31 / 58
マンドラゴラで遊んではいけませんっ!
しおりを挟む
今日は午後から森へとやってきた。
ここでの生活にもだいぶ慣れてきたわたしは、森の精霊たちとも顔見知りになってきた。最近では精霊たちから森に自生している植物について教えてもらっている。
人間が食べても平気なものや、薬効のあるものなど。要するに薬草についてご教授いただいているというわけ。
「ねーねー、リジーちょっと耳塞いでいてね」
わたしが薬草をちまちま引き抜いているとファーナがとたたとやってきた。
やってきたついでにわたしの耳を塞ぐ。
「ん?」
しゃがんだわたしの後ろからファーナは抱き着くようにぴたりと張り付いた状態。
んー、なにか嫌な予感がする。
「ちょっとなに―」
わたしが口を開きかけたのと、強烈な叫び声が聞こえてきたのは同時だった。
『ぎょぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』
わたしの意識が一瞬持って行かれそうになる。
塞がれているのに、耳の中に地獄の底から恨みを聞かされているような、強烈な絶叫が聞こえてきた。
わたしは頭がくらんくらんとした。
「あ……あたまが……」
「リジー大丈夫?」
ファーナが気遣わし気な声を掛けてくる。
しかし。
「あなたたち……ね」
文句を言おうとしたとき、頭上からばさばさと何かが落っこちてきた。
目を向けると、気絶した鳥だった。
ああちょうど上を飛んでいたのね。お気の毒に。
鳥が数羽、白目を剥いて落ちてくるのってなかなかにシュールな光景。
「ねーねー、鳥が落ちてきた!
」
フェイルが喜色満面でこちらに向かって走ってきた。
手に持っているのは、おなじみマンドラゴラ。そりゃあ鳥だって気絶するわ、あんな声聞かされたら。つーか、鳥たち息しているよね?
「フェイル! ファーナ! 遊び半分であんなもの抜いたら駄目でしょうが!」
わたしは大きな声を出した。
「えぇぇ~。なんでぇ?」
「なんでぇ? じゃなくって。マンドラゴラだっていい迷惑でしょうが」
「リジーだってこの間抜いていたよ?」
「う……」
フェイルの指摘にわたしは言葉を詰まらせる。
いや、ほら。あれは……生活費の足しにするために近々人里に降りて売ろうと思っていたわけで。
「わ、わたしは鳥の迷惑にはならないよう細心の注意を払ってね……」
我ながらこの言い訳はきっつー。
案の定、双子はそろってわたしにいまいち納得できないという目を向けてくる。
「それに、わたしはもっと声の小さいマンドラゴラを抜いていたでしょう。フェイルが抜いたのって森の精霊が教えてくれた一番うるさいやつじゃない」
抜かれたマンドラゴラは干からびたミイラのような形相でだらんとぶら下がっている。
つか、抜かれたマンドラゴラまだなにかぶつぶつと言っているよね? え、なんか怖いんですけど。
「と、とりあえずそれ、どこかに置いてきなさい」
「えぇぇ~。干して売りに行かないの?」
「え……遠慮しておくわ」
わたしが答えるとフェイルの手の辺りから「ちっ」という舌打ちが聞こえてきた。
わたしがそちらを視線をやると、フェイルに掴まれているマンドラゴラがふいっと顔をそらしたように……見えた。
えっと、気のせいだと誰か言って。つーか、そんな子連れて帰って干したくない。
「ちなみに鳥はね、今日のリジーの晩御飯になるかなって」
えへんと胸を張るフェイル。
わたしはちらっと白目向いてる鳥を見下ろした。
「ならないわよ!」
「ええ~」
二人が揃って不服そうに声を出した。
「レイルは、人間は生活のために狩りをするって言っていたよ?」
「いや、まあ。そうだけどね」
しかし、マンドラゴラの声を聞いて落ちてきた鳥は嫌だ。わたしの心情的に。
レイルも余計なことを言いよって。
わたしが天を仰ぐと、ティティがふよふよと飛んできた。
「リジー様ぁ。沢のほうでメローナがいい感じに冷えてますよぉ」
そういえばさっき頂き物のメローナ(見た目も味も前世でおなじみメロン)を沢で冷やしていたんだっけ。
