53 / 95
かつての檻にて。
しおりを挟む
王太后様という人は、なんというか覇気のない人だった。クズ王の父上の奥さんだった人で、半ば軟禁されるように生きていたそうだ。
ヤンデレだったのか。前の王様。
夫が遺言に、影の一族に彼女の世話を一生するように、と書き残したおかげで生きながらえている。可哀想かと思ったらそうでもなかった。亡き夫の思い出に浸って夢の中に生きている。⋯⋯夫のヤンデレは彼女にとって、愛の証だったみたいだ。うわぁ、メリバのひとだった。
メイフェアさんが王太后様の護衛だったのは、前の王様が王太后様に男の護衛がつくことを嫌がって、腕の立つ女性を探し求めた結果だそうだ。武に長けた女性って、エーレィエン王国では殆ど聞かないもんね。
それにしても王太后様、気鬱の病とはよく言ったものだ。夢の世界の住人だけど、鬱ではないだろう。
ティシューは無事に解放されたけど、なぜかメイフェアさんが残った。王太后様が懐かしがって彼女を離さなかった⋯⋯。
のは、建前で。
「まさか王都で同族に会えるなんて」
メイフェアさんは、王妃の間に通された俺を訪ねてきた。⋯⋯王太后様を言いくるめて許可をもらったらしい。俺も、まさかこの檻のような部屋に帰ってくることになろうとは思わなかったけど、メイフェアさんも同じ感想を持っていそうだ。
俺より頭ひとつ背の高い、男装の麗人は爽やかに笑った。俺よりナンボか凛々しい。カッコ良すぎて嫉妬も湧かない。
「⋯⋯同族ってなんですか?」
軍務卿がレントのために手配した乳母は、俺の問いかけにキョトンと首を傾げた。黒目の割合が多くて、爽やかな美人が可愛い雰囲気になる。でも、カッコ良すぎてママみを感じない。どっちかと言うと
パパだな。
「迦陵頻伽の君、金糸雀姫、どちらで呼んだらいいのでしょうか? 麗しの鳥の歌姫よ」
鳥⋯⋯ピーちゃんかぁッ‼︎
メイフェアさんは鳥の民ってことか。鳥の要素は見当たらないんだけどな。目元は女性的な柔らかさに欠けるけど。おっとっと、これじゃセクハラだな。
「父が鳥の民なんです。わたしは人寄りに産まれましたが、兄は空を駆けますよ。美しい鷹です」
⋯⋯なるほど、目元が凛々しいのはその影響か。息子ちゃんの力強い眼差しは、お爺ちゃんから遺伝した猛禽類の眼なんだな。
「鳥類は嗅覚に優れている種類も多いんですよ。アリスレア夫人の魂から、同胞のニオイがします。それもかなり高位の神鳥ですね」
「⋯⋯肉体的には、純度百パーセントの人族です」
ピーちゃん、まさかの神の鳥。俺の魂、神様二柱もいるのかよ。ジェムの伝言聞いて、流石に全ての鳥の民はないだろって思ってたのに、鳥の神様ならそりゃそうだよな! おっさんが庶民すぎて切ないわッ。
「ティシューと帰ってくれてよかったのに。赤ちゃんとお兄ちゃんが待ってるよ」
「寂しい思いはさせますが、貴方様をおひとりにするわけには参りません。ケーニヒ様から大体の話は聞いております。⋯⋯それに、この半月、チビに乳をやれずにいましたら、枯れてしまいました。もう、乳母としてはお仕えできません」
微笑みが淋しげだった。
ゲスクズの野郎。こんなところにも被害が! 完全母乳にこだわる気はないが、授乳は母子の大事なスキンシップなんだぞ!
