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タイムトリップ

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「岩崎様…岩崎様…」




ゆっくりと目を開ける。
その目には熱いものが流れていた。



これほどまでに穏やかな気持ちになったことはない。 
きっと、今感じてるのが『幸せ』というものなんだと思えた。



今、体験したこと…それは、確かに現実ではない。 
なのに、俺の意識はそれを現実と同様に感じさせ、これほどまでに俺を幸せな気持ちにしてくれた。 



「御気分はいかがですか?」

「ありがとう…最高だ。」



もう思い残すことはない… 
だが、この世からおさらばしようという気持ちは今はもうない。 



これからは真面目に働いて、とにかく一生懸命生きていこう。 



希望はないかもしれないが、俺にはついさっき体験したあの偽の記憶がある。
これ以上ない程に幸せなあの記憶が…



(俺はやり直せたんだ…)



そのことが意外な程、大きな俺の支えになった。 
人生観さえも変えてしまう程に…

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