わたしのすぐ近くまで飛んできたティティはわたしにこそっと耳打ちをする。「さっさとここから退散しないと、さっきフェイル様がマンドラゴラ引き抜いたせいで、大杉の爺様が昼寝起こされてぷんすかしていましたから」と。
わたしは顔を青くした。
「とにかく、冷たいメローナ食べましょう」
ティティはわたしの背中をぐいぐい押しやる。
「わぁい。メローナ食べるー」
「僕が割ってあげるね」
「って、こら! 大杉のおじいさまにちゃんと謝りなさいっ! あと、そのマンドラゴラは置いていきなさい」
「ええ~。せっかくリジーのために抜いたのに」
「その気持ちだけ受け取っておくから」
そう言うと再びフェイルの手元から「ちっ」と舌打ちが聞こえてきたけど、今度は聞こえなかった振りをした。
「じゃあ鳥は?」
「それも……置いていきなさい」
「ええ~。せっかくだから一匹持って帰りましょうよぉ。わたし、おいしくこんがりいい感じに焼いちゃいますよ。グレゴルン著、人間の料理・野外編に載っていた香草丸焼き、興味ありますぅ」
グレゴルン著の書籍ネタもちょっと、いらない。
フェイルは掴んでいたマンドラゴラを眺めて、それからわたしを伺って、とたたっと少し離れてマンドラゴラを地面に置いた。
それを見届けたわたしはほっと息をついたのだが、ティティがちゃっかり鳥を一話背負っているのを知っている。
きっとわたしの晩御飯に……なるんだろうなあ。
後ろでは「ぐぇぇ」と聞こえあとにばさばさと羽音が。ティティが「あらぁ。気が付いたみたい。でもまだ寝ていてね」と物騒なことを言った直後再び静かになった。
「ティティ、強い」
フェイルの感嘆する声が聞こえてきたけど、変なところは真似しないでほしい。
「あ、虫」
森を歩いていると当然虫に出くわすこともあるわけで。
蚊はいやだな、と思いつつ、わたしは手で虫をしっしと追い払う。
「まーぁ! 虫の分際でリジー様を襲うとは! 不届き千万っ! 覚悟なさぁぁいっ」
「きゃぁぁぁっ! ティティ、こんなところで炎巻きちさないでちょうだい!」
「リジー様を刺そうとする虫なんて丸焼きにしてやりますぅぅ」
ティティが森の中で炎をまき散らし、双子はティティを応援し。
「こぉら! おまえさんたちうるさいぞぉ!」
大杉のおじいさんの雷が、森の中にこだました。
ここでの生活にもだいぶ慣れてきたわたしは、森の精霊たちとも顔見知りになってきた。最近では精霊たちから森に自生している植物について教えてもらっている。
人間が食べても平気なものや、薬効のあるものなど。要するに薬草についてご教授いただいているというわけ。
「ねーねー、リジーちょっと耳塞いでいてね」
わたしが薬草をちまちま引き抜いているとファーナがとたたとやってきた。
やってきたついでにわたしの耳を塞ぐ。
「ん?」
しゃがんだわたしの後ろからファーナは抱き着くようにぴたりと張り付いた状態。
んー、なにか嫌な予感がする。
「ちょっとなに―」
わたしが口を開きかけたのと、強烈な叫び声が聞こえてきたのは同時だった。
『ぎょぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』
わたしの意識が一瞬持って行かれそうになる。
塞がれているのに、耳の中に地獄の底から恨みを聞かされているような、強烈な絶叫が聞こえてきた。
わたしは頭がくらんくらんとした。
「あ……あたまが……」
「リジー大丈夫?」
ファーナが気遣わし気な声を掛けてくる。
しかし。
「あなたたち……ね」
文句を言おうとしたとき、頭上からばさばさと何かが落っこちてきた。
目を向けると、気絶した鳥だった。
ああちょうど上を飛んでいたのね。お気の毒に。
鳥が数羽、白目を剥いて落ちてくるのってなかなかにシュールな光景。
「ねーねー、鳥が落ちてきた!
」
フェイルが喜色満面でこちらに向かって走ってきた。
手に持っているのは、おなじみマンドラゴラ。そりゃあ鳥だって気絶するわ、あんな声聞かされたら。つーか、鳥たち息しているよね?
「フェイル! ファーナ! 遊び半分であんなもの抜いたら駄目でしょうが!」
わたしは大きな声を出した。
「えぇぇ~。なんでぇ?」
「なんでぇ? じゃなくって。マンドラゴラだっていい迷惑でしょうが」
「リジーだってこの間抜いていたよ?」
「う……」
フェイルの指摘にわたしは言葉を詰まらせる。
いや、ほら。あれは……生活費の足しにするために近々人里に降りて売ろうと思っていたわけで。
「わ、わたしは鳥の迷惑にはならないよう細心の注意を払ってね……」
我ながらこの言い訳はきっつー。
案の定、双子はそろってわたしにいまいち納得できないという目を向けてくる。
「それに、わたしはもっと声の小さいマンドラゴラを抜いていたでしょう。フェイルが抜いたのって森の精霊が教えてくれた一番うるさいやつじゃない」
抜かれたマンドラゴラは干からびたミイラのような形相でだらんとぶら下がっている。
つか、抜かれたマンドラゴラまだなにかぶつぶつと言っているよね? え、なんか怖いんですけど。
「と、とりあえずそれ、どこかに置いてきなさい」
「えぇぇ~。干して売りに行かないの?」
「え……遠慮しておくわ」
わたしが答えるとフェイルの手の辺りから「ちっ」という舌打ちが聞こえてきた。
わたしがそちらを視線をやると、フェイルに掴まれているマンドラゴラがふいっと顔をそらしたように……見えた。
えっと、気のせいだと誰か言って。つーか、そんな子連れて帰って干したくない。
「ちなみに鳥はね、今日のリジーの晩御飯になるかなって」
えへんと胸を張るフェイル。
わたしはちらっと白目向いてる鳥を見下ろした。
「ならないわよ!」
「ええ~」
二人が揃って不服そうに声を出した。
「レイルは、人間は生活のために狩りをするって言っていたよ?」
「いや、まあ。そうだけどね」
しかし、マンドラゴラの声を聞いて落ちてきた鳥は嫌だ。わたしの心情的に。
レイルも余計なことを言いよって。
わたしが天を仰ぐと、ティティがふよふよと飛んできた。
「リジー様ぁ。沢のほうでメローナがいい感じに冷えてますよぉ」
そういえばさっき頂き物のメローナ(見た目も味も前世でおなじみメロン)を沢で冷やしていたんだっけ。
わたしのすぐ近くまで飛んできたティティはわたしにこそっと耳打ちをする。「さっさとここから退散しないと、さっきフェイル様がマンドラゴラ引き抜いたせいで、大杉の爺様が昼寝起こされてぷんすかしていましたから」と。
わたしは顔を青くした。
「とにかく、冷たいメローナ食べましょう」
ティティはわたしの背中をぐいぐい押しやる。
「わぁい。メローナ食べるー」
「僕が割ってあげるね」
「って、こら! 大杉のおじいさまにちゃんと謝りなさいっ! あと、そのマンドラゴラは置いていきなさい」
「ええ~。せっかくリジーのために抜いたのに」
「その気持ちだけ受け取っておくから」
そう言うと再びフェイルの手元から「ちっ」と舌打ちが聞こえてきたけど、今度は聞こえなかった振りをした。
「じゃあ鳥は?」
「それも……置いていきなさい」
「ええ~。せっかくだから一匹持って帰りましょうよぉ。わたし、おいしくこんがりいい感じに焼いちゃいますよ。グレゴルン著、人間の料理・野外編に載っていた香草丸焼き、興味ありますぅ」
グレゴルン著の書籍ネタもちょっと、いらない。
フェイルは掴んでいたマンドラゴラを眺めて、それからわたしを伺って、とたたっと少し離れてマンドラゴラを地面に置いた。
それを見届けたわたしはほっと息をついたのだが、ティティがちゃっかり鳥を一話背負っているのを知っている。
きっとわたしの晩御飯に……なるんだろうなあ。
後ろでは「ぐぇぇ」と聞こえあとにばさばさと羽音が。ティティが「あらぁ。気が付いたみたい。でもまだ寝ていてね」と物騒なことを言った直後再び静かになった。
「ティティ、強い」
フェイルの感嘆する声が聞こえてきたけど、変なところは真似しないでほしい。
「あ、虫」
森を歩いていると当然虫に出くわすこともあるわけで。
蚊はいやだな、と思いつつ、わたしは手で虫をしっしと追い払う。
「まーぁ! 虫の分際でリジー様を襲うとは! 不届き千万っ! 覚悟なさぁぁいっ」
「きゃぁぁぁっ! ティティ、こんなところで炎巻きちさないでちょうだい!」
「リジー様を刺そうとする虫なんて丸焼きにしてやりますぅぅ」
ティティが森の中で炎をまき散らし、双子はティティを応援し。
「こぉら! おまえさんたちうるさいぞぉ!」
大杉のおじいさんの雷が、森の中にこだました。
10
お気に入りに追加
281
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
貴族としては欠陥品悪役令嬢はその世界が乙女ゲームの世界だと気づいていない
白雲八鈴
恋愛
(ショートショートから一話目も含め、加筆しております)
「ヴィネーラエリス・ザッフィーロ公爵令嬢!貴様との婚約は破棄とする!」
私の名前が呼ばれ婚約破棄を言い渡されました。
····あの?そもそもキラキラ王子の婚約者は私ではありませんわ。
しかし、キラキラ王子の後ろに隠れてるピンクの髪の少女は、目が痛くなるほどショッキングピンクですわね。
もしかして、なんたら男爵令嬢と言うのはその少女の事を言っています?私、会ったこともない人のことを言われても困りますわ。
*n番煎じの悪役令嬢モノです?
*誤字脱字はいつもどおりです。見直してはいるものの、すみません。
*不快感を感じられた読者様はそのまま閉じていただくことをお勧めします。
加筆によりR15指定をさせていただきます。
*2022/06/07.大幅に加筆しました。
一話目も加筆をしております。
ですので、一話の文字数がまばらにになっております。
*小説家になろう様で
2022/06/01日間総合13位、日間恋愛異世界転生1位の評価をいただきました。色々あり、その経緯で大幅加筆になっております。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる