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恋し焦がれた星を手放す日
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こんな日が来るなんて思いもしなかった。
未熟な私にも二本の腕がある。
そしてその両の手にはそれぞれ未熟ながらも光る星がいる。
十分な幸せ。
それは疑いようがない。
確かに星たちは大暴れしたり、危ないことをしたり、色々、それはもう色々と私の手を焼かせる。
私の手は輝きとともにある星々の熱に火傷をしている。
ハッキリ言ってとても痛い。
とても辛い。
そんな時はほぼ毎日起きると言っても過言ではない。
もし、私にもう2本手があれば、火傷しない程度に手を変えて星々を掴んでいられるのにと何度思ったことか。
けれど、私は手放す哀しみを知っている。
そう、死まで想起させるブラックホールの殺傷能力の比にならない程度のその火傷で私は星たちを手放すつもりには全くならない。
そう、そんな私が。
こんな日を迎えてしまうとは。
目の前に星のカケラたちが現れたのだ。
星々は私を見ている。
私の脳内に思い出が一気に押し寄せる。
何をしても星が手に入らなかった時期の思い出、ブラックホールになってしまった星のカケラとの思い出、そして今現在進行中である手にしている星との思い出たちだ。
私はその星のカケラを手に入れたいと思うと、両手の星たちが熱を帯びた。どうやら、私は新たな星々を掴もうとしたその手で星たちを強く握ってしまったらしい。
そう、私の両手はもう一杯だ。
一杯なのだ。
私には分かる。
星のカケラたちは私が十分にエネルギーを与えないと、星には絶対なれないし、なんならこの場で消えてしまうことを。
でも、両手は一杯なのだ。
どこをどう探しても星を手に入れられないあの日の無力さとは違った無力さ・・・・・・いや、非力さを痛感する。
手に入る星は全て手に入れたいと思っていた私が、両手が一杯で、目の前の星のカケラを手にすることができないのだ。
星のカケラはまだ星のカケラ。
何を思っているのかは分からない。
エネルギーを送るだけなら・・・・・・
そう考えたけれど、それは問題を先送りにするだけで何も変わらない。
私がもっと早く自分を燃やすことで自分が光り、引力の力で星を手に入れられることを知っていたら。
腕を新たに2本増やす方法でも考えて、手に入れられたかもしれないし、腕が生えなくても、ジャグリングの要領で星のカケラを星にして持てたかもしれない。
でも、もうダメなのだ。
歳・・・・・・を重ね過ぎた。
力がない。
キミはすでに星のカケラを星にできる力を失っているかもしれない。
後悔。
星のカケラたちを見送ることは、今後も一生後悔するかもしれない。
ならば、どうする。
力を溜める間だけエネルギーを供給しようか。
いや・・・・・・駄目。
保障がない。
中途半端な力ではまたブラックホールを生み出すだけ。
それも、今度は自身の生命を脅かすかもしれない。
星に出会えるならば・・・・・・と思っても、そうしたらこの両手にある星たちは輝きを失うかもしれない。
それは絶対にダメだ。
そうだよ、問題の先送りだと先ほど結論が出ているじゃないか。
星のカケラたちは中途半端に延命されるよりも、いっそのこと消えて生まれ変わった方がいいに違いない。
そう自分に言い聞かせる。
また、言い訳。
欺瞞だ。
でも、悩んでしまう。
どうせなら、星のカケラたちに会わなければ良かったか。
いや、そんなことはない。
星のカケラに出会えたことには感謝なんだ。巡り会えた奇跡に私は
ただ、私にはもうどうしようもできない。
無力だから。
その事実があるだけだ。
さようなら。
二度と会えないお別れを私は選択した。
苦渋の選択だ。
だけど、決断した。
私には圧倒的かつ安心に目の前にいる全ての星を輝かせ続ける力がないのだから。
力がないことは罪だね、私。
でもね、彼らを活かすとすれば、それは―――
ぽっかりと空いているキミの心の中しかないのだよ。
星のカケラたちとの出会いを感謝し、いい思い出にするためにやることは分かっているね。
心を燃やせ。
その輝きはキミだけじゃない、キミと星のカケラたちの命が混ざり合った輝きに違いないのだから。
努力したフリはいらない。
結果だ。
キミが他の人に喋らないならキミの死と共に星のカケラは死んでしまう。
キミよりも長く生き続けてもらうには、結果を出すしか伝える方法はない。
だから、頑張れ。
良い別れにするために、そう自分に言い聞かせ、私は決別を受け入れよう。
ありがとう、そして、さようなら。
さよならは悲しい言葉だけど、キミたちに何かしらの声を掛けたいんだよ。
そして、そんな言葉しかかけられない私をーーー
未熟な私にも二本の腕がある。
そしてその両の手にはそれぞれ未熟ながらも光る星がいる。
十分な幸せ。
それは疑いようがない。
確かに星たちは大暴れしたり、危ないことをしたり、色々、それはもう色々と私の手を焼かせる。
私の手は輝きとともにある星々の熱に火傷をしている。
ハッキリ言ってとても痛い。
とても辛い。
そんな時はほぼ毎日起きると言っても過言ではない。
もし、私にもう2本手があれば、火傷しない程度に手を変えて星々を掴んでいられるのにと何度思ったことか。
けれど、私は手放す哀しみを知っている。
そう、死まで想起させるブラックホールの殺傷能力の比にならない程度のその火傷で私は星たちを手放すつもりには全くならない。
そう、そんな私が。
こんな日を迎えてしまうとは。
目の前に星のカケラたちが現れたのだ。
星々は私を見ている。
私の脳内に思い出が一気に押し寄せる。
何をしても星が手に入らなかった時期の思い出、ブラックホールになってしまった星のカケラとの思い出、そして今現在進行中である手にしている星との思い出たちだ。
私はその星のカケラを手に入れたいと思うと、両手の星たちが熱を帯びた。どうやら、私は新たな星々を掴もうとしたその手で星たちを強く握ってしまったらしい。
そう、私の両手はもう一杯だ。
一杯なのだ。
私には分かる。
星のカケラたちは私が十分にエネルギーを与えないと、星には絶対なれないし、なんならこの場で消えてしまうことを。
でも、両手は一杯なのだ。
どこをどう探しても星を手に入れられないあの日の無力さとは違った無力さ・・・・・・いや、非力さを痛感する。
手に入る星は全て手に入れたいと思っていた私が、両手が一杯で、目の前の星のカケラを手にすることができないのだ。
星のカケラはまだ星のカケラ。
何を思っているのかは分からない。
エネルギーを送るだけなら・・・・・・
そう考えたけれど、それは問題を先送りにするだけで何も変わらない。
私がもっと早く自分を燃やすことで自分が光り、引力の力で星を手に入れられることを知っていたら。
腕を新たに2本増やす方法でも考えて、手に入れられたかもしれないし、腕が生えなくても、ジャグリングの要領で星のカケラを星にして持てたかもしれない。
でも、もうダメなのだ。
歳・・・・・・を重ね過ぎた。
力がない。
キミはすでに星のカケラを星にできる力を失っているかもしれない。
後悔。
星のカケラたちを見送ることは、今後も一生後悔するかもしれない。
ならば、どうする。
力を溜める間だけエネルギーを供給しようか。
いや・・・・・・駄目。
保障がない。
中途半端な力ではまたブラックホールを生み出すだけ。
それも、今度は自身の生命を脅かすかもしれない。
星に出会えるならば・・・・・・と思っても、そうしたらこの両手にある星たちは輝きを失うかもしれない。
それは絶対にダメだ。
そうだよ、問題の先送りだと先ほど結論が出ているじゃないか。
星のカケラたちは中途半端に延命されるよりも、いっそのこと消えて生まれ変わった方がいいに違いない。
そう自分に言い聞かせる。
また、言い訳。
欺瞞だ。
でも、悩んでしまう。
どうせなら、星のカケラたちに会わなければ良かったか。
いや、そんなことはない。
星のカケラに出会えたことには感謝なんだ。巡り会えた奇跡に私は
ただ、私にはもうどうしようもできない。
無力だから。
その事実があるだけだ。
さようなら。
二度と会えないお別れを私は選択した。
苦渋の選択だ。
だけど、決断した。
私には圧倒的かつ安心に目の前にいる全ての星を輝かせ続ける力がないのだから。
力がないことは罪だね、私。
でもね、彼らを活かすとすれば、それは―――
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結果だ。
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ありがとう、そして、さようなら。
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そして、そんな言葉しかかけられない私をーーー
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