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ガラスの檻

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「どうして鍵がかかってるんですか!」

 「ここには大変重要な機密事項があります。
そのため、勝手に施設内を出歩かれてはいけないからです。」

 「俺たちは、ただ何か食べたいと思って…」

 「お食事ならすぐにお持ちします。」

そう言うと、森田は一方的に電話を切った。



 *



 「明日も父さんが忙しくて会えないようだったら、もう帰ろうな。」

 「そうだね、会いたかったけど仕方ないよね。」

 食事を済ませ、俺たちは眠った。
 山道を何時間も歩いて疲れていたせいか、俺たちはあっという間に眠りに就いた。



 次の朝…俺は、うなり声で目覚めた。



 「彩、どうしたんだ!?」

 彩は返事をせず、土のような顔色をしてうなるばかりだった。



 「すぐに来て下さい!
 彩の様子がおかしいんです!」

 俺が電話をかけてすぐに、森田と数人の男が俺たちの部屋に来た。



 「すぐに救急車を呼んでください!」

 森田はそれには返事をせず、男たちに指示を与えて、彩を部屋の外へ連れ出した。



 「あなたはこちらでお待ちください。」

 「えっ!?」

 着いていこうとした俺は、森田に強い力で押し戻された。



 「開けてくれ!」

どんなに扉を叩いても、扉は開けてもらえず…
電話をしても、彩のことは心配ないと言われるだけだった。
 父さんにも相変わらず会わせてもらえない。



そして、瞬く間に一週間の時が流れた。



 彩の身に、一体何が起こったのか…
いくら考えてもわからない。
 彩のことが死ぬほど心配なのに、何も出来なくて、俺は落ち込んでいた。
そんな時、不意に鍵の開く音がして、森田が現れた。



 「和也さん、着いてきて下さい。」

 「どこへ行くんですか?」

 「婚約者の方のところへ。」

 「えっ!」

まさか、彩に何かあったのか?
 俺は不安な気持ちで、森田の後に続いた。


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