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7 肩書きよりも大切な物
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キュンッ
私の胸がユリウス大臣の言葉に反応する。
「えーーー・・・残念」
二階にいたアテネシア王女がそう呟くと、アドルド王子が再び焦った顔をする。
「ぬっ」
「だめですか!?」
ユリウス大臣がアドルド王子を再び見ながら、叫ぶ。ただ、ユリウス大臣が目線を私からアドルド王子に変えた時、私はユリウス大臣が私と見つめ合うのが照れて目線を逸らした気がした。
「ならぬっ!!」
アドルド王子が血相を変えて叫び返す。
「なんで、ですか!?」
そうユリウス大臣が尋ねると、余裕を取り戻したかのようにアドルド王子が笑う。
「それはだなっ、この国の女は全て俺のものだからだっ!!」
胸を張るアドルド王子。
(アドルド王子のものなんて御免よ・・・)
「そんなわけがないだろう。女性はキミのものじゃない。女性自身のものだ」
「んだとっ!?」
「あらあら・・・」
アドルド王子はアテネシア王女の言葉を聞いて、
「いくら、乳母兄弟のお前と言っても俺に歯向かう男は許さん。この国からでていけっ」
と言葉を強める。その言葉を聞いて黙っていられる私ではなかった。
「ちょっと、待ちなさいよアドルド・・・王子。ユリウス大臣はこの国の大臣で貴方のお父様、現国王の右腕よ?いくら貴方でもそんなことを決められるはずがないわ。それに、ユリウス大臣がこの国の貯蓄の管理を行っているんだから・・・っ」
「ええい、うるさい。黙れっ。お前もでていけっ」
自分の思い通りにならなければ、聞く耳持たない様子だった。
「私はいいけど、ユリウス大臣はこの国の・・・っ」
私が言葉をつづけようとすると、ユリウス大臣は「ありがとう」と言って私に近づいてきた。
「じゃあ、僕らは出ていきます。お世話になりましたっ!」
ニコっとしながら、ユリウス大臣が言うと、その笑顔が気に食わなかった天邪鬼のアドルド王子が、言い換えようとしていると、
「えーーー、いなくなっちゃうのーーー。さみしいーーーっ」
隣のアテネシア王女が残念がっているのを見て、
「あぁ、行ってしまえっ。二度と帰ってくるなっ!!」
とそのまま出ていくように言った。きっと、自分もこそこそと浮気をしていた身として、アテネシア王女の移り気の機微にも敏感なようだ。きっとユリウス大臣に取られてしまうことを恐れたに違いない。
「あっ、アドルド王子。一つ魔法についての言っておかなければならないことがっ!!」
私は魔法の責任をアドルド王子と取ると決めて大魔法を執行したので、騙されたと言ってもそれだけはやらないと民が困ると思って声を上げる。
「ええい、うるさい、さっさと行けっ。行かなくば、弓で今度こそ撃ち殺すぞ」
「いいよ、ほっとこう」
「でも・・・」
「大丈夫、君の能力のことはちゃんと把握しているから」
私はユリウス大臣に連れられて、王宮を出て、町を出て、そして、王宮から見た地平線の彼方へと向かうのであった。
自分で魔法を展開しておいて、なんだけれど、自然の全てに祝福されながら国を出て行く気分になるくらい華々しい景色が広がっていた。
私の胸がユリウス大臣の言葉に反応する。
「えーーー・・・残念」
二階にいたアテネシア王女がそう呟くと、アドルド王子が再び焦った顔をする。
「ぬっ」
「だめですか!?」
ユリウス大臣がアドルド王子を再び見ながら、叫ぶ。ただ、ユリウス大臣が目線を私からアドルド王子に変えた時、私はユリウス大臣が私と見つめ合うのが照れて目線を逸らした気がした。
「ならぬっ!!」
アドルド王子が血相を変えて叫び返す。
「なんで、ですか!?」
そうユリウス大臣が尋ねると、余裕を取り戻したかのようにアドルド王子が笑う。
「それはだなっ、この国の女は全て俺のものだからだっ!!」
胸を張るアドルド王子。
(アドルド王子のものなんて御免よ・・・)
「そんなわけがないだろう。女性はキミのものじゃない。女性自身のものだ」
「んだとっ!?」
「あらあら・・・」
アドルド王子はアテネシア王女の言葉を聞いて、
「いくら、乳母兄弟のお前と言っても俺に歯向かう男は許さん。この国からでていけっ」
と言葉を強める。その言葉を聞いて黙っていられる私ではなかった。
「ちょっと、待ちなさいよアドルド・・・王子。ユリウス大臣はこの国の大臣で貴方のお父様、現国王の右腕よ?いくら貴方でもそんなことを決められるはずがないわ。それに、ユリウス大臣がこの国の貯蓄の管理を行っているんだから・・・っ」
「ええい、うるさい。黙れっ。お前もでていけっ」
自分の思い通りにならなければ、聞く耳持たない様子だった。
「私はいいけど、ユリウス大臣はこの国の・・・っ」
私が言葉をつづけようとすると、ユリウス大臣は「ありがとう」と言って私に近づいてきた。
「じゃあ、僕らは出ていきます。お世話になりましたっ!」
ニコっとしながら、ユリウス大臣が言うと、その笑顔が気に食わなかった天邪鬼のアドルド王子が、言い換えようとしていると、
「えーーー、いなくなっちゃうのーーー。さみしいーーーっ」
隣のアテネシア王女が残念がっているのを見て、
「あぁ、行ってしまえっ。二度と帰ってくるなっ!!」
とそのまま出ていくように言った。きっと、自分もこそこそと浮気をしていた身として、アテネシア王女の移り気の機微にも敏感なようだ。きっとユリウス大臣に取られてしまうことを恐れたに違いない。
「あっ、アドルド王子。一つ魔法についての言っておかなければならないことがっ!!」
私は魔法の責任をアドルド王子と取ると決めて大魔法を執行したので、騙されたと言ってもそれだけはやらないと民が困ると思って声を上げる。
「ええい、うるさい、さっさと行けっ。行かなくば、弓で今度こそ撃ち殺すぞ」
「いいよ、ほっとこう」
「でも・・・」
「大丈夫、君の能力のことはちゃんと把握しているから」
私はユリウス大臣に連れられて、王宮を出て、町を出て、そして、王宮から見た地平線の彼方へと向かうのであった。
自分で魔法を展開しておいて、なんだけれど、自然の全てに祝福されながら国を出て行く気分になるくらい華々しい景色が広がっていた。
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