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※今話と次話は身体的な接触が少し増えます。
苦手な方は飛ばしてくださいm(__)m
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その瞬間、傾いたら元には戻らない何かに触れてしまったように、辺りの雰囲気が音を立てて一気に変わった気がした。
「…俺のイヴ。」
ふいに視界が彼の顔でいっぱいになる。
ちゅっ…
「っ!?!?」
吸い付くような音とともに、私の頬に柔らかい感触が降りてきた。
アーサーっ!?もしかして、いま私の頬にキ…
「…俺の、俺だけの番だ。
もう逃がさない。」
言うや否や、ごく自然に反対側の頬にも唇を落とす。
「っま、待って…っ!」
私は我に返り、真っ赤になってガシッと彼の両腕にしがみつき、必死で声を上げる。
「…嫌か?」
「いいい嫌じゃないっ、いやじゃないけどっ…!」
「この気持ちも受け止めてくれるか…?」
「うっ受け止めます!受け止めさせていただきます!
ただその…ちょっとこういうの…急だとビックリしただけで…っ!」
今まで家族以外の男性からこんなに触れられたこともない私にとっては強烈過ぎて、頭で考えるより先に、身体が未知の刺激に反射的に抵抗してしまう。
そんな私を見てアーサーは何を思ったのか、おもむろに私の頭から手を外し、両腕を腰へ回すと力強く引き寄せた。
「…かわいい。もっとよく見せて。」
「っわ…っぁ…っ」
私の身体は腰から持ち上げられて上体がぐらりと傾き、次の瞬間には彼の膝の上に座らされる。
「…ぅぐっ!!?!」
「あぁ…柔らかくていい香りがする。酔いそうだ…。」
あたふたしている間に気付けば、アーサーはそのまま私を抱きすくめて首筋に顔を埋めていた。
「ぁ…ぁ…」
彼の引き締まった腿や厚い胸板、逞しい両腕から、布越しに私より少し高い体温が伝わり、吐息が首元をくすぐる。
何故かさっきよりも包み込まれるような体勢になってしまい、私は口をハクハクさせながら固まる。
「…もう少しだけで良いから、君に触れさせて欲しい。…」
…も、もう少し!?もう少しって何をどれくらい…!?
「嫌なことは何もしないと約束するから…。」
「うぅ…」
正直もう既に限界点にきていると思う。
嫌なわけじゃないけど慣れない感覚が恥ずかしい!!
でもさっき自分から受け止めたいと言った手前、やっぱりできません、とも覆したくない…
「ぅ…っ、ホントに…す、少し、なら…」
よく分からないけど、きっと本当に少しなら大丈夫なはず!多分…
すると咄嗟に彼の胸へ添えた私の片手が、アーサーの大きな手にキュッと握られて、徐々に彼の口元へ運ばれる。
「ありがとう、イヴ。」
切長の瞳はうっとりとこちらを向いたまま、彼の熱い唇が甘噛みするように指先に触れた。
見せつけるようにじわじわと指から手の甲、腕にかけて愛おしそうに這うしっとりした感触と、艶めかしく煽るような視線から目が離せない。
指先から走るこそばゆい震えが止まらないのに、思考が停止した頭は手を引っ込めることすら忘れてしまう。
「…堪らないな。
いつも勇敢だった君がこんなに恥じらって…。
戦いの後に脚や背中だって、もっと肌を見せてくれたこともあるのに。」
唇が僅かに肌を離れたかと思うと、そのままふわりと吐息に撫でられる。
「っ!?ひ…っ人聞きの悪いことを言うなっ!!あれはケガの治療をしただけじゃないかっ…!!」
私は驚き慌てて彼の発言を訂正する。
実際、私が任務でたまに負った軽度の傷は、いつもその場で彼が簡単な手当てをしてくれていたのは事実だ。
けれど厳つい鎧を着込んで、戦いの泥や埃にまみれた状態での応急処置なんか、ロマンチックな雰囲気の欠片もない。
とにかくその言い方は語弊がありすぎる!
私は彼を睨むように見返すが、抗議の意を込めた視線を愉快そうに受けて、彼は喉の奥でクスリと笑う。
「そうだな。
でも、鎧の下から君の白い素肌が覗くたびに俺は落ち着かなかった。
他の誰にも任せたくなかったから、君が手当を必要とする時は毎回替わってもらった。
…これからもずっと、こうして君を見つめるのも、君に触れていいのも俺だけだよ。」
「っ!?…」
…確かにいつからか、私のところへ衛生兵がほとんど来なくなって、毎回アーサーがすぐ駆け付けてくれてたけど…あれって実はそんな理由があったの!?!
むしろアーサーの方が手当てしてくれる時、眉一つ動かさないで淡々としてたのに!?
いつも冷静に采配を振るっていた彼のイメージに、剥き出しの思慕をこれでもかと浴びせる今の姿が重ねられると、脳裏をよぎる記憶の数々が全然違う意味合いに書き換えられ、頭の中をぐちゃぐちゃに掻き乱していった。
苦手な方は飛ばしてくださいm(__)m
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その瞬間、傾いたら元には戻らない何かに触れてしまったように、辺りの雰囲気が音を立てて一気に変わった気がした。
「…俺のイヴ。」
ふいに視界が彼の顔でいっぱいになる。
ちゅっ…
「っ!?!?」
吸い付くような音とともに、私の頬に柔らかい感触が降りてきた。
アーサーっ!?もしかして、いま私の頬にキ…
「…俺の、俺だけの番だ。
もう逃がさない。」
言うや否や、ごく自然に反対側の頬にも唇を落とす。
「っま、待って…っ!」
私は我に返り、真っ赤になってガシッと彼の両腕にしがみつき、必死で声を上げる。
「…嫌か?」
「いいい嫌じゃないっ、いやじゃないけどっ…!」
「この気持ちも受け止めてくれるか…?」
「うっ受け止めます!受け止めさせていただきます!
ただその…ちょっとこういうの…急だとビックリしただけで…っ!」
今まで家族以外の男性からこんなに触れられたこともない私にとっては強烈過ぎて、頭で考えるより先に、身体が未知の刺激に反射的に抵抗してしまう。
そんな私を見てアーサーは何を思ったのか、おもむろに私の頭から手を外し、両腕を腰へ回すと力強く引き寄せた。
「…かわいい。もっとよく見せて。」
「っわ…っぁ…っ」
私の身体は腰から持ち上げられて上体がぐらりと傾き、次の瞬間には彼の膝の上に座らされる。
「…ぅぐっ!!?!」
「あぁ…柔らかくていい香りがする。酔いそうだ…。」
あたふたしている間に気付けば、アーサーはそのまま私を抱きすくめて首筋に顔を埋めていた。
「ぁ…ぁ…」
彼の引き締まった腿や厚い胸板、逞しい両腕から、布越しに私より少し高い体温が伝わり、吐息が首元をくすぐる。
何故かさっきよりも包み込まれるような体勢になってしまい、私は口をハクハクさせながら固まる。
「…もう少しだけで良いから、君に触れさせて欲しい。…」
…も、もう少し!?もう少しって何をどれくらい…!?
「嫌なことは何もしないと約束するから…。」
「うぅ…」
正直もう既に限界点にきていると思う。
嫌なわけじゃないけど慣れない感覚が恥ずかしい!!
でもさっき自分から受け止めたいと言った手前、やっぱりできません、とも覆したくない…
「ぅ…っ、ホントに…す、少し、なら…」
よく分からないけど、きっと本当に少しなら大丈夫なはず!多分…
すると咄嗟に彼の胸へ添えた私の片手が、アーサーの大きな手にキュッと握られて、徐々に彼の口元へ運ばれる。
「ありがとう、イヴ。」
切長の瞳はうっとりとこちらを向いたまま、彼の熱い唇が甘噛みするように指先に触れた。
見せつけるようにじわじわと指から手の甲、腕にかけて愛おしそうに這うしっとりした感触と、艶めかしく煽るような視線から目が離せない。
指先から走るこそばゆい震えが止まらないのに、思考が停止した頭は手を引っ込めることすら忘れてしまう。
「…堪らないな。
いつも勇敢だった君がこんなに恥じらって…。
戦いの後に脚や背中だって、もっと肌を見せてくれたこともあるのに。」
唇が僅かに肌を離れたかと思うと、そのままふわりと吐息に撫でられる。
「っ!?ひ…っ人聞きの悪いことを言うなっ!!あれはケガの治療をしただけじゃないかっ…!!」
私は驚き慌てて彼の発言を訂正する。
実際、私が任務でたまに負った軽度の傷は、いつもその場で彼が簡単な手当てをしてくれていたのは事実だ。
けれど厳つい鎧を着込んで、戦いの泥や埃にまみれた状態での応急処置なんか、ロマンチックな雰囲気の欠片もない。
とにかくその言い方は語弊がありすぎる!
私は彼を睨むように見返すが、抗議の意を込めた視線を愉快そうに受けて、彼は喉の奥でクスリと笑う。
「そうだな。
でも、鎧の下から君の白い素肌が覗くたびに俺は落ち着かなかった。
他の誰にも任せたくなかったから、君が手当を必要とする時は毎回替わってもらった。
…これからもずっと、こうして君を見つめるのも、君に触れていいのも俺だけだよ。」
「っ!?…」
…確かにいつからか、私のところへ衛生兵がほとんど来なくなって、毎回アーサーがすぐ駆け付けてくれてたけど…あれって実はそんな理由があったの!?!
むしろアーサーの方が手当てしてくれる時、眉一つ動かさないで淡々としてたのに!?
いつも冷静に采配を振るっていた彼のイメージに、剥き出しの思慕をこれでもかと浴びせる今の姿が重ねられると、脳裏をよぎる記憶の数々が全然違う意味合いに書き換えられ、頭の中をぐちゃぐちゃに掻き乱していった。
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