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 「ただいま!
 寂しい思いをさせてごめんね!」

 戻って来たあの人は、扉を開きいつもと変わらない笑顔で私を抱き締めた。



 「さ、早く服を着ておいで。
そんな格好されてたら、目の毒だよ。」

 変わらない。
 少しも変わらない。
いつもと同じ、私の愛した秋彦さんがそこにはいた。



 私は狐につままれたような気持ちで服を着て、そして、彼に促されるままテーブルに座った。
 彼はかいがいしく買って来た物をテーブルに並べ始める。
もしかしたら、今朝のことは夢だったのだろうかと感じる程自然な様子で……



「今日は、お弁当を買って来たんだ。
 聖子、お昼はちゃんと食べた?
もし、食べたい物があったら、言っといて。
 買って来るから。」

 「あ、あの…秋彦さん…
まさか、あんなこと、ずっとするわけじゃないわよね?」

 「……ずっとだよ。」

 「……わ、私、あなたが外に出るなっていうならどこにも出ないわ。
だから…
ほ、ほら、やっぱり家事もしたいし……」

 「さぁ、食べよう。
 僕、お腹がぺこぺこだよ。」



 彼は、私の言葉を無視Sしてお弁当に手を伸ばした。




 「おいしいよ。
ほら…聖子も食べなよ。」

 無邪気な笑顔…



そう…この人は、確かに優しい人で……
今日だって、私に何かをしたわけじゃない。
ただ、少し焼き餅焼きだから、それであんなことをしてしまっただけなのかもしれない。
でも、話せばわかってくれる。
 誠意を持って話せば、きっと大丈夫。




………
 …………
けれど、そんな私の希望は無残にも打ち砕かれた。
 次の朝も、彼は私を裸にしてあの部屋に閉じ込めた。
それ以外は、何も変わらなかったけど、かといって閉じ込められることに耐えられるはずもない。
 何度、やめてくれと懇願しても彼は絶対に聞き入れてはくれなかった。

そんな日々が続いたある日、私は彼に押さえきれなくなった感情をぶつけた。


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