「ゲスクズ、いっぺん殴ってやらないと、気が済まねぇ」
思わず本音が⋯⋯。
「アリスレア夫人、随分やんちゃな方なんですね」
ヤベ。猫被り損ねた。メイフェアさんならいいか。無事に戻れたらレントの護衛として会うんだろうし、取り繕ってても仕方がない。
「メイフェアさんも結構やんちゃでしょ? 俺がゲスクズって言っても否定しないし、対象が誰だかもわかってるみたいだ」
「メイフェアとお呼びください。ふふ、私、ケーニヒ様の乳姉妹ですよ」
それすごい説得力だな。
「それに鳥の姫を見捨てて逃げたとなれば、全ての鳥の民の嘴に貫かれてしまいます」
鳥の民全てが嘴を持っているわけじゃないから比喩なんだろうけど、想像すると結構なスプラッタだな。
「じゃあ、せっかく一緒にいてくれるんだ。傾向と対策を練るのに付き合ってくれる?」
ゲス乳兄弟が引き止めているのか、城に来てからまだ、クズ王に会っていない。このお腹じゃ大太刀廻りはできないし、リリィナみたいに離宮で療養って手ももう使えない。寵姫が誘拐されたまんまなんだ。考え足らずのクズ王でも、流石に許可はしないだろう。
「ひとまず猫被っとくつもりだから、笑ったりしないでくれよな。アリスレアのふりするの意外と小っ恥ずかしいんだよ」
ゲスクズ、特にゲス乳兄弟が知っているアリスレアは、内務卿と財務卿の陰に隠れてぶるぶる震えているだけの、取るに足らぬ存在だろう。閨の支度も従順に受け入れて、毒杯すらも黙って口にする。
それが、アリスレア。
あれからまだ、一年も経っていない。今の俺とは正反対の姿しか、奴らは知らない。
「ふふ。先程、先触れが来ていましたね。どうしますか? すぐにここから逃げ出すことも可能ですよ」
なんだって?
ノープランな俺と違って、軍務卿の片腕になるかもしれなかった女性は実に頼もしい。そうか、王太后様が王妃だったころは、この部屋に住んでいたんだ。護衛だったメイフェアも出入りしていたはずだ、俺より構造に詳しいかもしれない。
「と言うより、逃げ出すことをお勧めします。城内は暗く澱んだ空気が蔓延しています。お身体に障ります」
そうなんだよなぁ。ねっとり重苦しい気配が充満していて息苦しいくらいだ。ここに住んでいたころって、よく平気で呼吸してたよなぁ。もう麻痺してたんだろう。それか暗黒神とやらが、最近になって活性化してきたとか?
すぐに逃げるのが良いに決まってるけど、もう少し時間が稼ぎたい。
「逃げたらヴィッツ侯爵邸に影の一族が差し向けられない? 騎士団は軍務卿の管轄だけど、王家は私兵を抱えてる。あの陰険ゲス野郎なら、大事な陛下がコケにされたらそれを動かすくらいするだろ。レントが三つ子ちゃんを無事に産むまでは、時間を稼ぎたいんだけど」
レントはもう動けないから、襲撃されてもあの場から逃げられない。ティシューが侯爵邸に帰ったから、明日か明後日には陣痛を促す薬湯を処方するだろう。イェンに祝福された三つ子ちゃんはあまり心配しなくても良いだろうけど、やっぱり心配だ。レントはそれに輪をかけて心配だけれど。
「あと三日、我慢しよう。レントはあなたの乳兄弟の奥さんだ。この先、貴方の主人にもなるんでしょう?」
「⋯⋯それもそうですね。あの方にもしもがあったらケーニヒ様がどうなることか、考えるだけで恐ろしいです」
惚気話を聞くに、十年かけてようやくくっついたらしい。そんな相手になにかあったら、あの獰猛なハイイログマは確実にブチ切れる。短い付き合いの俺でもそう思うんだ、メイフェアがどこか遠くを見るような眼差しで肩をすくめるのを見て、相当なんだろうと理解した。
ぴくん、とメイフェアがなにかに反応して、チラリと目配せしてきた。
よし、来やがったな!
