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愉快な仲間達①
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《自害しろ》
そうソレーユの声が聞こえて、気付けば身体が勝手に動き、自分の首を絞めていた。
慌てて、意地で手を引っぺがすが、命令を破った罰で身体に激痛が走る。
痛みに意識が鈍ると身体が勝手にまた自害しようとして痛みと命令と理性の狭間でもがいた。
もがいている時間はまるで時が止まったかのように長く感じて、心が折れそうになる。こんな理不尽に負けたくないのに目の前に広がる未来には死しか見えず、希望を探して手を伸ばした。
《生きて》
ソレーユの命令が頭に響く中。
小さくだが、アイツの声が聞こえた。
名前も覚えていないのに愛おしくてしょうがないアイツの声が聞こえて、ソレーユの命令が少し遠のいた。
ー 会いたい…な。
とろりと甘い魔力。
優しく触れる古傷だらけの手。
涙を流しながら幸せそうに微笑む姿。
隣にいるだけでこそばゆい程幸せで、ずっと幸せでいて欲しい人。
確かアイツとも大切な事を約束した。
《あの人》みたいに賭けとかじゃなく、とても大切な守らなければいけない約束をした。
小さな緑色の小指に指を絡めて…。
『ゆびきりげんまんだ。俺はお前を孤独にするような真似はしねぇ。約束破ったら腹に三発。手加減すんなよ。』
そう約束したアイツは嬉しそうに笑ってて。
アイツの名は……。
「コタ!?コタッ!!!しっかりして。」
俺を呼ぶ、声が聞こえて意識が浮上する。
顔を上げるとぱっちりとした山吹色の瞳から大粒の涙が溢れて、キラキラと雨を降らしていた。
リスの耳にリスの尻尾がついた少年が悲しげに尻尾をだらんと下げている。
誰だ…と、一瞬思ったが、スリスリと鼻頭を合わせる特有の挨拶にギョッとして距離を取り、はたと思い出した。
「ラ…ヨネ?」
「うんっ。ラヨネだよ、コタ。…大丈夫?顔色が悪いよ。」
「大丈夫だ。それより…、モモを取り返して…。戻らないと。」
「……アイツ。まだ自力で何とかしてないの!?ああ、もうッ。これじゃあ、コタを攫ってとんずら出来ないじゃんッ。」
タシタシと苛立たしげに尻尾を地面に叩きつけて、「ちょっと来いッ。」と茂みに話し掛ける。するとフードを被った半獣人と獣人達が次々と顔を出した。
「もうやんのか?テキトーに人族の陣営を襲って魔族に恩売り、コタの兄貴をてらっとかっ攫う作戦。」
「いえいえ、ちょっと違いますよ。『テキトーに人族の陣営を茂みから奇襲して恐怖のどん底に叩き落とし魔族に恩を売り。あわよくば魔王と交戦して弱っている勇者の首を横取りして、コタ様を攫いエルフの技術と恩を売った魔族の技術を利用して延命しよう!!』…計画ですッ。」
「長ぇよっ!?その上、とことんエゲツないな!!?」
「よーし、がんばるぞッ。みんなで背後から袋叩き頑張るぞー。」
「「「「オーッ!!!」」」」
「俺の、俺の元部下まで王子さんの思考に毒されていく……。」
突如現れた愉快な仲間達は中々えげつない計画に子供のようにキラキラと純真無垢に目を輝かせてヤる気満々だ。…狼野郎一人を除いて。
ラヨネはそんな愉快な仲間達に寒々とした視線を送り、腕を組んだ。
「あのね。作戦の変更じゃなきゃ、僕がアンタ達に指示なんか出す訳ないでしょ?…それに周囲のこの異様な空気が分からないの?鈍いの?…ああ、ごめんね。鈍いんだね。」
「異様な空気?…そういや、丘の辺りからピリピリとヤバそうな雰囲気を感じるな。」
「そうっすね、頭。なんか、俺、前にも感じた事のあるヤバい空気を感じるよ。」
「「ん?前にも感じた??」」
獣人達がブワッと毛を逆立たせて、丘の方を見る。
