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 活気づいた町。
 私が歩いていると、商人も農民も職人も生き生きと働いておりました。そして、ついつい自分の母国に活かせることはないかと思考を巡らせてしまい、しっかりと楽しんでリフレッシュしようと思い、いくつかのファーストフードをいただきました。

「ヴィクトリア王妃ではございませんか」

 平民街で思いもかけない方にお会いしました。

「これはこれは・・・。お久しぶりです、エリック王子」

 私が深々とお辞儀をすると、エリック王子も丁寧にお辞儀をし返してくださいました。エリック王子は大臣と護衛を連れていらっしゃり、その方々に二人で話したいからと合図を送り、その場で待機させました。

「危ない」

「きゃっ」

 馬車が来たのをエリック王子に守っていただきました。

「あっ、ありがとうございます」

「治安維持には努めておりますが、貴女のようなお美しい方が一人で歩くのは・・・・・・」

 そう言って、私を心配しながら首を振るエリック王子。青い瞳と金色のサラサラした髪がとても綺麗でした。

「レオナード王子はどこですか? 彼にも挨拶をしなければ」

 気まずい。

「王子・・・・・・お心遣い賜り誠にありがとうございます。ですが、私は王妃ではございません。ただのヴィクトリアにございます」

「なんとっ!!」

 エリック王子の青い瞳がさらに輝いた気がしますが、王子は慌てて、

「・・・・・・失礼。つまり、大変言いづらいのですが、その・・・・・・」

「はい。レオナード王子と離縁しました」

 もう、レオナード王子への未練はまったくないので、私はきっぱりとそう伝えました。私はそう伝えて、私ごときに礼を尽くそうとしてくださったエリック王子に改めてお詫びの意味を込めて、お辞儀をしようとすると、エリック王子は私の両手を握り締め、片膝を地面につけて、私を見上げます。

「エッ、エリック王子っ!?」

 私ははしたなくも、動揺して声を荒げてしまいました。今や貴族というのも怪しい身分の私に対して、この国のトップが跪かせたとあっては、失礼極まりないと思ったからです。

「こんなことを言っては、はしたないのは重々承知なのだが、それは私にとって朗報だ。ヴィクトリア・・・・・・私と結婚してほしい」

 エリック王子の潤んだ青い瞳は綺麗な海のようでした。私は今何が起きているのか分からず動揺してエリック王子が連れていた大臣や護衛も見ましたが、彼らも動揺せずに何なら、嬉しそうに涙を流している大臣までいて、意味が分かりませんでした。
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