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第7章 魔法が使える世界で王子サマに溺愛されてます。

11 癒し、終わります!

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 朝起きてからなんとなく体調はいいと感じてた。
 起き上がるのは何だか勿体なくて、クリスにくっつきながら足をばたつかせたり、ちょっとキスしてみたり、悪戯をする。

 昨日の夜も触れ合った。
 沢山イかされたし、風呂場で後ろも洗われた。
 ……けど、それだけ。
 ……ん?
 なんでクリス、俺のこと抱かないの?

「うーん?」

 ほぼほぼ抱かれてるみたいなものだとは思うんだけど。
 だけど、大量の魔力補充されるようなこと………して、ない。

 なんで?

 うーんうーん悩んでたら、腰を抱かれて、体が反転してベッドに押さえつけられた。

「んっ」

 俺がしてた悪戯なんかじゃない、ちゃんとしっかり濃厚な恋人のキスを、朝からされる。

「ん……ん、ふぁ……」

 体を弄られて、びくんって震える。
 ん。
 かなり敏感になったと思う。
 自分でしても全然気持ちくないのに、クリスに触られたらあっという間に出来上がる。俺の身体、クリスに弱すぎる。

「ク、リス」
「おはよう、アキ」

 ごくん…って飲み込んだら、唇が離れた。
 唇をぺろっと舐められて、心臓がうるさい。

「気持ちいい?」
「……ぅ、ん」

 ……クリスの体液、魔力と癒やし効果だけじゃなくて、媚薬成分でも入ってるんじゃないの…?
 クリスはくすって笑って、俺の頬を撫でた。

「……可愛い」
「ん、ぅ」

 また、キスされて。
 舌、食べられた。

「は…」
「抜いてやる」

 耳元の甘い甘い声。
 何か答える前に、クリスは身体をずらして、俺の下肢を広げた。
 ……昨日、触れ合って、そのまま、だから。
 下着も何も、つけてなくて。

「あ、やぁっ」

 朝からその刺激はやばい。
 ぬるりとあったかい口の中に息子が入れられる。気持ち良すぎる。だめ。すぐ、でちゃう。

「ひぅん……っ、あ、あっ」

 一度口が離れた。
 息をついた瞬間、深く咥え込まれて、同時に、後孔に濡れた指があてがわれた。

「あ」

 ………朝からそんなことしたら、ほんと、だめ。

 息子は口で愛されて、中は指でかき混ぜられて。
 朝から喘がされて、また、寝た。
 ……だめだよ、ほんと。俺、そこまでの体力は多分戻ってないんだから。





 ぼーっとしながら遅い朝食を摂った。
 クリスはメリダさんに怒られてたけど、笑ってた。
 眠すぎて頭働かなくて、なんて言われて怒られていたのか聞いてなかったけど。
 半分寝ながら、クリスの膝の上でパンを食べてた。
 飲み物は全部クリスが飲ませてくれた。
 果物は口に入れてくれた。

「全く……。神官様がお待ちですよ?もうご案内しますからね?」
「ああ」

 ……パン、おいしい。いちごのジャムとバターがほしい。
 バター、ある。
 ジャム……リアさんに作ってもらおう……。

 はむ…っと、また一口。ちなみに、ロールパンみたいなもので、それだけで本当に美味しい。

 笑う声がしてクリスの方を見たら、優しい目で俺を見て、楽しそうに笑ってた。

「ちゃんと目を覚ませ。喉につまらせるぞ」

 額にキスされた。

「ん」

 でも、もう一口。

「おはようございます」

 飲み込むとき、寝室のドアが開いた。
 入ってきたのはラルフィン君。

「おはよ」

 にへら…って笑ったら、ラルフィン君は俺たちの方に向かいながら苦笑した。

「魔法の練習でもして無理されたんですか?」

 って、聞かれて。

「そんなもんだ」

 って、クリスが答えた。
 ……魔法の練習なんて、してないし。
 ……朝からクリスが俺のこと襲うから、疲れてるだけだし……?

「お食事中に申し訳ありませんが、癒やしの方始めますね」
「うん。お願いします」

 右手をラルフィン君に差し出して、きゅっと握られた。
 ……あったかくなる。

「アキ、俺に寄りかかってていい」
「ん」

 ……全部全部、あったかい。

「クリス……眠い」
「寝てていい」
「楽にしててください」
「ん」

 手から食べかけのパンを取られた。
 クリスが口移しで果実水を飲ませてくれる。
 ラルフィン君が直ぐ側にいるとか、あまり考えてなかった、というか気にしてなかったというか。
 眠すぎてね。
 口移しは、いいんだよ。魔力も癒やしも、まわるから。
 身体の内側に馴染んでいく魔力と癒やしと、ラルフィン君から流される全身を包むような癒やしに、俺は口元に笑みを浮かべながらまた眠った。クリスの膝の上で。





 多分、そんなに時間は経ってないと思う。
 ふ……っと目が覚めたとき、ラルフィン君が笑ってくれた。

「アキラさま、おはようございます。癒やしの方はやっぱり今日で終了でいいみたいですね」
「あ」

 頭の中はスッキリしてた。
 今朝起きたときから体調の良さは感じてたし。

「ありがと!」
「はい。予定通り今日で終わりにしましょう。あ、でも、何かあったらすぐ呼んでくださいね?」
「ああ。ありがとう、ラル」

 にこにこ嬉しそうに笑って、ラルフィン君は部屋を出ていった。

「お礼しなきゃ」
「謝礼金は断られたからな。他の物をもう贈っておいた」
「あ、そうなんだ?」
「ああ。…まあ、あいつは何もいらないと言うだろうから、あれの恋人たちに、だがな」
「そっか」

 確かにラルフィン君は断りそうだもんね。

「……体調は?」
「ばっちり!」

 笑顔で答えれば、クリスも笑ってくれる。
 二人で笑いながら、触れ合うだけのキスを繰り返した。


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