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「ニーナならそう言ってくれると思ったわ」
あざとい顔をしている義妹のエリス。
「それは・・・嬉しいわよ、だって、義妹ですもの」
照れながら、そう伝えると、薄っぺらい笑顔だったエリスが少しだけ真面目な顔をして私を見ていた。
「そうですよね」
けれど、すぐに薄っぺらい笑顔になった。
「それでですね、ニーナ。治療薬はとてもお金がかかるの」
なんとなく、わかってきた。
つまりはエリスはシフォン家に金をせびろうとしているのだろう。
けれど、乗り気で聞いてしまった以上、聞かざるを得ないだろう。
「・・・いくらなの?」
「それはですね・・・」
エリスが告げた額は規格外な値段だった。
それを聞いた私とアンは思わず固まってしまった。
「お願い、ニーナ。私を助けると思って・・・」
首を傾げながら伝えてくるエリス。
その軽いノリの悪びれもない姿でいられるのは才能だと思った。
「駄目です・・・ニーナ様」
アンが震えながら、私の袖をクイクイっ引っ張りながら、反対する。
「侍女は黙ってて」
ドスの効いた声でエリスがアンを睨む。
それをドン引きしながら私が視ていると、エリスが再び私と目が合い、再びうすっぺらな笑顔を浮かべる。
コンコンッ
「私だ」
どこかで聞いたことのある男性の声が聞こえる。
「良いわよ、パパ」
扉が開くと、ロイドとエリスの父親が入って来た。
私とアンは深々とお辞儀する。
「お邪魔しております。レイオス伯爵」
「あぁ」
ロイドと私の婚約の時はこれでもかと喜んで下さったレイオス伯爵だったけれど、今日はよそよそしく、エリスとアイコンタクトをしている。
「そうそう、聞いてお父様。ニーナが私の治療費を出してくれるって」
「治療費・・・? いたっ」
エリスがレイオス伯爵を肘打ちする。
最初は困惑していたレイオス伯爵はエリスに睨まれて、ようやく言っていることが理解できた様子で、
「ああ、そうだったっ、そうだったっ」
と大げさに相槌を打つ。
「ほらねっ」
私に笑顔を向けるエリス。
この子はどんだけ面の皮が厚いのだろうと、感心してしまう。
「レイオス伯爵」
私はレイオス伯爵を見る。
「なんだ?」
ご自慢のヒゲを弄りながら、私に返事をするレイオス伯爵。エリスには向けるような猫の甘えた声ではなく、毅然とした声だ。
「エリス様のご病気は何というのも何ですか?」
私が質問すると、ヒゲをを持ったまま固まるレイオス伯爵。エリスもエリスで、病気の名前まで考えいなかったのか、何かを言おうとするけれど、言葉が出せずにいた。
それを見たアンは胸を撫でおろした。
私もこれでこの件は終わりだと思っていた。
あざとい顔をしている義妹のエリス。
「それは・・・嬉しいわよ、だって、義妹ですもの」
照れながら、そう伝えると、薄っぺらい笑顔だったエリスが少しだけ真面目な顔をして私を見ていた。
「そうですよね」
けれど、すぐに薄っぺらい笑顔になった。
「それでですね、ニーナ。治療薬はとてもお金がかかるの」
なんとなく、わかってきた。
つまりはエリスはシフォン家に金をせびろうとしているのだろう。
けれど、乗り気で聞いてしまった以上、聞かざるを得ないだろう。
「・・・いくらなの?」
「それはですね・・・」
エリスが告げた額は規格外な値段だった。
それを聞いた私とアンは思わず固まってしまった。
「お願い、ニーナ。私を助けると思って・・・」
首を傾げながら伝えてくるエリス。
その軽いノリの悪びれもない姿でいられるのは才能だと思った。
「駄目です・・・ニーナ様」
アンが震えながら、私の袖をクイクイっ引っ張りながら、反対する。
「侍女は黙ってて」
ドスの効いた声でエリスがアンを睨む。
それをドン引きしながら私が視ていると、エリスが再び私と目が合い、再びうすっぺらな笑顔を浮かべる。
コンコンッ
「私だ」
どこかで聞いたことのある男性の声が聞こえる。
「良いわよ、パパ」
扉が開くと、ロイドとエリスの父親が入って来た。
私とアンは深々とお辞儀する。
「お邪魔しております。レイオス伯爵」
「あぁ」
ロイドと私の婚約の時はこれでもかと喜んで下さったレイオス伯爵だったけれど、今日はよそよそしく、エリスとアイコンタクトをしている。
「そうそう、聞いてお父様。ニーナが私の治療費を出してくれるって」
「治療費・・・? いたっ」
エリスがレイオス伯爵を肘打ちする。
最初は困惑していたレイオス伯爵はエリスに睨まれて、ようやく言っていることが理解できた様子で、
「ああ、そうだったっ、そうだったっ」
と大げさに相槌を打つ。
「ほらねっ」
私に笑顔を向けるエリス。
この子はどんだけ面の皮が厚いのだろうと、感心してしまう。
「レイオス伯爵」
私はレイオス伯爵を見る。
「なんだ?」
ご自慢のヒゲを弄りながら、私に返事をするレイオス伯爵。エリスには向けるような猫の甘えた声ではなく、毅然とした声だ。
「エリス様のご病気は何というのも何ですか?」
私が質問すると、ヒゲをを持ったまま固まるレイオス伯爵。エリスもエリスで、病気の名前まで考えいなかったのか、何かを言おうとするけれど、言葉が出せずにいた。
それを見たアンは胸を撫でおろした。
私もこれでこの件は終わりだと思っていた。
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