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どうやら転生するようです
4 お楽しみ
しおりを挟む■side:女神様?
今、世界は安定している。
各所で小さな問題は起こっているようだが、概ね平和だ。
大国となったエルスターには、我の愛子が多い。我への信仰が深い分、素質を持ったものが集まりやすいのだろう。
しかしつまらない。
もっと面白いものが見たい。我を女神と思わない扱わないような存在がほしい。
この世界にそんな存在はほとんどいない。ならば、他の場所から招き入れれば、すこしは楽しめるのだろうか。
今までも何人かこの世界に引きずり込んだが、それらとは毛色の違うものをいれてみたい。
さてどうしたものかと、他の世界にも意識を飛ばしていたとき、面白いものを見つけた。
互いへの愛欲をみなぎらせ、他のすべてを排除している2人。魂の形も面白い。鍵と鍵穴のように。凹と凸のように。何もかもがぴたりと重なる2人。
念の為その世界の神に断りを入れる。儀礼的なものだが。『面白いから我に寄越せ』と。その世界の神も楽しそうにわらい、我の世界からもその神が気に入った者を差し出すことで話はついた。
もともと『交換』は他の世界でもされておること。なんの感慨もない。
そうしてその2人をじっくりと観察する。
寿命を終えたとき、我の空間に招き入れたら、どんな反応をするだろうか。今から楽しみだ。
実際、2人が不慮の事故により寿命を迎え、我の空間に魂という形でやってきたとき、まさか睦み合いを始めるとは思ってもいなかった。
規格外だ。面白すぎる。
ようやく上か下か決まったのか、片割れが挿入を開始したとき、声をかけてしまったが。最後までやらせればよかったか?
2人の世界の読み物の中に異世界へと転生するものは数多い。その中にでてくるような『女神』を演じてみたが、どうにも片割れの警戒が強い。
獣人であれば『番』といったところか。魂の色からしたら、この片割れのほうが『雄』であろう。我への警戒は『雌』を守らんとする本能か。
残念なことに、我の世界には獣人は存在しない。
人の姿としても、この2人は互いしか求めんだろうが。
「今から貴方方を私の世界へ転生させます。転生するにあたり、何か望みはありますか。女神の力の及ぶ範囲で、貴方方に祝福を授けましょう」
それっぽく聞こえるように。
お前たちは我の退屈しのぎ。玩具だ。我の世界で我のことを楽しませてくれ。
それまで『雄』の胸元に顔を押し付けていた『雌』が顔を上げた。
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