SFSS集

告白

２

雰囲気の良いお店で、ワインをちびちび飲みながら、美味しいイタリアンを食べて…今夜は、アーロンの家にお泊まり。



 「遥、何、飲む？」

 「ウーロン茶で良いよ。」

 「うん、わかった。」



アーロンの家は、見上げるようなマンションの最上階。
 大きな窓からは、宝石みたいにキラキラ輝く夜景が広がる。
 普通のサラリーマンにはなかなか住めるような部屋じゃない。
なんでも、アーロンの家系は、先祖から資産家なんだって。

 見た目が良くて、性格も良くて、その上、頭も良くて、資産家の家系って、どれだけ恵まれてるんですか！？
あ…でも、そんなアーロンと結婚することになった私は、考えようによってはアーロンよりも幸せな人なのかな？？



 「遥…今日は君に聞いてほしいことがあるんだ。君に隠し事はしたくないから。」

 「え？何？」

アーロンは、にっこりと天使のような笑顔を浮かべた。



 「僕の故郷のことなんだけど…」

 「故郷がどうしたの？」

 「僕の故郷はイギリスだって言ったけど、あれ…嘘なんだ。」

 「えっ！？」



どういうことだろう？
アーロンはどこからどう見ても西洋人に見える。
 髪は金髪だし、目は青い、背も高いし…
ただ、私にはどこの国の西洋人かっていう事は確かによくわからないけど…



「実は……遥、びっくりしないでね。
 僕…実は金星人なんだ。」

 「は？」



びっくりというよりも、理解が追い付かなかった。



えっと…金星人っていうのは、もしかして、宇宙にある金星の人ってこと？
っていうか、それってジョーク？
それとも、何かの比喩？
 私、そんなに頭良くないのに…どう受け止めれば良いのか、わからないんですけど～！



 「アーロン…えっと、金星人っていうのは、どういうこと？」

 「遥は地球に生まれて地球で暮らす地球人だよね？
 僕は今は地球に住んでるけど、金星で生まれ育ったから金星人ってことだよ。」



アーロンは当たり前だろ？と言わんばかりに、そう説明してくれた。