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幼馴染み二人と冒険者になりました!
10 「女神様…!!」
しおりを挟む「ねえ、大丈夫?他に痛いところはない?」
ディーの火傷のような怪我が治った頬に触れて、エルの血が流れていた腕に服をまくって何度も触れて。
とにかく全部確認して、安心したら、涙がこぼれ始めてしまった。
「ふぇ………」
「ああ、ほら、泣かない。これくらいのこと、よくあることだ」
「そうだよ?それに、ほら。フィーが治してくれたから、もう血も出てないしきれいになったよ?」
「うう~……」
だって、大丈夫って思っていても、怖かったんだ。
血が流れてるのを見たら、全然冷静でいられなかったんだ。
「ほら、時間もないから泣き止め?」
ディーが僕の口にキスをしてくれる。ちゅ…って吸われて、舌を舐められて、ようやく少し落ち着いた。
はふ…って離れたら、今度はエルが。おんなじようにキスをくれて、背中をぽんぽんって叩かれた。
「先に魔物の方だな。――――おい、あんたら!」
「へ!?」
「ナイフくらい持ってるだろ?解体手伝ってくれ」
「あ、ああ……」
二人組さんは少し呆然としながらも、荷物から小型のナイフを取り出して、二体の魔物の解体を手伝ってくれた。
きれいに取り出したものは、素材として売ることができるんだって。毛皮とか牙とか鎌とか。
残りは放置しておくと他の魔物を呼ぶことがあるから、燃やしたり、埋めたりする。
埋める……って結構大変だよね…って思ったけど、エルが小さな雷を何個も地面に落として穴を開けていた。……すごい力技?
埋めるときは、荷物の中から折りたたみ式のスコップが出てきて、それで土をかけた。
それでも血は残ってる。そればかりはどうしようもないんだって。
だから僕は手を組んでその場に膝をついた。
魔物の血で濡れた地面はやっぱり嫌な感じがしたから。
『女神さまの御力で、この地の穢が祓い清められますように』
広くなくていい。
地面と……ディーとエルの服についた魔物の血が浄化されれば、それで。
「……うわ」
聞き慣れない声は二人組さんが発したもの。
手をおろして目を開けたら、キラキラと光があたりに舞っていた。
「フィーは相変わらずだな」
「フィー最高!」
二人がすごく褒めてくれて、僕も嬉しくてぎゅむって抱きついた。
「め……女神様……?」
呆然とした声。
「女神さま?」
確かに女神さまに祈ったけど。
二人組さんは明らかに今までとは違う視線で僕を見てた。
「女神様……俺たちの女神様だ……!!」
「今まで失礼な態度ばかり……申し訳ありませんでした!!」
……って、すごく勢いよく頭を下げられた。
いったい、なんのこと?
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