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本編

友兄を信じるって決めたから

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 ずっと不安だった。
 疑いたくないのに、疑ってしまう。
 だから、確かな繋がりが欲しくてたまらなくて。
 手を伸ばして頬に触れると、友兄がふわりと微笑んでくれる。
 それから与えてくれるキスは、熱くて甘い。
 これは全部俺のものなんだ。
 もう、絶対、だれにも渡さない。






「お互いに一目で気に入った…っていうのを印象づけるために、名前で呼び合うことにしたんだ」
「ん……っ、んぅ」

 シャワーから熱すぎないお湯がずっと降り注いでる。

「少しでも大柴さんに疑問を持たれたら計画が台無しになってしまうからね」
「あ、あ、あん、ん」

 とろりとした液体を纏わせた友兄の指が、俺のお尻の中に入っていた。
 ぐりゅぐりゅかき混ぜるように指を動かされて、最初は違和感しかなかったのに、少しの間そうされてる間に気持ちよくなってきてて。
 恥ずかしい声は狭い浴室の中に響いてしまう。

「本当にごめんね…。理玖を悲しませた分も、約束したのに行けなかった旅行も……これから全部上書きするから。だから許して、理玖」
「あんんっ」

 男でも感じる場所があって、そこは前立腺と言われるらしい。
 男同士のセックスが、そこを使う…っていうの、知らなかった。
 抱かれるんだ……って意識は、した。まさかお風呂場に連れてこられて、あれよあれよと裸に剥かれるとは思ってなかったけど。
 友兄も裸になって、キスを繰り返しながら暖かなシャワーに打たれて。笑った友兄が指にとろりとした何かを付けて俺のお尻の中にその指を入れてきたときには、ちょっとパニックになりかけた。
 その時に教えてもらった内容に、恥ずかしすぎて意識が飛ぶかと思った……。

「とも、にぃ」
「可愛い、理玖」

 長いヌルヌルの指が前立腺を擦り上げて、もう片手は後ろから俺の胸をいじって硬くなってる乳首をぐりぐり捻られると、硬くなってふるふると震えてた俺のそこから、とろりと何かが溢れ出してシャワーのお湯に流される。

「許してくれる?」
「ん、んぅ、も……怒ってない……っ」
「よかった……理玖」

 ズルい……とは、思うけど。
 こんな時にそんなこと言われても、ちゃんと考える頭なんてないし、俺の中で友兄が一番だから、疑うこともなく信じちゃうし……。
 だけど、それでもいい。
 友兄を信じるって決めたから。

「理玖…愛してる」
「ぁ、んっ」

 後ろを少し振り向くように顎を囚われて、唇が重なる。
 ピタリとくっつく友兄の体。
 指が入ってるお尻のところに、硬くて熱くてぬるりとしたものが押し当てられた。





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