バーンと扉が開いて、クズ王が登場した。
「待ちかねたぞ! でかした、妃よ。なかなか孕まなかったのは、僕が神の父になるための試練だったのだな‼︎」
⋯⋯阿呆がいる。
あっけに取られた俺は、顔だけは良いクズ王を見つめたのだった。
ヤンデレだったのか。前の王様。
夫が遺言に、影の一族に彼女の世話を一生するように、と書き残したおかげで生きながらえている。可哀想かと思ったらそうでもなかった。亡き夫の思い出に浸って夢の中に生きている。⋯⋯夫のヤンデレは彼女にとって、愛の証だったみたいだ。うわぁ、メリバのひとだった。
メイフェアさんが王太后様の護衛だったのは、前の王様が王太后様に男の護衛がつくことを嫌がって、腕の立つ女性を探し求めた結果だそうだ。武に長けた女性って、エーレィエン王国では殆ど聞かないもんね。
それにしても王太后様、気鬱の病とはよく言ったものだ。夢の世界の住人だけど、鬱ではないだろう。
ティシューは無事に解放されたけど、なぜかメイフェアさんが残った。王太后様が懐かしがって彼女を離さなかった⋯⋯。
のは、建前で。
「まさか王都で同族に会えるなんて」
メイフェアさんは、王妃の間に通された俺を訪ねてきた。⋯⋯王太后様を言いくるめて許可をもらったらしい。俺も、まさかこの檻のような部屋に帰ってくることになろうとは思わなかったけど、メイフェアさんも同じ感想を持っていそうだ。
俺より頭ひとつ背の高い、男装の麗人は爽やかに笑った。俺よりナンボか凛々しい。カッコ良すぎて嫉妬も湧かない。
「⋯⋯同族ってなんですか?」
軍務卿がレントのために手配した乳母は、俺の問いかけにキョトンと首を傾げた。黒目の割合が多くて、爽やかな美人が可愛い雰囲気になる。でも、カッコ良すぎてママみを感じない。どっちかと言うと
パパだな。
「迦陵頻伽の君、金糸雀姫、どちらで呼んだらいいのでしょうか? 麗しの鳥の歌姫よ」
鳥⋯⋯ピーちゃんかぁッ‼︎
メイフェアさんは鳥の民ってことか。鳥の要素は見当たらないんだけどな。目元は女性的な柔らかさに欠けるけど。おっとっと、これじゃセクハラだな。
「父が鳥の民なんです。わたしは人寄りに産まれましたが、兄は空を駆けますよ。美しい鷹です」
⋯⋯なるほど、目元が凛々しいのはその影響か。息子ちゃんの力強い眼差しは、お爺ちゃんから遺伝した猛禽類の眼なんだな。
「鳥類は嗅覚に優れている種類も多いんですよ。アリスレア夫人の魂から、同胞のニオイがします。それもかなり高位の神鳥ですね」
「⋯⋯肉体的には、純度百パーセントの人族です」
ピーちゃん、まさかの神の鳥。俺の魂、神様二柱もいるのかよ。ジェムの伝言聞いて、流石に全ての鳥の民はないだろって思ってたのに、鳥の神様ならそりゃそうだよな! おっさんが庶民すぎて切ないわッ。
「ティシューと帰ってくれてよかったのに。赤ちゃんとお兄ちゃんが待ってるよ」
「寂しい思いはさせますが、貴方様をおひとりにするわけには参りません。ケーニヒ様から大体の話は聞いております。⋯⋯それに、この半月、チビに乳をやれずにいましたら、枯れてしまいました。もう、乳母としてはお仕えできません」
微笑みが淋しげだった。
ゲスクズの野郎。こんなところにも被害が! 完全母乳にこだわる気はないが、授乳は母子の大事なスキンシップなんだぞ!
