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第7章 魔法が使える世界で王子サマに溺愛されてます。
みゃあ
しおりを挟むきづいたらここにいた
『じぶん』っていうものがわかった
やさしくて
あったかくて
まもってくれる
『じぶん』とおなじものがいた
でも
くらかったばしょから
あかるいばしょに
むりやりだされて
めをあけたら
『じぶん』とおなじものだったものが
からだを
まっかにそめて
すこしもうごかず
ねていた
くびのところをつかまれた
『じぶん』とおなじじゃないものが
いくつもあった
「…くそっ、珍しい魔物がいたと思ったんだがな。ただの猫か?……まあ適当に店に出せば馬鹿なやつには売れるか」
『じぶん』とおなじじゃないもの
こわい
いっつもそばにいた
やさしくてあったかいものは
もういない
おなかがすいた
けど
なにもない
くびになにかつけられた
うごくのもできない
おとされた
からだがいたい
「お客さん、運がいいね。丁度仕入れたばかりの奴がいるんでさ。いえね。でかい声じゃいえませんけど、中々の上玉でね?大人しくさせるのに苦労したんですわ。まだ『血の契約』はしちゃいませんよ。今は魔封じの魔導具つけてますからね。そりゃあもうとんでもない魔力ですよ。城なんて簡単に吹き飛ばせるくらいですわ。飼いならすもよし、使い捨てるもよし。そんなに大きくもないし、首輪を外さなければ声も出さず暴れもせずおとなしいもんですよ。おお、そりゃ素晴らしいご決断だ。毎度あり」
つかまれて
なにかにいれられた
ときどき
くちのなかに
いやなものをいれられた
きもちわるい
もう
うごけなくなって
それからいやなおとがして
「俺たち一族の無念……ここで晴らしてやる……!!王族も他の貴族の奴らも……ここで全員死ね…!!さあ、魔力を開放しろ!!ここにいるやつら全員殺しまくれ!!!」
また
つかまれて
くびについてたのを
むりやり
とられて
なげだされた
さむくて
いたくて
こわくて
おなかがすいて
ねむくて
『じぶん』とおなじのものはなくて
『じぶん』もおわるんだとおもって
『じぶん』とおなじものだったものが
まっかになって
うごかなくなった
だから
きっと
『じぶん』もおなじ
だけど
「猫じゃん」
こえがした
やさしいこえだった
あったかい
あったかい
やさしいにおい
『じぶん』とおなじものだったものと
おなじにおい
からだがかるくなった
なめたらあまかった
くびをなでてくれる
あたまをなでてくれる
やさしい
あったかい
「真白」
やさしいこえ
『じぶん』とはちがうけどおなじもの
「ん。決めた。マシロ。この子の名前、マシロにする」
なまえ
なまえ
ましろ
『じぶん』はましろ
ましろは『じぶん』の
なまえ
ふしぎ
あったかいものが
からだにながれてくる
『じぶん』はましろ
めのまえに
ましろとちがうもの
けど
ましろとおなじものがいる
うれしい
うれしい?
だいすき
だいすき?
わからない
けど
あたまをなでてもらうのはすき
くびをなでてもらうのはすき
なめたらからだがかるくなる
におい
やさしいにおい
だいすき
はなれない
ましろとおなじものだったもののように
まっかになって
うごかなくならないで
「マシロ」
よんでる
いかなきゃ
でも
ましろの
だいすきなましろとおなじものを
ましろから
とりあげる
ましろとちがうこれは
きらい
おふろもきらい
からだがぬれるのは
こわいから
ましろとおなじものが
うごかなくなるのも
こわいからきらい
でも
あかくないから
かおをなめたら
くろいめが
ましろをみて
「マシロ」
よんでくれるから
すりよって
まるくなって
ねていたら
ましろとちがうきらいなものが
ましろをましろのねどこに
おろしてしまうから
いたくないけど
ましろのだいすきな
ましろとおなじものからはなされるから
きらい
よじのぼって
ましろのだいすきな
ましろとおなじもののちかくで
まるくなる
いいにおい
ましろのだいすきなものは
ましろとおなじもの
だいすき
「だから、お前の寝床はそこの籠」
「みゃ」
「アキが起きるだろ…静かにしろ」
「………み」
「アキは俺の。マシロのじゃないからな」
「みゃっ」
「駄々こねるな。部屋の外に出すぞ」
「み………」
「………なんで俺が子猫とアキの取り合いしなきゃならないんだ……。あー……いや、そうじゃないな。なんで会話が成立してると思うんだ……かなりアキに影響されてるんだな」
「みゅ」
「……とにかくだ。お前の寝床はそこの籠の中だ。わかるな?わかるならアキの眠りを邪魔するな」
「……………みゅぅ」
「はぁ…。やっと眠れる。アキ……愛してる。おやすみ」
*****
駆け込み猫の日!!
猫の日だもん。
マシロ視点が、あってもいいはず!!(笑)
しかし、ルビ振らないと読みにくい…。
でも、振ってません。ごめんなさい!
クリスとマシロの攻防戦は、61話の夜中の出来事。
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