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本編
7話 威圧の怒髪天娘 強襲
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「はい、じゃあ、今日も転校生を紹介します」
「えええええっ」
新田先生の言葉にクラスメイトが驚き、騒ぐ。
昨日は廊下で聞いていたけれど、教室の中はこんなに騒がしかったのだなと周りを見渡す。
みんな、こんな風に目を輝かせてわくわくしていたんだと思うと、昨日は僕なんかで申し訳なかったとなんだかいたたまれない気持ちになる。
「先生、今度は女の子ですかっ!?てか、女の子にしてください。男の子の場合は子を娘にして男の娘にしてください」
「それは無理だろ、田畠っ。てか、先生にその意味わかんねーよっ。はははっ」
二人前の席の田畠が「そうだった」と言いながら、再び小ボケをすると、クラスの男子中心に明るい笑いに包まれる。
「こほんっ、静かに。性別で人を判断してはいけませんし、田畠君、駄目でしょ、そんな言い方。廊下で待っている転校生が入りづらいと思うでしょ?」
「はーい、すいませんでした。なぁなぁ、今の言い方だとまた野郎かな?真司」
田畠は口先だけ謝罪して、すぐさま先生の言葉から入ってくる転校生を推測して隣にいた真司という男の子とニタニタ笑いながら喋る。
そして、ギロっと僕の方を見てくる。
よっぽど、僕の存在がお気に召さないようだ。
「ねぇねぇ、エイトきゅんっ!!転校生だって!楽しみだね!!」
「うん・・・そうだねっ」
(はははっ、それにしても、まさかな・・・。田畠が言うように先生の言い方も男の子っぽいし・・・)
転校生が連続して同じクラスに入るなんて言うのも驚きだけど、それも二日連続なんて理屈に合わない。
それに、僕と同じようにゴールデンウィーク明けではなく、僕が転校した翌日の平日に転入する理由も理屈がわからない。
ブルッ
思わず身震いしてしまうけど、そんな偶然、いや奇跡のようなことがあるはずがない、と考え直す。
ただ・・・一人。
そんな色んな理屈を捻じ曲げる女の子を一人知っているけれど、そんなことは・・・。
バンッ
待ちきれなかった転校生は思いっきり扉を開け、扉も閉めずに教壇へ登る。その吊り上がって自信に満ち溢れた目はターゲットを探し、僕と目があうと不敵に笑う。
「ニシシシっ。おっす、えいと。久しぶりだなっ」
(あちゃーーーーーーっ)
「あれっ、エイトきゅん。知り合い?」
目線を逸らした僕に隣の席の涼葉さんが声をかけてくる。
「うっ、うっ、うん。まぁ・・・っ」
新田先生が段取り通りにするように指示したのを無視したことや、みんなに自己紹介をするように言っているにも関わらず、先生の隣で黒板の前でジャンプをしながら手を振って、「おーい、えいと。おーいっ!!」と僕の名前を無神経に連呼しているよく知っている女の子・・・。
いや、腐れ縁に頭を抱えたくなる。
今日は視線を集めまいと決めていた僕のクラスメイトの目が2日連続で僕に集まる。
(せっかく、姉ちゃんに癒してもらって元気になったのに・・・)
お腹が痛くなる。
「おいおいおいおいっ、シカトすんなよっ、えいとっ!!」
小さい身体のくせに肩で風を切りながら、ずかずか近寄ってくるそいつは、セミロングの髪を縛った赤いポニーテールを重力に逆らわせて、鋭利に天に衝こうとしている。
こんな「威圧の怒髪天」を持っている奴は一人しかいない。
「オッスっ、シカトするなんていい身分になったねっ。え・い・とくん」
笑っているけれど、そのアンテナを見れば怒っていることは僕にはわかる。
僕には通じないはずの威圧の能力だって、身体がその恐怖を覚えていて、震える。
「おはようございますっ、アヤカっ!!」
「うんうん、くるしゅうない、くるしゅうない顔をあげたまえ、えいと」
