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上ばかりを狙う転生前
1 田宮咲人の場合①
しおりを挟む僕は田宮咲人。宮川篤紀とは幼馴染みだ。
家は隣同士、生まれた日は同じ、ハイハイしてた頃からの付き合いで(僕にそんな記憶はないけどね)、幼稚園も小学校も中学校も、もちろん一緒だった。しかも、小中ではクラスまで同じという腐れ縁だ。
お互いの家は共働きなので、必然的に二人で過ごす時間が多かった。お互いの家を我が家と同じように行き来してたと思う。
誕生日も同じだから、うちと宮川家はいつも一緒にお祝いしてた。
クリスマスも然り。
なんか、大きな一つの家族のように育ってきた。
同じベッドで寝ることも多々あった。夜遅くまでゲームをしたり、テスト前は二人で教え合ったりもした。
中学1年のとき、いつものように篤紀が僕の部屋に泊まった翌朝。僕達は仲良く夢精した。
お互いにパチっと目を覚まして、僕は「あ~」って思っていたんだけど、篤紀は耳まで真っ赤になってて、大慌てで風呂場に逃げ込んでた。そんな篤紀を見て、僕は初めて「可愛い」って思ったんだよ。
僕の中に芽生えた感情がなんなのかよくわからなかったけど、中学3年のとき、試験勉強しててそのまま僕の部屋に泊まった篤紀の寝顔を見て、ムラムラしてきて抜いた。
それでよくよく考えてみたら、いつも抜くときは、一緒にお風呂に入ったときの裸の篤紀とか、無防備に眠る篤紀とかを思い浮かべていた。
「ん……っ、好き、篤紀…っ、好き…!」
篤紀の唇とか、項とか、首筋とか、乳首とか、お腹とか、陰茎とか、お尻とか、お尻の穴とか、全身隈なくむしゃぶりつきたくて、2回も連続で抜いてしまった。
脱力してから、最中に口走ったことに、一瞬だけ思考が停止してしまった。
「好き……?」
自分に向けた疑問は、何故だかすんなり受け入れることができた。
僕は篤紀が好きなんだ。
だから、あちこち舐めたいし、齧りたいし、触りたいし、裸にしたいし、キスをしたいんだ。
あー、なんだ。そっか。簡単なことだった。
自分の精液を適当に処理して、僕はすぐにインターネットで男同士のセックスについて調べた。
男同士は肛門を使う――――アナルセックスが普通だ、とか、いきなりは入らないし怪我をさせてしまうから、とにかくローションやゼリーでよくならして解すことが大事とか、指が3本くらい余裕で出し入れできるようになれば頃合いだとか、前立腺を刺激すればちゃんと感じることができるとか、もし精液を中でだしてしまったらかき出さないと腹を壊すとか、もう、とにかく頭にいれた。試験勉強した分を追い出す勢いで。
……なので、翌々日からの中間考査で散々な点数を取って、篤紀から白い目で見られたのは、ある意味仕方ないと思う。
まあ、それはそれで。
男同士のセックスの知識を頭に詰め込んだ僕は、ドキドキしながら篤紀と同じベッドに潜り込んで、なんとなく、篤紀を抱きしめて眠った。
……そんな調べ物で頭の中を一杯にしたせいか、夢の中で篤紀を散々犯した。
『あんんっ、咲人、咲人、咲人の気持ちいい…っ、あんっ、あんっ、イク、イク~~~!!!』
『篤紀……可愛い……!!僕もイク…!!沢山飲んで……!!!』
『あああぁぁぁ~~~~んんんん!!』
…なんて夢見たら、夢精だってするわ。当然だわ。
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