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元自称婚約者の現恋人は、婚約者に昇格となりました
48 「浩希…、貴方を抱きたい」
しおりを挟む「ん……よしたか……よし……っ…」
もう待てなかった。
「浩希…」
触れたかった。
触れてほしかった。
嘉貴がほしくて…ほしくて、たまらない。
玄関を開けて中に入ってすぐ、嘉貴に抱きすくめられて口付けられた。
今までよりももっともっと触ってほしくなった。
持ってきた荷物は足元に転がしたまま。
靴も脱いでなければ、嘉貴はスーツの上着も脱いでない。
俺は嘉貴にしがみつくように背中に腕を回しているから、高そうなスーツも皺だらけだけど……、嘉貴は気にしてない。
キスの合間の吐息が熱い。
は…は…って、お互いの息が混ざり合う。
嘉貴が押し付けてきた腰に、硬いものを感じた。
それを押し付けられて擦られて、俺のズボンの中も苦しくなっていく。
酷く興奮してる。お互いに。だってもう、瞳の中にはお互いしか映ってなくて、ギラギラした獲物を狙う目になってる。
キスで濡れた唇を嘉貴が自分でなめた。
その表情に心臓がどんどん忙しなくなる。
「浩希」
熱い声。
コクリと喉を鳴らしてしまった。
大丈夫。
欲しい。
今の嘉貴は別な意味で怖いけど。
「よしたか、すき」
昔の約束があるから俺のことを迎えに来たわけじゃないって、ちゃんと好きだから、愛しているから、俺と結婚したいんだ、って。
嘉貴ははっきりと父さんと母さんに言ってくれた。
俺も、そう。
好き。
大好き。
強引な嘉貴に流されたわけじゃなくて。
誓約書があるから渋々婚約を了承したわけじゃなくて。
最初から目が離せなくて。
すんなり受け入れてて。
……今思えば、それは俺にとってのある意味一目惚れみたいなもので。
「浩希…愛してる……愛してる」
キスの合間の言葉に背中にゾクリと走り抜ける快感。
促されるままに手をあげればあっさりとシャツを脱がされる。
素肌に指が触れて、体が震える。
何度も唇を重ねて、ここがどこかも気にならなくなる。
ばさりと音をたてて、嘉貴の上着が床に落ちた。
「ん……んっ」
交互に乳首を吸われて足ががくがくし始めた。
背中にあたる壁がひんやりしている。
「ひゃ……っ」
カリ…って噛まれて悲鳴に似た声をあげてしまった。
「よしたか、よし……っ、あっ」
「可愛い……浩希」
「や……んっ、ぁ」
ズボンの上から硬くなっているものをやんわり握られて、背筋を快感が這いあがってくる。
「ひぅ…………っ」
刺激がどこもかしこももどかしすぎる。
焦らされてるんじゃないだろうかって思ってしまうほど、触り方がゆっくりだ。
「んや…、ね……、よしたかぁ…っ」
耐えきれなくて相変わらず胸に吸いついてくる嘉貴の頭を抱きしめた。
そしたら胸元でくすって笑ったような気配を感じたのだけど、気にしてる余裕がない。
嘉貴はズボンの前を緩めたかと思ったら、下着ごと一気に足首まで下ろしてしまった。
脱がされる布が擦れる感覚にすら、感じてしまう。
「よし……っ」
俺の腕をすり抜けて、嘉貴の頭が下がっていく。
立ったままの俺の前に跪くように足を折って、これからされるだろうことが想像できて、思わず唾を飲み込んでいた。
「……ぁ」
敏感になっている先端を舌がかすめた。
そのまま口内におさまってしまうのかと思っていたら、根元から舌を這わされて下腹部がジンジンした。
「ん…ふぅ……」
「浩希……左足、少しあげて」
「なに……」
何をするのかよくわからなかったけど、言われた通り動かしたら靴とズボンを脱がされた。
それから、太腿を持ち上げられて左足が嘉貴の肩にかかった。
「っ!!」
「ちょっと頑張ってね」
「やだ……やだっ」
こんな格好は堪らなく恥ずかしい。
足を下ろそうとしても嘉貴の手がそれを許してくれない。
それどころかすっかり硬くなったそれを熱い口内におさめられて、後ろに指があてがわれる。
「っ……やぅ…っ」
水音に鼓膜が犯されていく。
指に後ろを丁寧に撫でられるだけでも、ぞわぞわした快感が駆け上がってくる。
「っ、ああっ」
立っているのがつらい。けど、どんなに震えても支えていなくちゃならなくて。
「あ、あっ」
嘉貴の舌が俺のをなぶる。時々ちゅうって吸われて腰が震える。
ふぅ、ふぅ、って、自分の息遣いの音と、くちゅくちゅっていう水音が、やたら大きく聞こえる。
少し強く吸われてぶるりと震えたとき、嘉貴は俺のから口を離して見上げてきた。
「イきそう?」
コクコク、頷いた。
イきたい。
もう、出したい。
「…少し、我慢して」
耳を疑った。
今までそんなこと言われたことがない。
嘉貴は俺の脚を肩からおろして立ちあがって、俺の耳朶を甘噛みしてきた。
「やん…っ」
「…限界なんです」
って言ったかと思ったら手を握られて……嘉貴の下半身に導かれた。
「っ」
触れたその場所はズボンの上からでもはっきりわかるほどに硬く張りつめていた。
「貴方の中に挿れてもいい?」
心臓が、一際強く打つ。
「浩希」
耳元に優しい声が響く。
「浩希…、貴方を抱きたい」
吐息と一緒の、熱い、熱い声。
「…………ぃぃょ」
かすれた声しか出なかった。
でも嘉貴の耳にはしっかり届いたみたいで、ふわりと笑った嘉貴が俺を抱き上げた。
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