「ゲスクズ、いっぺん殴ってやらないと、気が済まねぇ」
思わず本音が⋯⋯。
「アリスレア夫人、随分やんちゃな方なんですね」
ヤベ。猫被り損ねた。メイフェアさんならいいか。無事に戻れたらレントの護衛として会うんだろうし、取り繕ってても仕方がない。
「メイフェアさんも結構やんちゃでしょ? 俺がゲスクズって言っても否定しないし、対象が誰だかもわかってるみたいだ」
「メイフェアとお呼びください。ふふ、私、ケーニヒ様の乳姉妹ですよ」
それすごい説得力だな。
「それに鳥の姫を見捨てて逃げたとなれば、全ての鳥の民の嘴に貫かれてしまいます」
鳥の民全てが嘴を持っているわけじゃないから比喩なんだろうけど、想像すると結構なスプラッタだな。
「じゃあ、せっかく一緒にいてくれるんだ。傾向と対策を練るのに付き合ってくれる?」
ゲス乳兄弟が引き止めているのか、城に来てからまだ、クズ王に会っていない。このお腹じゃ大太刀廻りはできないし、リリィナみたいに離宮で療養って手ももう使えない。寵姫が誘拐されたまんまなんだ。考え足らずのクズ王でも、流石に許可はしないだろう。
「ひとまず猫被っとくつもりだから、笑ったりしないでくれよな。アリスレアのふりするの意外と小っ恥ずかしいんだよ」
ゲスクズ、特にゲス乳兄弟が知っているアリスレアは、内務卿と財務卿の陰に隠れてぶるぶる震えているだけの、取るに足らぬ存在だろう。閨の支度も従順に受け入れて、毒杯すらも黙って口にする。
それが、アリスレア。
あれからまだ、一年も経っていない。今の俺とは正反対の姿しか、奴らは知らない。
「ふふ。先程、先触れが来ていましたね。どうしますか? すぐにここから逃げ出すことも可能ですよ」
なんだって?
ノープランな俺と違って、軍務卿の片腕になるかもしれなかった女性は実に頼もしい。そうか、王太后様が王妃だったころは、この部屋に住んでいたんだ。護衛だったメイフェアも出入りしていたはずだ、俺より構造に詳しいかもしれない。
「と言うより、逃げ出すことをお勧めします。城内は暗く澱んだ空気が蔓延しています。お身体に障ります」
そうなんだよなぁ。ねっとり重苦しい気配が充満していて息苦しいくらいだ。ここに住んでいたころって、よく平気で呼吸してたよなぁ。もう麻痺してたんだろう。それか暗黒神とやらが、最近になって活性化してきたとか?
すぐに逃げるのが良いに決まってるけど、もう少し時間が稼ぎたい。
「逃げたらヴィッツ侯爵邸に影の一族が差し向けられない? 騎士団は軍務卿の管轄だけど、王家は私兵を抱えてる。あの陰険ゲス野郎なら、大事な陛下がコケにされたらそれを動かすくらいするだろ。レントが三つ子ちゃんを無事に産むまでは、時間を稼ぎたいんだけど」
レントはもう動けないから、襲撃されてもあの場から逃げられない。ティシューが侯爵邸に帰ったから、明日か明後日には陣痛を促す薬湯を処方するだろう。イェンに祝福された三つ子ちゃんはあまり心配しなくても良いだろうけど、やっぱり心配だ。レントはそれに輪をかけて心配だけれど。
「あと三日、我慢しよう。レントはあなたの乳兄弟の奥さんだ。この先、貴方の主人にもなるんでしょう?」
「⋯⋯それもそうですね。あの方にもしもがあったらケーニヒ様がどうなることか、考えるだけで恐ろしいです」
惚気話を聞くに、十年かけてようやくくっついたらしい。そんな相手になにかあったら、あの獰猛なハイイログマは確実にブチ切れる。短い付き合いの俺でもそう思うんだ、メイフェアがどこか遠くを見るような眼差しで肩をすくめるのを見て、相当なんだろうと理解した。
ぴくん、とメイフェアがなにかに反応して、チラリと目配せしてきた。
よし、来やがったな!
バーンと扉が開いて、クズ王が登場した。
「待ちかねたぞ! でかした、妃よ。なかなか孕まなかったのは、僕が神の父になるための試練だったのだな‼︎」
⋯⋯阿呆がいる。
あっけに取られた俺は、顔だけは良いクズ王を見つめたのだった。
84
お気に入りに追加
2,425
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる