4 / 5
4
しおりを挟む
「さて・・・」
「お休みになりますか?」
見通しの良い高い場所で、俺は腰に手を当てながら天国を見渡していると、天使が質問してきた。
「そうだな・・・・・・疲れは全くないけれど、一回休むか」
何をするかを考える時間も必要だ。
ふーっ、まったく、遊ぶのも楽じゃないぜ。
「よし、寝よう」
苦みのないゴーヤチャンプルーはあまり好きじゃないが、疲れていなくても寝るのが俺の至福の時間。
「えーーーっ」
天使が信じられないと言う顔をしてきた。出会った時は最悪の出会いだったけれど、一緒に遊んで二人の距離は縮まったと思っていたのに、一番大事な部分は折り合いがつかないようだ。
(寂しいが・・・美少女とはそういうものだ)
「じゃあ、おやすみ・・・」
どこもが綺麗な天国。
俺はその場で横になり、目を閉じる。天使の視線を感じるが、さすがにさっきのようなことはしてこない・・・・・・
「だああああああっ!!!!」
「あっ、起きました?」
「なんなんだっ!? これはっ!!!?」
俺は脂汗だらだらで、服もびしょびしょになってかなり不快だった。
「だって、ここは天国ですよ?」
「だからなんだっ!?」
今度は、天使が後ろで手を組み、教師かコンサルタントのように胸を張り、歩きながら横目で俺を見て、
「天国が最高なのだから、そこから目を背ければ地獄。当たり前じゃないですか」
と当然のように笑顔で言った。その顔は慈愛に満ちていたのかもしれない。
「ふぇえええ!? ちょっと、及川さんっ!!! なんで、膝まづいてるんですか!!?」
俺はショックで膝まづいていた。
「ちっきしょーーーっ。なんだよこれっ!!!」
俺は天国の地面を叩くけれど、手を傷つけないように天国の地面はふわっふわして、肩透かしな感じだった。
「・・・及川さん?」
「みんなのためによぉ、はたらいてよぉ、いなくても問題ないとかよぉ、それよか、俺がいない方がみんなが幸せだとかよぉ・・・・・・」
「まっ、まぁ・・・・・・気持ちはわかりますけど、ねっ、元気出して行きましょうよ?」
「やりがいを奪ってよぉ、今度はよぉ、俺の唯一の幸せをよぉ奪ってよぉ・・・・・・楽しいか?」
俺がジト目で見ると、
「えっ、あっ、ちょっと、そんなことは・・・・・・あっ、そうですよ、唯一がダメになった分、それ以外が幸せになったんですよ、ほら、ハッピーじゃないですかぁ」
「人間、そんなに合理的に考えられんのよぉ。わかるやろ、天使はん」
「なんで、急に関西弁?」
俺はどうやったら、絶望して体操座りをして、悲しい歌を口ずさんだ。
「おーい、及川さん。帰って来て下さいよぉーーーーっ。おーいっ」
天使の声は遠く感じた。
立ち退きを強いられた人の気持ちがようやくわかった。
いいお金を貰えても、今までの素晴らしい思い出は金で買えない。取り戻せない。
「わっ、わかりましたよっ」
俺は天使が良いことを言うっぽかったから、彼女の顔を見る。彼女はなぜか少し怒った感じで、それでいて顔を赤らめて恥ずかしがっているようだった。
「ほらっ」
天使は正座をした。
「土下座か?」
「しませんっ!!」
あぁ、良かった。美少女に土下座をさせて喜ぶ趣味は俺にはない。俺は人を喜ばせる側の人間なのだから。天使は俺を見ながら、自分の太ももを両手で軽く叩いた。どうやら、俺に来いと言っているようだ。近づくと、頭を置くように案内された。
「・・・寝てみてください」
照れた天使を下から見ると、天使の顔はとても赤くなり、そっぽを向いた。俺はその顔を見ていたかったが、天使が本当に嫌そうだったので、俺は静かに目を閉じる。
(あれっ・・・俺、天使の顔を見ていたいなんて・・・思って・・・・・・・・・・・・)
とても心地よかった。
何も・・・・・・・・・考えたくない・・・・・・
俺は・・・・・・脳を休め、心でその心地よさを感じた。
「お休みになりますか?」
見通しの良い高い場所で、俺は腰に手を当てながら天国を見渡していると、天使が質問してきた。
「そうだな・・・・・・疲れは全くないけれど、一回休むか」
何をするかを考える時間も必要だ。
ふーっ、まったく、遊ぶのも楽じゃないぜ。
「よし、寝よう」
苦みのないゴーヤチャンプルーはあまり好きじゃないが、疲れていなくても寝るのが俺の至福の時間。
「えーーーっ」
天使が信じられないと言う顔をしてきた。出会った時は最悪の出会いだったけれど、一緒に遊んで二人の距離は縮まったと思っていたのに、一番大事な部分は折り合いがつかないようだ。
(寂しいが・・・美少女とはそういうものだ)
「じゃあ、おやすみ・・・」
どこもが綺麗な天国。
俺はその場で横になり、目を閉じる。天使の視線を感じるが、さすがにさっきのようなことはしてこない・・・・・・
「だああああああっ!!!!」
「あっ、起きました?」
「なんなんだっ!? これはっ!!!?」
俺は脂汗だらだらで、服もびしょびしょになってかなり不快だった。
「だって、ここは天国ですよ?」
「だからなんだっ!?」
今度は、天使が後ろで手を組み、教師かコンサルタントのように胸を張り、歩きながら横目で俺を見て、
「天国が最高なのだから、そこから目を背ければ地獄。当たり前じゃないですか」
と当然のように笑顔で言った。その顔は慈愛に満ちていたのかもしれない。
「ふぇえええ!? ちょっと、及川さんっ!!! なんで、膝まづいてるんですか!!?」
俺はショックで膝まづいていた。
「ちっきしょーーーっ。なんだよこれっ!!!」
俺は天国の地面を叩くけれど、手を傷つけないように天国の地面はふわっふわして、肩透かしな感じだった。
「・・・及川さん?」
「みんなのためによぉ、はたらいてよぉ、いなくても問題ないとかよぉ、それよか、俺がいない方がみんなが幸せだとかよぉ・・・・・・」
「まっ、まぁ・・・・・・気持ちはわかりますけど、ねっ、元気出して行きましょうよ?」
「やりがいを奪ってよぉ、今度はよぉ、俺の唯一の幸せをよぉ奪ってよぉ・・・・・・楽しいか?」
俺がジト目で見ると、
「えっ、あっ、ちょっと、そんなことは・・・・・・あっ、そうですよ、唯一がダメになった分、それ以外が幸せになったんですよ、ほら、ハッピーじゃないですかぁ」
「人間、そんなに合理的に考えられんのよぉ。わかるやろ、天使はん」
「なんで、急に関西弁?」
俺はどうやったら、絶望して体操座りをして、悲しい歌を口ずさんだ。
「おーい、及川さん。帰って来て下さいよぉーーーーっ。おーいっ」
天使の声は遠く感じた。
立ち退きを強いられた人の気持ちがようやくわかった。
いいお金を貰えても、今までの素晴らしい思い出は金で買えない。取り戻せない。
「わっ、わかりましたよっ」
俺は天使が良いことを言うっぽかったから、彼女の顔を見る。彼女はなぜか少し怒った感じで、それでいて顔を赤らめて恥ずかしがっているようだった。
「ほらっ」
天使は正座をした。
「土下座か?」
「しませんっ!!」
あぁ、良かった。美少女に土下座をさせて喜ぶ趣味は俺にはない。俺は人を喜ばせる側の人間なのだから。天使は俺を見ながら、自分の太ももを両手で軽く叩いた。どうやら、俺に来いと言っているようだ。近づくと、頭を置くように案内された。
「・・・寝てみてください」
照れた天使を下から見ると、天使の顔はとても赤くなり、そっぽを向いた。俺はその顔を見ていたかったが、天使が本当に嫌そうだったので、俺は静かに目を閉じる。
(あれっ・・・俺、天使の顔を見ていたいなんて・・・思って・・・・・・・・・・・・)
とても心地よかった。
何も・・・・・・・・・考えたくない・・・・・・
俺は・・・・・・脳を休め、心でその心地よさを感じた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
秘密部 〜人々のひみつ〜
ベアりんぐ
ライト文芸
ただひたすらに過ぎてゆく日常の中で、ある出会いが、ある言葉が、いままで見てきた世界を、変えることがある。ある日一つのミスから生まれた出会いから、変な部活動に入ることになり?………ただ漠然と生きていた高校生、相葉真也の「普通」の日常が変わっていく!!非日常系日常物語、開幕です。
01
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【完結】ある神父の恋
真守 輪
ライト文芸
大人の俺だが、イマジナリーフレンド(架空の友人)がいる。
そんな俺に、彼らはある予言をする。
それは「神父になること」と「恋をすること」
神父になりたいと思った時から、俺は、生涯独身でいるつもりだった。だからこそ、神学校に入る前に恋人とは別れたのだ。
そんな俺のところへ、人見知りの美しい少女が現れた。
何気なく俺が言ったことで、彼女は過敏に反応して、耳まで赤く染まる。
なんてことだ。
これでは、俺が小さな女の子に手出しする悪いおじさんみたいじゃないか。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ボイス~常識外れの三人~
Yamato
ライト文芸
29歳の山咲 伸一と30歳の下田 晴美と同級生の尾美 悦子
会社の社員とアルバイト。
北海道の田舎から上京した伸一。
東京生まれで中小企業の社長の娘 晴美。
同じく東京生まれで美人で、スタイルのよい悦子。
伸一は、甲斐性持ち男気溢れる凡庸な風貌。
晴美は、派手で美しい外見で勝気。
悦子はモデルのような顔とスタイルで、遊んでる男は多数いる。
伸一の勤める会社にアルバイトとして入ってきた二人。
晴美は伸一と東京駅でケンカした相手。
最悪な出会いで嫌悪感しかなかった。
しかし、友人の尾美 悦子は伸一に興味を抱く。
それまで遊んでいた悦子は、伸一によって初めて自分が求めていた男性だと知りのめり込む。
一方で、晴美は遊び人である影山 時弘に引っ掛かり、身体だけでなく心もボロボロにされた。
悦子は、晴美をなんとか救おうと試みるが時弘の巧みな話術で挫折する。
伸一の手助けを借りて、なんとか引き離したが晴美は今度は伸一に心を寄せるようになる。
それを知った悦子は晴美と敵対するようになり、伸一の傍を離れないようになった。
絶対に譲らない二人。しかし、どこかで悲しむ心もあった。
どちらかに決めてほしい二人の問い詰めに、伸一は人を愛せない過去の事情により答えられないと話す。
それを知った悦子は驚きの提案を二人にする。
三人の想いはどうなるのか?
ユメ/うつつ
hana4
ライト文芸
例えばここからが本編だったとしたら、プロローグにも満たない俺らはきっと短く纏められて、誰かの些細な回想シーンの一部でしかないのかもしれない。
もし俺の人生が誰かの創作物だったなら、この記憶も全部、比喩表現なのだろう。
それかこれが夢であるのならば、いつまでも醒めないままでいたかった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
いつか『幸せ』になる!
峠 凪
ライト文芸
ある日仲良し4人組の女の子達が異世界に勇者や聖女、賢者として国を守る為に呼ばれた。4人の内3人は勇者といった称号を持っていたが、1人は何もなく、代わりに『魔』属性を含む魔法が使えた。その国、否、世界では『魔』は魔王等の人に害をなすとされる者達のみが使える属性だった。
基本、『魔』属性を持つ女の子視点です。
※過激な表現を入れる予定です。苦手な方は注意して下さい。
暫く更新が不定期になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる