18 / 45
タイムトリップ
18
しおりを挟む
「なぜなんだ…!」
俺は、床を力一杯叩いた。
長い追想の間に、MDはもうとっくに演奏を終えていた。
なんでこんなことになってしまったんだろう…
今でも変わらず愛しているのに、俺は嫌われるようなことばかりやっている。
そうだ…いっそ、嫌いになってくれたら良い。
別れたら、あいつに辛い想いをさせることもないし、俺もこれ以上苦しまずに済む。
俺から別れを切り出すなんて、とても無理だ。
俺はあいつのことが好きでたまらないんだから…
だから、あいつから別れようって言ってもらえば…
そんな馬鹿げたことを考えた。
(俺達は愛し合ってるはずなのに、どうしてうまくいかないんだ…)
苛々した気持ちは募るばかりだった。
その時、がちゃがちゃと鍵を開ける音がした。
俺は、部屋の扉を開けた。
「あ…ごめん。起こしちゃった?」
「まだ寝てないから。」
不機嫌に、俺はそう言った。
本当は優しい言葉をかけてやりたいのに…
もう夜の仕事はやめろって言いたいのに、それが言えない。
「じゃあ、私…寝るね。おやすみ。」
「あぁ…」
疲れきった表情で…それなのに愛想笑いを浮かべたあいつはそう言って、自分の部屋に入って行った。
今日のあいつとの会話はたったそれだけ…
酷く気が滅入った。
俺は、部屋に戻り、再びヘッドフォンをかけると、音量を目いっぱい上げた。
ケイジのギターが俺の鼓膜を刺激する。
俺は、床を力一杯叩いた。
長い追想の間に、MDはもうとっくに演奏を終えていた。
なんでこんなことになってしまったんだろう…
今でも変わらず愛しているのに、俺は嫌われるようなことばかりやっている。
そうだ…いっそ、嫌いになってくれたら良い。
別れたら、あいつに辛い想いをさせることもないし、俺もこれ以上苦しまずに済む。
俺から別れを切り出すなんて、とても無理だ。
俺はあいつのことが好きでたまらないんだから…
だから、あいつから別れようって言ってもらえば…
そんな馬鹿げたことを考えた。
(俺達は愛し合ってるはずなのに、どうしてうまくいかないんだ…)
苛々した気持ちは募るばかりだった。
その時、がちゃがちゃと鍵を開ける音がした。
俺は、部屋の扉を開けた。
「あ…ごめん。起こしちゃった?」
「まだ寝てないから。」
不機嫌に、俺はそう言った。
本当は優しい言葉をかけてやりたいのに…
もう夜の仕事はやめろって言いたいのに、それが言えない。
「じゃあ、私…寝るね。おやすみ。」
「あぁ…」
疲れきった表情で…それなのに愛想笑いを浮かべたあいつはそう言って、自分の部屋に入って行った。
今日のあいつとの会話はたったそれだけ…
酷く気が滅入った。
俺は、部屋に戻り、再びヘッドフォンをかけると、音量を目いっぱい上げた。
ケイジのギターが俺の鼓膜を刺激する。
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる