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しおりを挟む「何なの?この指輪…急に縮んだわ。」
『魔法使いの指輪よ。』
「魔法使い…?」
(こいつ、何を言ってるんだろう?
魔法使いだなんて、一体いつの話よ。
魔法使いはとうの昔に火あぶりにされてこの世からいなくなったのよ。
子供だと思って、私を馬鹿にしてるのかしら?)
『それをはめてると、魔法が使えるのよ。』
「……そう。」
(やっぱりだ。
子供だと思ってナメてるんだ…
っていうか、こいつ…一体、何者!?)
『それとね、それとね…あんたの夢を一つ叶えてあげる。
あんたに助けてもらったお礼。
妖精は、意外と義理堅いの。
さぁ、言って。
あなたの願いを…!さぁ!』
「えっ……」
確かにあった。
私には、ずっとずっと昔からの夢が…
頭に浮かぶのは、子供の頃に読んだ絵本の一シーン…
勇ましい王子様が、捕らわれたお姫様を迎えに来て…そして二人は結ばれる…
私はお姫様じゃないから王子様は無理だけど、素敵な人のお嫁さんになること…
そう、優しくて格好良い人と結婚するのが、私の夢…
「……お、お嫁さん…に…なりたい。」
『なんですって?聞こえないわ。』
「お、お嫁さんになりたいの!
優しくて格好良い人のお嫁さんになりたいの!」
恥ずかしかったけど、そこはまだ純真な子供の私…
顔を真っ赤にしてそんなことを叫んだ。
『お嫁さん?つまり、優しくて格好良い人をあんたにみつけてあげれば良いのね。
簡単なことだわ。
じゃあ、今から探しに行きましょう!』
「だ、だめよ。
私はまだ子供だから、結婚なんて出来ないわ。」
『じゃあ、いつになったら結婚出来るの?』
「どんなに早くてもあと六年はだめだわ。」
『なぁんだ、そんなにすぐなの?
じゃあ、問題ないわね。
契約成立ね。』
そう言うと、リアナは殊更に素早く羽を動かした。
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