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その痴女の名は
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女は現実じゃありえない紫色の長い髪をふぁさりっと横に流し、こちらに目を向けた。すると元々機嫌が悪そうだった顔が般若の形相に進化した。…一体、なんなんだ!?
「貴様が我が愛しい愛しいミドリの想い人かッ。」
「えっ?? いや、アンタ誰…。」
「おのれ、おのれぇっ!!! 」
状況が飲み込めずにポカンとしているとガバリと女が飛びかかってきて、羽交い締めにされた。唐突な修羅場に頭が付いていかない。
「こしょこしょこしょこしょッ!!! 」
「やめっ!?…あひゃっひゃっひゃっひゃ。」
そして何故かくすぐられている。
豊満な胸を頭に押し付け、逃げられないように固定してひたすら脇をくすぐられてる。もう訳が分からない。
息が上がるまでくすぐられて、ゼェゼェとベッドに蹲る。本当に何事だ?
「顔は及第点…。身体も細身だがしっかりとしておる。ううむ、感度も良好…。」
散々人をくすぐった女は顎に手を当てて、何かをぶつぶつと唱え始める。その目は怒りに染まっていてすごい睨んでくる。
ー なんだ。この女は!?
どうやらミドリの知り合いらしいが果たしてミドリとはどんな関係なのか。
『愛しい愛しいミドリ。』と言っている所をみるにミドリに気持ちを寄せている女性だという事はわかった。そして、暴力ではなく、何故かくすぐりの刑に処されたが、これがミドリをめぐる修羅場って事は理解している。おそらく、恋敵だと思われてる。
「アンタはミドリの…。」
「おのれ、貴様ッ。我が愛しいミドリのあの朝からの落ち込みようはなんだ!? 念願の想い人との蜜月とは思えんような落ち込みようじゃ。」
「…えっと? 」
「なんじゃ!!彼奴の夜伽のテクに不満でもあったのか??あれか。鋼の精神で我慢し続けにし続けて性欲が爆発して粗相でもしたか?それともモノの太さか?」
「…取り敢えず、言ってる事が凄いはしたないから一回、喋んのをやめてくれ。頼むから。」
修羅場の方向性が思っていた方向より斜め上に突き進んでいく。
胸以外は何処かのお淑やかな貴婦人の様相なのに怒りの矛先が矢鱈とはしたない方向にズケズケと突き進んでいく。…何に怒ってんだ、この女は!?
ドン引きしつつ身体を起こそうとするが女がドレスの中が見えるのも気にせず足を振り上げ、俺の顔の真横にドンッと足を置き、邪魔をする。…ちったぁ、恥じらえよッ。
「よいか?一回の粗相くらい許してやれ。数年我慢したのじゃ。それくらいのご褒美はあって然るべき。太さなぞ問題ではない。そこまで太くはないがその分長いから我慢せい。…テクに関しては…、これから身につけていけば良しッ。テクがなくても貴様の感度を上げれば問題なしッ。」
「なぁ。アンタは何しに来たんだ!?しかも全然止まんねぇのな。ちったぁ、恥じらえって!!」
「嫌よ嫌よも好きのうち。恥じらうばかりではなく、寧ろ自身から伴侶を喜ばせてみせよ。ほれ、妾が男の誘い方を伝授してやるから服を脱げッ。」
「ちったぁ、俺の言葉に耳を傾けてくれッ。やめっ!!折角、来たのに脱がすなッ!?」
ズボンに手をかけ、脱がそうとしてくる女。改め、痴女。
何故、この世界はオープンにわいせつ行為をしてくる奴が多いのか?
「よいか?勿論恥じらいも大切じゃ。最初は露わになった下半身を服で隠し恥じらいつつ、徐々にたくし上げる。そして物欲しそうな顔で受け入れる準備を目の前でして誘うのじゃ。男はイケナイ事をするようなスリルと色香に弱い。」
「マジでやめろ!!喋んのも脱がせようとすんのもッ。」
痴女でも女相手に拳を振るうのは俺の矜持に反する。
だが、この痴女はとんでもなく、人の話を聞かない。何処までも自分本位で生きてやがる。
ズボンを脱ぐ脱がないの押し問答の末(物理)、なんとかズボンを死守する事に成功。痴女はすっごく悔しそうにベッドを叩いた。
「いや…。何がしたいんだ…。」
スススッと距離をとり、服を剥ぎ取られないようにグルグルと毛布を巻きつける。…べ、別にビビっちゃいねぇよ?断じてこの痴女に恐怖を覚えた訳ではない。
早く出てってくれと思いつつもこの痴女が言っていたミドリの様子が気になる。
「えぇいッ。さっきから心の中で痴女痴女言いおってからにッ。妾の名はシャルマン。何をしに来たかって?…貴様の所為で妾の愛しい愛しいミドリが朝から『もう合わせる顔がない。なんて酷い事を…。』と、会議中も心でしんしんと泣いてるから会議をほっぽって説教しに来たのじゃ。」
勝手に心を読んで疑問に答えるシャルマンとかいう痴女。
想い人が傷心しているからその要因を取り除きに来た…って事で解釈は合ってんのか?
「阿呆ッ。違うわ違うッ。愛しいからと全てが恋愛にはなるとは大間違いじゃッ。」
…いや、なんか違ったっぽい。
フンッと鼻を鳴らして、バンッと力強く自身の豊満な胸を叩く。
「妾は母じゃ。」
「は、母…。ん? 母!!? 」
その発言に衝撃を受けて目をかっ開いて痴女を改めて見る。しかし、痴女の肌は決して緑色ではなく、髪の色も違うし、瞳の色も違う。なんなら種族も違う気がするが母!?
「母を名乗るのに血の繋がりは些細な事。妾はあの子の師だが、この愛情は血の繋がった肉親すら勝ってみせるわッ。」
そう高笑いをして再度俺に詰め寄り、ベッドの端まで追い詰める。だから、あの子の伴侶に難癖つける権利があると謎の主張を繰り広げる。…自分で難癖って言ったぞ、この痴女。
今度はズボンではなく服を掴み、ガクガクと揺らしてくる。その目は据わってる。
「あの子の一体何がいけない?あの子は気も使えて、仕事もできる上、家事も完璧にこなすぞ。妾の部屋だってあの子が何時も掃除してるし、『脱いだものはその辺に置かないでください。』と小言はいうが、結局全部やってくれるぞ。」
……なぁ。ミドリのポジションが完全にオカンなのは気のせいか?
言ってる事はツッコミ所万歳なのにその気迫は殺意に近いものを感じ、突っ込む事が出来ない。
本人は至って真面目に全力で怒っている。
それに茶々を入れる程、無神経には流石になれない。
自然と身体が正座の体勢を取ると少し気を良くしたのか口の端が少し上がる。謎の説教から今度はミドリとの思い出話にと何故か話が移行していく。…途中から当初の目的、忘れてないか?
「あの子と妾が出会ったのはダンジョンの地下六十五階。遥か格上のフェンリルの群にあの子が命を狙われていた時よな。」
話が逸れてるなと思いつつも黙ってシャルマンの話を聞く。だって、そうミドリの事を話すシャルマンは一時、怒りを忘れて懐かしそうに微笑んでいるもんだから。それは本当にミドリを愛しんでいる事が分かる優しい笑みだった。
「何時も身体中怪我を負いながらも怯まず相手に向かっていく姿を最初は滑稽だと見ておったが、彼奴は数週間かけてフェンリルの頭を倒して見せてな。それが痛快で久々に面白いものを見せてもらった礼に傷を魔法で癒してやったら『弟子にしてくださイ。』と…な。だが、妾はおいそれと弟子を取る主義ではなくて……。」
生き生きと語られるミドリの武者修行の話。
無理難題をシャルマンから押し付けられて時には死に掛けながらも誠実にただひたすらに教えを乞い、弟子になるまでの話や弟子になってからの話。
話を聞くに度々、ダンジョンの過酷な生存競争やシャルマンのスパルダな指導により死に掛けていているのが、少々心配になったが、死に物狂いで修行したからの今なんだろうなと納得した。
お前はここ数年、そんな事があったんだなと思うと自然に頬が緩む。
「お主…。」
シャルマンが俺の顔を見て、目を丸くして、何故かホッと胸を撫で下ろす。
「そうか、お主にとってミドリは…。」
胸ぐらから手が離れ、少しバツが悪そうに俺の掴まれてしわしわになった服を魔法で綺麗に整える。
「……修行中。ミドリはずっとお主を想っておった。死に掛けようとも、例え、その努力が報われなかろうが、愛しいお主を死なせない為に頑張っておったわ。」
その言葉にふと一番に頭に浮かんだのは初めて身体を重ねてしまった日に見た傷だらけの手。そして快楽で蕩ける意識の中で見えるがっしりとした筋肉の上にくっきりと残る大きな古傷。
思い出すだけでギュッと胸が苦しくなり、息が上手くできない。これはなんの苦しみだろうと首を傾げて胸の辺りに手を当てた。
「過酷な武者修行に挑んだのも耐え抜いたのもお主の為。それだけは夢夢忘れるな。」
全く、世話が焼けるとシャルマンがため息をつきつつ出て行く。
「俺の…為。」
初めてアイツが強くなりたいと口にし、旅立った日を思い出す。
旅立つ直前まで俺の身体を心配して何度も振り返る姿が頭に蘇る。
すると胸が更に苦しくなり、熱でもあるかのように身体が火照る。
ー こそばゆい。
ずっと渦巻いていた感情が少しだけ形になり、じんわりと身体を侵食していく。
何故、柄になく、こんなにも頭で考えてぐるぐるしていたのか。その理由がやっと今、自分でも分かった気がした。
「貴様が我が愛しい愛しいミドリの想い人かッ。」
「えっ?? いや、アンタ誰…。」
「おのれ、おのれぇっ!!! 」
状況が飲み込めずにポカンとしているとガバリと女が飛びかかってきて、羽交い締めにされた。唐突な修羅場に頭が付いていかない。
「こしょこしょこしょこしょッ!!! 」
「やめっ!?…あひゃっひゃっひゃっひゃ。」
そして何故かくすぐられている。
豊満な胸を頭に押し付け、逃げられないように固定してひたすら脇をくすぐられてる。もう訳が分からない。
息が上がるまでくすぐられて、ゼェゼェとベッドに蹲る。本当に何事だ?
「顔は及第点…。身体も細身だがしっかりとしておる。ううむ、感度も良好…。」
散々人をくすぐった女は顎に手を当てて、何かをぶつぶつと唱え始める。その目は怒りに染まっていてすごい睨んでくる。
ー なんだ。この女は!?
どうやらミドリの知り合いらしいが果たしてミドリとはどんな関係なのか。
『愛しい愛しいミドリ。』と言っている所をみるにミドリに気持ちを寄せている女性だという事はわかった。そして、暴力ではなく、何故かくすぐりの刑に処されたが、これがミドリをめぐる修羅場って事は理解している。おそらく、恋敵だと思われてる。
「アンタはミドリの…。」
「おのれ、貴様ッ。我が愛しいミドリのあの朝からの落ち込みようはなんだ!? 念願の想い人との蜜月とは思えんような落ち込みようじゃ。」
「…えっと? 」
「なんじゃ!!彼奴の夜伽のテクに不満でもあったのか??あれか。鋼の精神で我慢し続けにし続けて性欲が爆発して粗相でもしたか?それともモノの太さか?」
「…取り敢えず、言ってる事が凄いはしたないから一回、喋んのをやめてくれ。頼むから。」
修羅場の方向性が思っていた方向より斜め上に突き進んでいく。
胸以外は何処かのお淑やかな貴婦人の様相なのに怒りの矛先が矢鱈とはしたない方向にズケズケと突き進んでいく。…何に怒ってんだ、この女は!?
ドン引きしつつ身体を起こそうとするが女がドレスの中が見えるのも気にせず足を振り上げ、俺の顔の真横にドンッと足を置き、邪魔をする。…ちったぁ、恥じらえよッ。
「よいか?一回の粗相くらい許してやれ。数年我慢したのじゃ。それくらいのご褒美はあって然るべき。太さなぞ問題ではない。そこまで太くはないがその分長いから我慢せい。…テクに関しては…、これから身につけていけば良しッ。テクがなくても貴様の感度を上げれば問題なしッ。」
「なぁ。アンタは何しに来たんだ!?しかも全然止まんねぇのな。ちったぁ、恥じらえって!!」
「嫌よ嫌よも好きのうち。恥じらうばかりではなく、寧ろ自身から伴侶を喜ばせてみせよ。ほれ、妾が男の誘い方を伝授してやるから服を脱げッ。」
「ちったぁ、俺の言葉に耳を傾けてくれッ。やめっ!!折角、来たのに脱がすなッ!?」
ズボンに手をかけ、脱がそうとしてくる女。改め、痴女。
何故、この世界はオープンにわいせつ行為をしてくる奴が多いのか?
「よいか?勿論恥じらいも大切じゃ。最初は露わになった下半身を服で隠し恥じらいつつ、徐々にたくし上げる。そして物欲しそうな顔で受け入れる準備を目の前でして誘うのじゃ。男はイケナイ事をするようなスリルと色香に弱い。」
「マジでやめろ!!喋んのも脱がせようとすんのもッ。」
痴女でも女相手に拳を振るうのは俺の矜持に反する。
だが、この痴女はとんでもなく、人の話を聞かない。何処までも自分本位で生きてやがる。
ズボンを脱ぐ脱がないの押し問答の末(物理)、なんとかズボンを死守する事に成功。痴女はすっごく悔しそうにベッドを叩いた。
「いや…。何がしたいんだ…。」
スススッと距離をとり、服を剥ぎ取られないようにグルグルと毛布を巻きつける。…べ、別にビビっちゃいねぇよ?断じてこの痴女に恐怖を覚えた訳ではない。
早く出てってくれと思いつつもこの痴女が言っていたミドリの様子が気になる。
「えぇいッ。さっきから心の中で痴女痴女言いおってからにッ。妾の名はシャルマン。何をしに来たかって?…貴様の所為で妾の愛しい愛しいミドリが朝から『もう合わせる顔がない。なんて酷い事を…。』と、会議中も心でしんしんと泣いてるから会議をほっぽって説教しに来たのじゃ。」
勝手に心を読んで疑問に答えるシャルマンとかいう痴女。
想い人が傷心しているからその要因を取り除きに来た…って事で解釈は合ってんのか?
「阿呆ッ。違うわ違うッ。愛しいからと全てが恋愛にはなるとは大間違いじゃッ。」
…いや、なんか違ったっぽい。
フンッと鼻を鳴らして、バンッと力強く自身の豊満な胸を叩く。
「妾は母じゃ。」
「は、母…。ん? 母!!? 」
その発言に衝撃を受けて目をかっ開いて痴女を改めて見る。しかし、痴女の肌は決して緑色ではなく、髪の色も違うし、瞳の色も違う。なんなら種族も違う気がするが母!?
