るぅ姉も首を傾げている。おれと同じてさっぱり魔力が見えないので、何の変化も感じられないんだろう。

「ふわぁ、凄いです。魔力が膨れて結界石から出られません。落ち着くまで何時間かかかると思います」

 水晶の囲みから出ると、大変なことになるわけか。

 付き添いの魔法使いさんが、俺たちに場を離れるよう言った。彼女が結界から出られるようになるまで、室内で待機することになって、騎士団の詰所に移動した。

 アントニオさんがサッとパラソルを移動して女の子にかざしている。さすが侍従さん、気がきいている。椅子を結界の中に入れてもいいのかも聞いていた。騎士さまたちは慌てて、必要なものがないか女の子に尋ねていた。⋯⋯モテるモテないの差って、こんなところなんだろうな。魔法使いの女性が何人か、アントニオさんにポーッとなっている。

 るぅ姉は詰所で腰を落ち着けると、自分の両手をじっと見ていた。ご領主さまがその手を取って、まじまじと見ている。彼女には魔力がない。

「アレッシアは何も言うておらなんだがの」

 稀代の魔女が気づかぬ筈がない。けど、稀代の魔女だからこそ、大したことじゃ無かったのかも。

「玻璃、何か気になる?」

「魔女さまのこと⋯⋯。さっきの子の魔力を十として、魔女さまの魔力を千とします。十が十五になるのと千が千とんで五になるのとでは、感じ方が違いませんか?」

 それこそ、魔女様にとっては『今日は天気がいいから体が軽い』くらいの認識でしかないとか。

「そうね、魔女さま、わたしが近くにいると花が長持ちするとか、口紅の乗りが良いとか、言ってたわ」

 なんだそのラッキーアイテム的な扱い。魔女さまにとっては、ちょっと嬉しい程度の効果なんだ。大仰に騒ぎ立てることもない。

 でも、魔力を増やしたい人は?

 さっきの子みたいに、実験の役に立とうとする健気な心根の人なら良い。でも野心を持った人が魔力を増やしたら? 例えば、南国の鳥男。

「ねぇ、ブライトさま。エルメル・ダビ殿は、魔力を持ってる?」

 ブライトさまが息を飲んだ。るぅ姉がイヤそうに眉を寄せる。

「ダビ殿は炎の魔法使いじゃ」

 南国の鳥男、まんま火の鳥フェニックスかよ。

「彼はるぅ姉に王妃の座を約束しました。それも自分の妃としてです」

 おれの言葉に皆が身を固くした。王位簒奪の意思を表明している男が、るぅ姉を望む理由。それはなんだ?

「わたしが知らなかったわたしの体質を、あの男が知っていたと言うの?」

 珍しい異世界の蝶々姫。惑わしの森の魔女の養い子で女辺境伯爵の被後見人、そして王妃のお気に入り。それだけで、手に入れれば大きな後ろ盾になるだろう。けれど、あの胡散臭い微笑みが、それだけを狙っているとは思えない。

 だってあの男は。

「ぼくとるぅ姉を、ふたりで侍らせたいって言ったんです。るぅ姉ひとりだって、妻に迎えれば後ろ盾は充分なのに。ブライトさまを怒らせてまで、ぼくに声をかけるのはなぜでしょう?」

「それは⋯⋯」

 ただの王位簒奪なら、るぅ姉だけで良いはずだ。すでに足入れ婚まで済ませたおれにまで手を出すのは、何か根拠があるからだろう。

「玻璃は多分、魔力の貯蔵ができる体質なんだろう」

 なんですか、それ?

「わたしの魔力を、注いだら注いだ分だけ受け止めて、体調も崩さない。生きた魔硝石とも言える」

 魔硝石って、ランプとかに使う魔導燃料を込めた石だよね。おれ、石と同じわけ? 最中に酔っ払って、次の日ピカピカになるだけだ。それも自分では自覚も無い。

「貯蔵が出来ると、なにか問題でもあるんですか?」

「自由に引き出すことができれば、まとめて魔導砲の燃料などに変換が可能だな」

増幅機わたし貯蔵庫はーちゃん、同時に手に入れようってことですか」

「簒奪後、帝国からの離脱でも考えておるやも知れぬな」

「あんなシュザネットの目と鼻の先で?」

 離脱したところで、宗主国と属国に囲まれて四面楚歌だ。

「なんにせよ、まだ想像と予想の域を出ていない。陛下に報告して、騎士団の総力をあげてことに当たろう」
「ルーリィや、そなた王妃宮に匿っていただくが良い。他国の王族に求婚された身じゃ、誰も不自然には思うまいて」

 るぅ姉の実験から、シェランディアの王位簒奪計画まで話が広がってしまった。最初は何処だっけ? ハスキー犬野郎の逃亡からだったな。

「北の連邦国家も、繋がりを調べてください」

 るぅ姉が言い出した。

「エルメル・ダビがわたしに接触してきたのは、コンラッド・チェスターの逃亡先が、南である事を不審に思って調査を始めてからです。チェスター伯爵は法務大臣とともに、北と繋がりがあったとききました」

 るぅ姉が言いたいこと、なんかわかった気がする。

「それ、挟み撃ちされるかもってこと?」

 場が静まり返った。

 北の連邦国家とエルメル・ダビが、繋がっている。ダビが王位簒奪を成功させた暁には、南北からシュザネット王国に向けて進軍を開始する可能性があるってことだ。

 北とダビが仲良しなんて、今思いついた馬鹿げた想像だ。⋯⋯ホントに想像? だって皆、黙ったまま、顔が青い。

「内務省は、シェランディアに親書は送ったかや?」

「確認させましょう」

 ヴァーリ団長の目配せを受けて、騎士さまがふたり、場を離れた。緊急時はふたり一組が徹底されているって聞いたことある。騎士団は今この場を緊急事態と判断したってことだ。

 親書って、南国の鳥男がるぅ姉とおれに婚姻を申し込んだことへの、抗議と断りだよね。シェランディア王から突かれて、鳥男が逆ギレしたりしないかな。簒奪は杞憂で終わっても、婚姻を申し込んだのは事実だからさ。

「あの怪鳥けちょう、ほんとに迷惑ね」

「うん、南国の鳥男、誰か羽毟ってくれないかな」

 るぅ姉とおれがしみじみ言うと、誰かがブフッと吹き出した。

「怪鳥⋯⋯」

「南国の鳥⋯⋯」

「だって新幹線ちゃんたち、あんなに可愛いのに、エルメル・ダビは可愛さのかけらもないじゃ無い」

「そうだよね」

「あ、わたしも、賛成!」

 おれたちはアルノルドさんも加わって、モフモフを褒めたたえたのだった。

 現実逃避です、ごめんなさい。
 
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