自称身長165センチ(怒髪天時)、実際は148センチのアヤカがない胸を張りながら優越感に浸っている。地元のわがまま女王、龍宮寺朱夏。
僕の幼馴染だ。
「えええええっ」
新田先生の言葉にクラスメイトが驚き、騒ぐ。
昨日は廊下で聞いていたけれど、教室の中はこんなに騒がしかったのだなと周りを見渡す。
みんな、こんな風に目を輝かせてわくわくしていたんだと思うと、昨日は僕なんかで申し訳なかったとなんだかいたたまれない気持ちになる。
「先生、今度は女の子ですかっ!?てか、女の子にしてください。男の子の場合は子を娘にして男の娘にしてください」
「それは無理だろ、田畠っ。てか、先生にその意味わかんねーよっ。はははっ」
二人前の席の田畠が「そうだった」と言いながら、再び小ボケをすると、クラスの男子中心に明るい笑いに包まれる。
「こほんっ、静かに。性別で人を判断してはいけませんし、田畠君、駄目でしょ、そんな言い方。廊下で待っている転校生が入りづらいと思うでしょ?」
「はーい、すいませんでした。なぁなぁ、今の言い方だとまた野郎かな?真司」
田畠は口先だけ謝罪して、すぐさま先生の言葉から入ってくる転校生を推測して隣にいた真司という男の子とニタニタ笑いながら喋る。
そして、ギロっと僕の方を見てくる。
よっぽど、僕の存在がお気に召さないようだ。
「ねぇねぇ、エイトきゅんっ!!転校生だって!楽しみだね!!」
「うん・・・そうだねっ」
(はははっ、それにしても、まさかな・・・。田畠が言うように先生の言い方も男の子っぽいし・・・)
転校生が連続して同じクラスに入るなんて言うのも驚きだけど、それも二日連続なんて理屈に合わない。
それに、僕と同じようにゴールデンウィーク明けではなく、僕が転校した翌日の平日に転入する理由も理屈がわからない。
ブルッ
思わず身震いしてしまうけど、そんな偶然、いや奇跡のようなことがあるはずがない、と考え直す。
ただ・・・一人。
そんな色んな理屈を捻じ曲げる女の子を一人知っているけれど、そんなことは・・・。
バンッ
待ちきれなかった転校生は思いっきり扉を開け、扉も閉めずに教壇へ登る。その吊り上がって自信に満ち溢れた目はターゲットを探し、僕と目があうと不敵に笑う。
「ニシシシっ。おっす、えいと。久しぶりだなっ」
(あちゃーーーーーーっ)
「あれっ、エイトきゅん。知り合い?」
目線を逸らした僕に隣の席の涼葉さんが声をかけてくる。
「うっ、うっ、うん。まぁ・・・っ」
新田先生が段取り通りにするように指示したのを無視したことや、みんなに自己紹介をするように言っているにも関わらず、先生の隣で黒板の前でジャンプをしながら手を振って、「おーい、えいと。おーいっ!!」と僕の名前を無神経に連呼しているよく知っている女の子・・・。
いや、腐れ縁に頭を抱えたくなる。
今日は視線を集めまいと決めていた僕のクラスメイトの目が2日連続で僕に集まる。
(せっかく、姉ちゃんに癒してもらって元気になったのに・・・)
お腹が痛くなる。
「おいおいおいおいっ、シカトすんなよっ、えいとっ!!」
小さい身体のくせに肩で風を切りながら、ずかずか近寄ってくるそいつは、セミロングの髪を縛った赤いポニーテールを重力に逆らわせて、鋭利に天に衝こうとしている。
こんな「威圧の怒髪天」を持っている奴は一人しかいない。
「オッスっ、シカトするなんていい身分になったねっ。え・い・とくん」
笑っているけれど、そのアンテナを見れば怒っていることは僕にはわかる。
僕には通じないはずの威圧の能力だって、身体がその恐怖を覚えていて、震える。
「おはようございますっ、アヤカっ!!」
「うんうん、くるしゅうない、くるしゅうない顔をあげたまえ、えいと」
自称身長165センチ(怒髪天時)、実際は148センチのアヤカがない胸を張りながら優越感に浸っている。地元のわがまま女王、龍宮寺朱夏。
僕の幼馴染だ。
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