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第四の依頼

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「本当にありがと。」

そう言うと、さむいもさんは懐から紙に包んだものを僕の前に差し出した。



 「お礼。」

 「あ、ありがとうございます。」

 十番目のお礼の品は、灰のようなものだった。




 「これ、溶かして飲む。
 防御力が1ポイント上がる。」



 灰を飲む…?



 誰がそんな酔狂な役目を…



そう思って顔を上げたら、皆の視線が僕の方をみつめてた。



……わかっていたよ。
どうせ、僕が飲む羽目になるだろうってことは、最初からわかっていたさ。



 「いーさんが一番防御力が低いんですから…」

 「せっかくいただいたものを無駄にしてはいけません。」



どうせそんなことを言って、僕に飲ませようとするんだろう。



あぁ、あぁ、その期待に応えてやるよ。
 飲むだけなら、食べるよりもましってもんだ。



 水に溶いた灰は、思った通りの灰色だった。
 見るからにまずそうだ。



 「うっ!」



 吐き出しそうになるのを堪えて僕は灰ジュースを飲み干した。
こんなまずいものを飲まされて、防御力がたったの1ポイントしかあがらないなんて割りに合わない。



 「ところで、さむいもさん。
ここには、芋畑が山ほどありますが、どうしてわざわざ神芋を探す必要があったんですか?」

 「さむいも、芋に触れると氷漬けなる。
それ、呪い。
 呪いあるから、新しい畑も作れない。
 芋畑、もっともっと作りたい。」

 「まだ芋畑を…
それで、その呪いはもう解けたんですか?」

 「神芋十種見つけたら、呪い解ける。
さむいも、新しい畑作れる。
あんた達、良い人…ありがと。」

なんだかいまひとつよくわからないけれど…
とりあえず、今回の依頼は無事解決したようだ。
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