上 下
78 / 560
第2章 お城でも溺愛生活継続中です。

30 夜は甘えたいです!

しおりを挟む



「ひぅんっ」

 唇が触れ合う距離で言葉を交わしたあと、クリスの手が俺の尻をもみ始めた。
 絶妙に揉まれて、広げられて、窄まりに指が這ったかと思えば、すぐに指は離れてしまって。
 でも、それだけでも、背筋にゾクゾクと快感が走り抜けてしまう。

「んやぁっ」

 クリスが帰ってきたら、言いたかったことがあった。

 お仕事お疲れ様、って。
 言葉の勉強、みんなに手伝ってもらったけど頑張ったよ、って。
 でも寂しかった、って。
 会いたかった、って。

「くりす…っ」
「やっとアキに触れられる」

 耳元のかすれた声。また、ゾクって背筋が震えた。
 この声は…反則。

「…しごと、いそがしかった?」
「少しだけな」

 クリスはそう応えると、俺を抱き上げて湯船の中に入ってしまう。
 何度かキスをされて…頭がまたぼーっとしてくる。
 そういえば、のぼせるからあがろうとしてたんだっけ。

「真っ赤だな。ちょっと待ってくれ」

 クリスは笑いながらキスをやめると、何度か俺の頭をなでて湯船から上がり、手早く頭と身体を洗ってしまった。
 …あ、髪、洗ってあげたかった。
 すぐに湯船に戻ってきたクリスは、俺を足の上に乗せると、腰に手を回して引き寄せてくる。

「クリス」

 身体が触れてるから、お互いの昂り具合がみなくてもわかる。
 クリスの指が俺の目元をなでた。

「もう上がるから。そんな目で見るな。ベッドまで我慢できなくなる」

 …そんな目、って言われても。のぼせ気味で頭はくらくらするけども、早くクリスに抱いてほしいんだから、誘うような目?になってたって仕方ないと思うんです。
 目元をなでてた手が頭の後ろに回り、キスをされた。触れるだけじゃないやつ。

「ん……ん…」

 すぐに絡む舌。キス…気持ちいい。

「くりす……っ」

 はふ……って息継ぎみたく唇を離したけれど、すぐに囚われてしまう。
 もどかしさとか、焦れったさとか。色々ごちゃまぜだけど。クリスのキスはとにかく気持ちが良すぎて。
 舌で丹念に口内を愛撫されるから、すぐに腰が震えだしてしまう。

「ん……ひぅんっ」

 すっかり形を変えたそこに、クリスの指が絡みついた。
 お湯の中でゆっくりと根本から先端まで形を辿り、鈴口を弄られる。ビクビク腰が震える。けど、お湯の中には出したくない。

「や……くりす、…っ、ひあっ」
「可愛いな」

 耳元で囁くように。
 鼓膜を震わす声と、耳にかかる吐息に背筋にゾクゾクしたものが走り抜けたとき、クリスの指がそこから離れて、徐に抱きあげられた。
 首に腕を回してしがみつく。…ほんとに、俺、寂しかったんだ、って。

 クリスは俺を抱いたまま浴室を出て、ベッドに向う。足元にポタポタ水滴が落ちてるけど、気にする余裕はない。
 ベッドに降ろされるときにまたキスをされる。
 舌を絡めて濡れた音を出しながら、体がベッドに沈み込んでいくのを感じていた。

「くりす…」
「アキ」

 目を開けたら、碧色が広がる。綺麗な色。
 身体に覆いかぶさる重さが心地良い。 

「アキ………アキ」

 唇が離れて掠れた声で呼ばれる。
 でもすぐに頬に唇が触れて、顎に触れて、首筋まで移動してくる。
 そこを舐められて、強く吸われた。

「んっ」

 それだけでも感じてしまう。
 クリスの唇は何度かそれを繰り返して、鎖骨に下がる。そこにも同じように痕を残しながら、胸元まで進んで……、もう硬くなっていた乳首を舌が転がしてきた。

「あ、あっ」

 胸だけでこんなに感じてしまっていいんだろうか。
 舐められて、吸われて、軽く歯を立てられて、痛みすら快感にすり替わってて。
 反対側を指先で抓まれて、腰が跳ね上がった。

「あ、や…っ、ま、って、そこ、はな、してっ」

 胸元でクリスが笑った。
 唇と指が離れたから少し気を抜いたのに、今度は右と左を入れ替えてきて……さっきより強く吸われて抓まれた。

「や、ぁ…っ!」

 腰は勝手に跳ね上がるし、身体はガクガク震えるし…、気づいたときにはお腹は熱いもので濡れてるし…!

「あ……うそ……っ、い……っ」
「ここだけでイケるようになったな?」

 耳元の声に顔中熱くなる。
 乳首弄られただけでイッちゃうとか、俺どうなってんの?

「………くりすの、いじわる……っ」

 こんなの恥ずかしい。普通に抱かれるより恥ずかしいっ。

「気持ちいいだろ?」
「………きもち、よかった、けどっ!」

 じゃなかったらイクなんてこと、なかっただろうし!でも!!
 クリスの頭を自分に引き寄せて、自分から唇を重ねた。それから、耳元に唇を寄せる。

「クリスのでイキたかった」
「っ」
「クリスのでイカせてくれなきゃ、やだ…っ」
「………アキ」

 俺のお腹に当たるクリスのが、なんだか硬さを増した気がした。

「煽るな…っ」
「だって、くりすが、してほしいことは、いえ、って」

 欲しくて仕方ない…って、身体が悲鳴を上げてる気がする。
 はやく、クリスを感じたい。
 俺の中をいっぱいに満たしてほしい。
 クリスは少し息をついて…流れた俺の体液を指に絡めて、窄まりの奥に潜り込ませてきた。

「ひぁ…っ」
「力を抜け」
「ん……んっ、んぅ」

 ちょっとの異物感。痛みはないけど。身体がこわばったのはほんの一瞬で、すぐにその刺激を身体が思い出したのか、意識するまでもなくふにゃりと力は抜けていった。
 クリスの指が増える。中は柔らかくほぐれて、指を飲み込もうとしてるみたいに蠢いてるのがわかる。
 一度出したにも関わらず、俺のはまた硬くなってて。

「愛してるよ」

 耳元で囁かれたのと同時に、指が入ってたところに熱くて濡れた硬いものが押し当てられて、一気に最奥を突いてきた。

「……………っ!!!」

 その感覚に声もだせないまま、二度目の吐精をしていた。

「………っ、あ、あっ」
「アキ可愛い…動くぞ?」
「ん………うん、はやく……っ」

 奥をゴリゴリこすられて快感と幸福感が広がってく。

 ……聞かなきゃならないことがあったのに。

 クリスが与えてくれる快楽に、思考は意味をなさなくて。

「は………あ、あぁ、くりす、……くりすっ、すき……っ」
「アキ………アキっ」

 何度吐精しても、何度身体の奥に熱い飛沫を受けても、中々熱は収まらなくて。
 結局、また俺が意識を飛ばしてしまうまで、ずっとずっと、愛し合っていた。


しおりを挟む
感想 541

あなたにおすすめの小説

完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! 時々おまけを更新しています。

大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!

みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。 そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。 初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが…… 架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。

猫宮乾
BL
 異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

処理中です...