「母を名乗るのに血の繋がりは些細な事。妾はあの子の師だが、この愛情は血の繋がった肉親すら勝ってみせるわッ。」
そう高笑いをして再度俺に詰め寄り、ベッドの端まで追い詰める。だから、あの子の伴侶に難癖つける権利があると謎の主張を繰り広げる。…自分で難癖って言ったぞ、この痴女。
今度はズボンではなく服を掴み、ガクガクと揺らしてくる。その目は据わってる。
「あの子の一体何がいけない?あの子は気も使えて、仕事もできる上、家事も完璧にこなすぞ。妾の部屋だってあの子が何時も掃除してるし、『脱いだものはその辺に置かないでください。』と小言はいうが、結局全部やってくれるぞ。」
……なぁ。ミドリのポジションが完全にオカンなのは気のせいか?
言ってる事はツッコミ所万歳なのにその気迫は殺意に近いものを感じ、突っ込む事が出来ない。
本人は至って真面目に全力で怒っている。
それに茶々を入れる程、無神経には流石になれない。
自然と身体が正座の体勢を取ると少し気を良くしたのか口の端が少し上がる。謎の説教から今度はミドリとの思い出話にと何故か話が移行していく。…途中から当初の目的、忘れてないか?
「あの子と妾が出会ったのはダンジョンの地下六十五階。遥か格上のフェンリルの群にあの子が命を狙われていた時よな。」
話が逸れてるなと思いつつも黙ってシャルマンの話を聞く。だって、そうミドリの事を話すシャルマンは一時、怒りを忘れて懐かしそうに微笑んでいるもんだから。それは本当にミドリを愛しんでいる事が分かる優しい笑みだった。
「何時も身体中怪我を負いながらも怯まず相手に向かっていく姿を最初は滑稽だと見ておったが、彼奴は数週間かけてフェンリルの頭を倒して見せてな。それが痛快で久々に面白いものを見せてもらった礼に傷を魔法で癒してやったら『弟子にしてくださイ。』と…な。だが、妾はおいそれと弟子を取る主義ではなくて……。」
生き生きと語られるミドリの武者修行の話。
無理難題をシャルマンから押し付けられて時には死に掛けながらも誠実にただひたすらに教えを乞い、弟子になるまでの話や弟子になってからの話。
話を聞くに度々、ダンジョンの過酷な生存競争やシャルマンのスパルダな指導により死に掛けていているのが、少々心配になったが、死に物狂いで修行したからの今なんだろうなと納得した。
お前はここ数年、そんな事があったんだなと思うと自然に頬が緩む。
「お主…。」
シャルマンが俺の顔を見て、目を丸くして、何故かホッと胸を撫で下ろす。
「そうか、お主にとってミドリは…。」
胸ぐらから手が離れ、少しバツが悪そうに俺の掴まれてしわしわになった服を魔法で綺麗に整える。
「……修行中。ミドリはずっとお主を想っておった。死に掛けようとも、例え、その努力が報われなかろうが、愛しいお主を死なせない為に頑張っておったわ。」
その言葉にふと一番に頭に浮かんだのは初めて身体を重ねてしまった日に見た傷だらけの手。そして快楽で蕩ける意識の中で見えるがっしりとした筋肉の上にくっきりと残る大きな古傷。
思い出すだけでギュッと胸が苦しくなり、息が上手くできない。これはなんの苦しみだろうと首を傾げて胸の辺りに手を当てた。
「過酷な武者修行に挑んだのも耐え抜いたのもお主の為。それだけは夢夢忘れるな。」
全く、世話が焼けるとシャルマンがため息をつきつつ出て行く。
「俺の…為。」
初めてアイツが強くなりたいと口にし、旅立った日を思い出す。
旅立つ直前まで俺の身体を心配して何度も振り返る姿が頭に蘇る。
すると胸が更に苦しくなり、熱でもあるかのように身体が火照る。
ー こそばゆい。
ずっと渦巻いていた感情が少しだけ形になり、じんわりと身体を侵食していく。
何故、柄になく、こんなにも頭で考えてぐるぐるしていたのか。その理由がやっと今、自分でも分かった気がした。
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