犬の獣人は「あれはもう嫌ッ。」と泣き出し、狼野郎はバツが悪そうに俯いたが、慌てた様相でラヨネの肩を掴んだ。
そうソレーユの声が聞こえて、気付けば身体が勝手に動き、自分の首を絞めていた。
慌てて、意地で手を引っぺがすが、命令を破った罰で身体に激痛が走る。
痛みに意識が鈍ると身体が勝手にまた自害しようとして痛みと命令と理性の狭間でもがいた。
もがいている時間はまるで時が止まったかのように長く感じて、心が折れそうになる。こんな理不尽に負けたくないのに目の前に広がる未来には死しか見えず、希望を探して手を伸ばした。
《生きて》
ソレーユの命令が頭に響く中。
小さくだが、アイツの声が聞こえた。
名前も覚えていないのに愛おしくてしょうがないアイツの声が聞こえて、ソレーユの命令が少し遠のいた。
ー 会いたい…な。
とろりと甘い魔力。
優しく触れる古傷だらけの手。
涙を流しながら幸せそうに微笑む姿。
隣にいるだけでこそばゆい程幸せで、ずっと幸せでいて欲しい人。
確かアイツとも大切な事を約束した。
《あの人》みたいに賭けとかじゃなく、とても大切な守らなければいけない約束をした。
小さな緑色の小指に指を絡めて…。
『ゆびきりげんまんだ。俺はお前を孤独にするような真似はしねぇ。約束破ったら腹に三発。手加減すんなよ。』
そう約束したアイツは嬉しそうに笑ってて。
アイツの名は……。
「コタ!?コタッ!!!しっかりして。」
俺を呼ぶ、声が聞こえて意識が浮上する。
顔を上げるとぱっちりとした山吹色の瞳から大粒の涙が溢れて、キラキラと雨を降らしていた。
リスの耳にリスの尻尾がついた少年が悲しげに尻尾をだらんと下げている。
誰だ…と、一瞬思ったが、スリスリと鼻頭を合わせる特有の挨拶にギョッとして距離を取り、はたと思い出した。
「ラ…ヨネ?」
「うんっ。ラヨネだよ、コタ。…大丈夫?顔色が悪いよ。」
「大丈夫だ。それより…、モモを取り返して…。戻らないと。」
「……アイツ。まだ自力で何とかしてないの!?ああ、もうッ。これじゃあ、コタを攫ってとんずら出来ないじゃんッ。」
タシタシと苛立たしげに尻尾を地面に叩きつけて、「ちょっと来いッ。」と茂みに話し掛ける。するとフードを被った半獣人と獣人達が次々と顔を出した。
「もうやんのか?テキトーに人族の陣営を襲って魔族に恩売り、コタの兄貴をてらっとかっ攫う作戦。」
「いえいえ、ちょっと違いますよ。『テキトーに人族の陣営を茂みから奇襲して恐怖のどん底に叩き落とし魔族に恩を売り。あわよくば魔王と交戦して弱っている勇者の首を横取りして、コタ様を攫いエルフの技術と恩を売った魔族の技術を利用して延命しよう!!』…計画ですッ。」
「長ぇよっ!?その上、とことんエゲツないな!!?」
「よーし、がんばるぞッ。みんなで背後から袋叩き頑張るぞー。」
「「「「オーッ!!!」」」」
「俺の、俺の元部下まで王子さんの思考に毒されていく……。」
突如現れた愉快な仲間達は中々えげつない計画に子供のようにキラキラと純真無垢に目を輝かせてヤる気満々だ。…狼野郎一人を除いて。
ラヨネはそんな愉快な仲間達に寒々とした視線を送り、腕を組んだ。
「あのね。作戦の変更じゃなきゃ、僕がアンタ達に指示なんか出す訳ないでしょ?…それに周囲のこの異様な空気が分からないの?鈍いの?…ああ、ごめんね。鈍いんだね。」
「異様な空気?…そういや、丘の辺りからピリピリとヤバそうな雰囲気を感じるな。」
「そうっすね、頭。なんか、俺、前にも感じた事のあるヤバい空気を感じるよ。」
「「ん?前にも感じた??」」
獣人達がブワッと毛を逆立たせて、丘の方を見る。
犬の獣人は「あれはもう嫌ッ。」と泣き出し、狼野郎はバツが悪そうに俯いたが、慌てた様相でラヨネの肩を掴んだ。
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