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「どうぞ…」
リリアは、アラニスを国王の部屋に通しました。
国王は、寝台ですやすやと眠っておられました。
「陛下は眠り病にかかっておられるのです。」
「眠り病!?」
「はい、こうしてずっと眠られたままなのです。」
アラニスは仮面を取り去りました。
「国王陛下、初めまして。
僕は、リュッケル王国のアラニスです。
陛下がお目覚めになられるように、心を込めて歌います。」
アラニスは歌いました。
朝日が昇り、小鳥たちがさえずり、町の皆が起き出して、仕事に出掛ける日常の光景を歌ったのです。
それは聴いた者の気持ちがウキウキとするような明るく楽しい歌でした。
すると、その時、陛下の瞳がゆっくりと開いたのです。
「陛下!」
国王は、ゆっくりとアラニスの方に視線を泳がせました。
「今、歌を歌ってくれたのは、そなたか?」
「はい、そうです。」
「ありがとう、とても心地良い歌だった。
そなたのおかげで私は呪いから解放されたようだ。」
「の、呪いですって!?」
リリアは目を丸くして、国王をみつめました。
「リリア…衛兵を呼ぶのだ…!
そして、メビウスを捕らえよ!」
「は、はいっ!」
リリアは言われた通りに、大きな声で衛兵を呼びました。
「どうぞ…」
リリアは、アラニスを国王の部屋に通しました。
国王は、寝台ですやすやと眠っておられました。
「陛下は眠り病にかかっておられるのです。」
「眠り病!?」
「はい、こうしてずっと眠られたままなのです。」
アラニスは仮面を取り去りました。
「国王陛下、初めまして。
僕は、リュッケル王国のアラニスです。
陛下がお目覚めになられるように、心を込めて歌います。」
アラニスは歌いました。
朝日が昇り、小鳥たちがさえずり、町の皆が起き出して、仕事に出掛ける日常の光景を歌ったのです。
それは聴いた者の気持ちがウキウキとするような明るく楽しい歌でした。
すると、その時、陛下の瞳がゆっくりと開いたのです。
「陛下!」
国王は、ゆっくりとアラニスの方に視線を泳がせました。
「今、歌を歌ってくれたのは、そなたか?」
「はい、そうです。」
「ありがとう、とても心地良い歌だった。
そなたのおかげで私は呪いから解放されたようだ。」
「の、呪いですって!?」
リリアは目を丸くして、国王をみつめました。
「リリア…衛兵を呼ぶのだ…!
そして、メビウスを捕らえよ!」
「は、はいっ!」
リリアは言われた通りに、大きな声で衛兵を呼びました。
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